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INTERVIEW

トップインタビュー和田瞳(女優)- 『悲しき天使』 遊郭で繰り広げられる熱く悲しい人間模様

『悲しき天使』遊郭で繰り広げられる熱く悲しい人間模様

2020.04.01

 遊郭を舞台に繰り広げられる悲しい人間模様を描いた舞台『悲しき天使』。何度も再演される名作が映画として公開。初主演の今作を全力で演じた女優"和田瞳"は、どのように作品に取り組んだのか。作品に対する思いとともに語っていただきました。[interview:柏木聡(LOFT/PLUS ONE)]

凄く刺激的で、思い入れ深い作品

——『悲しき天使』はどこか懐かしいノスタルジックな作品ですね。

和田:そうですね。少し昔が舞台になっています。

——どういった経緯でこの作品のお話が来たのですか。

和田:監督の森岡(利行)さんの舞台『夕凪の街 桜の国』に出させていただいたんです。そのお芝居の稽古初日にとつぜん呼び出されて、その日に口答えをしたので怒られると思ったら「映画の主演をやってみないか」と言われてびっくりしました。疑問がいっぱいのまま「ハイ」と答えました。

『悲しき天使』場面写真sub14.jpg

——森岡さんが舞台でご一緒された際に、和田さんしかいないと感じられたんですね。

和田:なにかを感じていただけたのは凄く嬉しいです。凄く刺激的で、思い入れ深い作品になりました。

——改めて脚本を読まれていかがでしたか。

和田:「こんなセリフを言うんだ、全部関西弁じゃん」というのが最初の感想でした。脚本を読んでいく中で自分の中に一美像を作ってからは、セリフをしっくり言えるように気持ちを持っていこう、と、すぐに受け入れられました。

——皆さん本当に生きているようで、ドキュメンタリーを見ているような感覚になりました。

和田:ノンフィクションの部分もあるので、よりリアルに感じられたのかもしれませんね。

——遊郭が舞台なので濡れ場もあるんですけど、エロいだけではなく綺麗でした。

和田:わかります。女の子でも見られる濡れ場になっているんじゃないかなと思っています。

『悲しき天使』場面写真main.jpg

安心して自分たちのペースで進めました

——本当に体当たりで演じられていますが、どのような現場だったのですか。

和田:私たちやスタッフのみなさんも舞台の宿に泊まり込みで撮影していたんです。そういう環境だったこともあってみんなとも仲良くなれたし、信頼関係も築くことがでました。信頼があったから濡れ場にもすんなり入っていけました。

——常に現場にいたからこそ、その場に居るのが自然になっていったのかもしれないですね。

和田:そうですね。キャストのみなさんは舞台『悲しき天使』からのかたも多く、チームが出来あがっていたというのもあると思います。私は映画からの参加ですけど、みなさんにすんなりと受け入れてもらえました。いまも共演した方と遊びに行くくらい仲良くしています。

——いいですね。監督の森岡さんはどのような方ですか。

和田:舞台と映画では正反対の方で、舞台だとめちゃくちゃ怒るんですけど、映画だと仏のようでした。そのギャップにびっくりしたくらいです。撮影現場では私や水野(勝)君の提案も取り入れながら進めてもらえて、本当にやりやすかったです。舞台でいっぱい怒られたからかもしれませんね。

『悲しき天使』場面写真sub12.JPG

——それは和田さんに対して期待があったからですよ。

和田:はい。愛だと思って受け止めます(笑)。

——お話をしていると、和田さんと一美は性格が違いますね。方言も含めて演じるのは大変だったのではと思いますが、どこに気を付けて演じられましたか。

和田:私より少し年上の人をイメージして書かれた脚本なので、話し方や動き方で落ち着いた感じを出せるように意識をしました。その方がセクシーにも見えるので。あとは笑顔を出さないようにしました。営業スマイルくらいで、無表情なことも多いです。

——確かに主役の二人は感情を表に出さないですね。そんな性格でも二人が何を感じているかをしっかりと受け止めながら観ることができました。

和田:そこは脚本に助けてもらえた部分です。周りの方が私たちの話題で話を進めてくださるので、安心して自分たちのペースで進めました。ただ今回、一美を演じて恥ずかしいことがあって。

