Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【Brain Police Road to 50th Anniversary PANTA(頭脳警察)暴走対談LOFT編】第7回 町山智浩(映画評論家)×切通理作(評論家)【中編】 - ミチロウは山形大学の学園祭の実行委員をやっていて、頭脳警察を呼んでくれたんだよ。

ミチロウは山形大学の学園祭の実行委員をやっていて、頭脳警察を呼んでくれたんだよ。

2019.05.14

「ああ、東大」という橋本治の返しが絶品だった

町山:それで晴れて日本のドアーズになったわけですね(笑)。ドアーズと言えば、ジム・モリスンにすごく影響を受けているのが遠藤ミチロウさんですが、ミチロウさんはPANTAさんと同い年なんですよね?

PANTA:そうだね。同じ1950年生まれ。

町山:ミチロウさんの前では言えませんけど、ミチロウさんって本当にPANTAさんの影響を受けてますよね。

PANTA:そうかな? ミチロウは山形大学の学園祭の実行委員をやっていて、頭脳警察を呼んでくれたんだよ。

町山:ああ、そうだったんですか! PANTAさんが「世界革命戦争宣言」を朗読したのに対して、ミチロウさんは「先天性労働者」でマルクスの共産党宣言を朗読してますよね。「あなたの真似です!」とか言われませんでした?(笑)

PANTA:それはないよ(笑)。

町山:僕が育ったのは靖国神社のすぐ近くで、小さい頃から新宿騒乱事件とか神田カルチェ・ラタン闘争のことは知ってたし、法政大学でもよく内ゲバをやってたのを覚えてるんです。『幻野祭』のガイコツのポスターも街じゅうに貼ってありましたし。その流れで頭脳警察という名前も子どもの頃の記憶としてあったんですけど、本格的にPANTAさんのファンになったのは80年代に入った辺りなんです。僕のなかでは「SF的ロックを唄う人」として好きになったんですよ。

切通:PANTA & HALの「HAL」という名前も『2001年宇宙の旅』が由来でしたよね。

町山:それもそうだし、いちばん衝撃を受けたのは「ルイーズ」ですね。試験管ベビー第1号をモデルにした曲で。当時は試験管ベビーと呼ばれていたけど、今で言うクローン人間ですよね。

PANTA:去年(2018年)の5月にルイーズ・ブラウンが日本に招かれて、六本木ヒルズで講演をしたよね。もう40歳になるのかな。

町山:「ルイーズ」って、『ブレードランナー』のレプリカントみたいなアイディアを先取りした曲ですよね。

PANTA:当時、世界初の試験管ベビーの話を聞いて、これは歌にしなくちゃいけないと思ったんだよね。

町山:だけど「ルイーズ」の歌詞を読むと、酷い女に惚れた男の話なんですよね(笑)。

PANTA:『1980X』というアルバムが、東京をスライスするのがテーマだったからね。

切通:『1980X』は東京という街の捉え方がちょっとSF的でしたよね。降り立った空港から見つめ直すみたいな。

PANTA:IBMの一歩先を行く(H←I、A←B、L←M)のがHALの由来でね。当時、『スターログ』というSF雑誌があって、そこで対談したのが橋本治との最初の出会いだったんだよ。彼が「とめてくれるなおっかさん背中の銀杏が泣いている男東大どこへ行く」というコピーの東大駒場祭のポスターで有名になったことは知っていたのに、その対談の帰りに「大学どこだっけ?」なんてバカな質問をうっかりしちゃってさ。それに対して橋本が「ああ、東大」と間髪入れずに返してきたわけ。東大って答えるのは難しいんだけど、彼の答え方は絶品でね。それ以来、彼のことが大好きになって付き合いが始まったんだよ。

(後編へつづく)

*本稿は2019年2月17日(日)にLOFT9 Shibuyaで開催された『ZK Monthly Talk Session「暴走対談LOFT編」VOL.5 〜衝撃の一夜のアフター6…奇跡の3人が語り尽くす!〜』を採録したものです。

 

このアーティストの関連記事
イースタンユーズ
ロフトアーカイブス
復刻
haku
lpo
lpo