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INTERVIEW

トップインタビュー高橋悠也(脚本家) 『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』 小池健監督の描く初めての"峰不二子"

『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』 小池健監督の描く初めての“峰不二子”

2019.05.14

原作の雰囲気を元にハードでアダルトなテイストで作られている小池健監督の『LUPIN THE ⅢRD』シリーズ。次元大介・石川五ェ門と続いてきた第三作目。原作から50年経た今描かれる新しい峰不二子とは。シリーズを通して脚本を担当されている高橋悠也さんに今作の魅力・こだわりを伺いました。[interview:柏木 聡(LOFT/PLUS ONE)]

不二子の母性の部分を描くことには賛否両論ありました

──TVシリーズで『LUPIN the Third -峰不二子という女-』があったので、三作目が『峰不二子の嘘』というのが意外でした。

高橋:一般の方の感想でも同じ声を聞いています。TVシリーズも小池(健)監督はキャラクターデザインで入られていましたけど、今作は監督もやられているので、小池監督の初めての峰不二子という位置付けの作品になります。

──デザインは同じでも、監督・脚本が違うとまた新しい作品ですね。今回の劇場版に入られた時期はいつ頃ですか。

高橋:最初のアイデアを書いたのは、2016年です。TV第4シリーズのあとですね。このシリーズは、小池監督・石井(克人)さんともに原作やTV第1シリーズに近いテイストにしようということで始まった企画なので、アダルトでハードなルパンを目指して取り組んでいます。

──ツイートで「いまだかつてない不二子」とおっしゃられてましたが。

高橋:つかみになればと思いツイートしました(笑)。

──実際、今までに見たことがない不二子で新鮮でした。

高橋:不二子の母性の部分を扱うことには賛否両論ありました。そもそも不二子に母性があるのかないのかも含めて。あまり前面に出てしまうと不二子じゃないよねと議論をしながら進めました。そこはタイトルにかかってくる部分にもなっています。タイトルは脚本が書きあがった後に決まったのですが、それも面白いなと思いました。

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──タイトルが最後だったんですね。

高橋:タイトルであえて“嘘”というのはどの部分なのか。不二子が嘘をつくのは当たり前じゃないですか。シナリオの中でも嘘をついているシーンは沢山あって、それが嘘だとわかるシーンもあるんですけど。嘘なのか本音なのかわからないところもあるもので。

──そうですね。私個人の感想としてはジーンに対しての母性は本心だったんじゃないかと感じています。

高橋:なるほど。ジーンは子供で色気がわからないので、不二子の技が通用しない。そこが弱点ですね。なので本人でも予期しなかった母性の部分が掻き立てられたのかもしれないです。今回はそこがどういう化学反応を起こすんだろうというのは書いていて楽しかったところです。

──それ以外にもビンカムとのアクションシーンも今までの不二子ではなかったことなので新鮮でした。

高橋:どう戦わせるかは悩んだところです。不二子にアクションが似合うのかという意見もありましたが、今回はガチンコで戦わせようということになりました。

──不二子があそこまでボロボロになって戦うのはなかったと思います。

高橋:今までの作品を観ていただいたお客さんの期待には応えたいなという思いがあります。小池監督が素晴らしいアクションをつくってもらえたおかげで今回も見ごたえのあるシーンになっています。

──すごかったです。物語ではやはり“ビンカム”と “ジーン”がキーとなりますね。この二人にモデルはいるのですか。

高橋:明確なモデルはいないです。ただ、普通の女好きの男ではいつもの展開になってしまうので、とにかく色気・話術が通用しないキャラクターにすることを意識しました。この二人はある面では表裏一体でもあるので、不二子に対して母性と女性どちらを感じるかで描きわけの差を出しました。

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見る人によって見え方が変わるように

──ビンカムの戦い方も不二子の敵らしい技の使い手で新鮮でした。

高橋:強い敵を表現するにあたって、アクションで凄みを出すだけでは限界があるので、絶対勝てないと感じる不可能性を匂わせる必要があるとは感じています。そこは今までも表現してきたつもりですけど、今回は人をだます不二子ということで似ているようで違う技で立ちふさがるという部分は意識しました。

──今までがフィジカルな強さを前面に出していましたから、そのコントラストもあって面白かったです。ちなみに高橋さんの考える峰不二子の魅力・キャラクターはどんなものですか。

高橋:そうですね。いわゆる女スパイや、女泥棒だったり、女性的な美の完璧さ、彼女の魅力はいくつもあると思いますが、僕がこうであってほしいなと思っているのは本心が一切わからないずっと誰にも理解されない何かをもつ女性であってほしいと思っています。どちらかというと願望に近いかもしれないですね。

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──実際に不二子はそういうキャラクターですよ。

高橋:なので、心情など明確に書くのは不正解じゃないかと思っていて、書きすぎないように気を付けています。それはあくまで僕が考えた不二子なので、ある意味で我を入れすぎないようにして見る人によって見え方が変わるようにしようと意識しています。

──見る人によって変わる、想像できるようにされているということで、女性から見ても魅力的な不二子になっていると思います。

高橋:だといいですね。

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LIVE INFOライブ情報

『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』

5月31日(金)より限定劇場公開!

-staff-

監督・演出・キャラクターデザイン:小池健

脚本:高橋悠也

音楽:ジェイムス下地

クリエイティブ・アドバイザー:石井克人

製作・著作:トムス・エンタテインメント

アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム

共同配給:ティ・ジョイ、トムス・エンタテインメント

-Cast-

ルパン三世:栗田貫一

次元大介:小林清志

峰 不二子:沢城みゆき

ビンカム:宮野真守 ほか

原作:モンキー・パンチ ©TMS

 

 

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