——なんですか。

和田:ネットでの紹介記事で『美しき遊女役』と書かれていたんです。それがめちゃくちゃ恥ずかしくて。

——実際にそうですから、自信を持ってください。

和田:綺麗に見えるように努力はしましたけど、ビックリしました。

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逆に楽しかったくらいの思い出

——美しい役を演じながら、キスシーンや濡れ場も体当たりで演じられていますが。挑戦されてどうですか。

和田:自分でも驚くほど緊張しなかったです。そこはスタッフのみなさんの配慮があったからこそです。実際に演じる私が躊躇をしていたら周りが気を使ってしまうじゃないですか。

——そうですね。

和田:「タオルいらないです」くらいで、一美でいるときはなにも恥ずかしくなかったです。周りからは心配されていたかもしれないんですけど、今回のオファーを受けると決めたときから全力で行くというのは決めていたので、逆に楽しかったくらいの思い出です。

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——本当に現場を楽しまれていたんですね。作中でお気に入りのシーンはありますか。

和田:一美と茂が最初に車で帰るシーンです。リハでは窓を開けていたんですけど、本番では閉めて二人だけの空間になったんです。それでお芝居がリハと変わって、めちゃくちゃいい空気感でお芝居できたなと思います。そこの二人の表情をぜひ見て欲しいです。二人とも「好き」とは言ってないんですけど、お互いに意識していて。あのシーンは好きで何度も見返しています。

——じれったい二人がよかったですよね。立場的にも言うことができなくて。

和田:そうなんですよ。一美もまだ秘密にしていましたから。

——作中の茂は優男ですけど普段の水野さんはどんな方なんですか。

和田:一言でいうと“お兄ちゃん”です。悩み事があったら聞いてくれる素敵な方でした。作品に向かう気持ちが私と同じで、同じ熱量で望めたので凄くやりやすかったです。お互い事前に合わせをしたくなくて、当日の雰囲気・空気でお芝居をしたいという気持ちも一緒で、そこも楽しむことができましたし。

——伺っていると、この作品は映画ですけど、舞台・ライブに近い現場だったんですね。

和田:そうかもしれないです。計算をしすぎるよりもその場の雰囲気を大事にしていくのが一番よくなると思って現場に臨みました。森岡さんも1回目がいいと思っている方で、リハもまわしているタイプなんです。なので、撮影もすごくスムーズでした。

——そんな中でも大変なシーンはありましたか。

和田:一番大変だったのは最後の丸山虎雄のシーンですね。

——あそこで一気に物語が加速していきましたからね。

和田:二人がいい感じになったかと思えば、最後にどんどん物語が展開していって。そこも含めて1秒も見逃せないと思います。

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LIVE INFOライブ情報

映画『悲しき天使』

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近日公開
 
時代から取り残されたような大正建築の遊郭が立ち並ぶ歓楽街。大きな借金を抱えた無職の男・茂はその遊郭で一美という美しい遊女と出会い、女の心のケアをする女師という生き方を選んだ。そして、人生の欲望と悲喜劇が蠢く遊郭という場所で、一美と茂は泥を飲み込み、地獄を彷徨うような恋に堕ちて行く…
 
出演:和田瞳/水野勝/川上奈々美/重松隆志/森田亜紀/円谷優希/山田奈保/赤羽一馬/水越嗣美/大迫可菜実/酒井健太郎/那波隆史/柴田明良/お宮の松(友情出演)/中西良太/三浦浩一/木下ほうか
 
脚本・監督 森岡利行/原作:山之内幸夫/エグゼクティブプロデューサー:山口幸彦/企画:利倉亮/プロデューサー:江尻健司/撮影:吉田淳志/照明:山口峰寛/録音:大塚学/編集:桐畑寛 /音楽:Les.R-Yuka/スチール:千葉朋昭/助監督:森山茂雄 朝海清史/美術:加藤ちか/ヘアメイク:石山美子(おかもと技粧)
 
制作:山田剛史/製作:キングレコード/制作協力:レジェンド・ピクチャーズ/配給:キングレコード ブラウニー/配給協力:太秦
 
©2020キングレコード
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