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INTERVIEW

トップインタビューPANTA(頭脳警察)×末井昭(編集者)×曽根賢(ex.『BURST』編集長)×森下くるみ(文筆家)【後編】

Brain Police Road to 50th Anniversary PANTA(頭脳警察) これぞ暴走しまくり、収拾つかずの真正暴走対談!

2019.10.09

ここでも出てくる内田裕也のエピソード

曽根:この話のついでにおべっかを使うわけじゃないけど、PANTAだってそうじゃないですか。「銃をとれ」とか「世界革命戦争宣言」とかさ、真っ向唐竹割りって言うか、大風呂敷を広げるところがあるでしょう。何にも隠してないって言うか、もうちょっとソフィスティケートしてもいいんじゃないか? っていう(笑)。

PANTA:そうだよね。俺もそう思う(笑)。

曽根:だけどそうはしないのがPANTAのいいところであって、僕らはそういうところを継承しなくちゃいけないと思っているんです。

──森下さんはPANTAさんの大ファンということで、今日はこちらにお越しくださっているんですよね。

森下:なんで私がここにいるんだろう? と、とても奇妙な感覚です。私が初めて聴いたアルバムは『頭脳警察3』で、「ふざけるんじゃねえよ」ももちろん好きなんですが、アルバムの最後に入っている「光輝く少女よ」の歌詞が本当に好きで、生き方の指針にしようと、19、20歳の頃に毎日聴いていました。もちろんリアルタイムではないんですけど、当時、タワーレコードで頭脳警察やアナーキーみたいな往年の日本のロックをフィーチャーしたコーナーがあって、私の世代にもかなり響いたんです。

PANTA:20歳の頃はけっこう尖っていたんですか?

森下:いやー、尖るどころか丸腰でしたね。聴いていた音楽は尖っていたかもしれませんけど。

──森下さんはGAUZEもお好きなんですよね。

森下:『消毒GIG』にも行ったし、恵比寿のリキッドルーム、新大久保のアースダムにも行って、いつも感動して涙目になってました。

PANTA:話の合う人はいました?

森下:話が合うのは40代後半とか50代の方ばかりでしたね。カラオケで頭脳警察の歌を唄う強者もいます(笑)。

PANTA:カラオケですか(笑)。末井さんはどんな音楽がお好きだったんですか?

末井:最初はGSですね。テンプターズとかオックスとか。「♪お前のすべ〜て〜」(と唄う)。

PANTA:それはカーナビーツね(笑)。

末井:そうでした(笑)。もっと遡ると、小学生の頃は歌謡曲ですよ。三橋美智也とか春日八郎とか。当時はそういうものしかなかったので。頭脳警察の名前は聞いてましたけど、PANTAさんを最初に観たのはPANTA & HALの時ですね。これを言うとみんなにバカにされるんですけど、僕はロックよりもフォークが好きだったんです。(内田)裕也さんがフォークを毛嫌いしていたので、なかなか言えなくて。

PANTA:裕也さんとは交流があったんですか?

末井:『俺は最低な奴さ』という近田春夫さんがプロデュースした裕也さんの本を僕が作らせてもらったんです。あの本を作るのも大変で、裕也さんはホテルのスイートルームじゃないとインタビューに応じてくれないんですけど、1回の取材が1時間半くらいしか持たないんです。それでもスイートルームの1泊の料金を払わなくちゃいけなくて。一度に5、6万はかかるんですけど、経費で落ちないんですよ。自腹で十何回か取材をして、しかも同じ話を何度もするんで(笑)。なかなか前に進まなくて、インタビューをしてくれた近田さんも参ってましたね。ある時、これはお金がキツいなと思って、ちょっとショボいホテルのレストランを取材場所として借り切ったんです。そこへ裕也さんに来てもらったんですけど、入ってくるなり顔色が変わって「何だこれは?」と。「俺はフォークじゃねぇんだ!」と叫んで、持っていた杖を振り上げたので、これは殴られるかなと思ったんですけど、大丈夫でした(笑)。それからいつものホテルに電話してスイートルームを押さえて、タクシーで移動して仕切り直しですよ。裕也さんは熱しやすくて冷めやすい人なんですよね。カーッとはなるけど、「なぁ、スイートルームでやらせてくれよ」みたいな感じですぐ穏やかになる。

PANTA:よく知ってますよ。面倒くさいでしょ?(笑)

末井:面倒くさいけど跡には残らないって言うか。僕もすぐに謝って、場所を移して予定通りインタビューさせてもらったんですが、こんなことがまだ続くのか…と思うと気が滅入りましたね(笑)。とは言え、とてもいい経験をさせてもらったと思っていますけど。

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*本稿は2019年6月29日(土)にNAKED LOFTで開催された『PANTA暴走対談LOFT編50周年記念対談最終回!「暴走対談の暴走対談」』を採録したものです。

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