Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【Brain Police Road to 50th Anniversary PANTA(頭脳警察)暴走対談LOFT編】第4回 髙嶋政宏(俳優)-「〈変態紳士〉という名のロックとフェティシズムの探求者」

〈変態紳士〉という名のロックとフェティシズムの探求者

2018.12.28

 2019年12月に結成50周年を迎える頭脳警察。PANTAと縁の深い面々をゲストにお招きし、頭脳警察とPANTAの知られざるエピソードを明らかにする連載対談の第4回は、無類のロック好きとしても知られる俳優の髙嶋政宏が登場。〈変態〉を晒してから生きていくのが楽になったという体験を髙嶋が赤裸々に綴ったエッセイ集『変態紳士』を話の軸にしながら、フェティシズムからロックの話題まで縦横無尽に語り尽くします。(構成:椎名宗之)

「つれなのふりや」の衝撃

PANTA:髙嶋君のことを何とお呼びすればいいかな。〈スターレス髙嶋〉の異名を持つからスターレスにしようか?(笑)

髙嶋:いいですよ。僕はキング・クリムゾンの「STARLESS」があまりに好きすぎて、「とにかく『STARLESS』が最高なんだ!」といろんなところでふれ回っていたら、山田五郎さんが『今日は一日“プログレ”三昧』というラジオ番組で〈スターレス髙嶋〉と呼んでくださったんです。メディアで初めてその名前で呼んでくれたのは五郎さんなんですよ。

PANTA:スターレスはKISSマニアでもあるんだよね。

髙嶋:8歳で出会って以来、KISSは僕にとってロックの原点なんです。フィギュアやグッズに300万円以上は使っていると思いますよ。ジーン・シモンズのメイクをしてKISSのニュー・アルバム(『モンスター〜地獄の獣神』)の発売記念イベントやロフト9のイベントに出たこともあります。

PANTA:俺は『グラムロック・イースター』(マーク・ボランの命日である9月16日に行なわれているアキマツネオ主催の追悼ライブ)というイベントでアリス・クーパーのメイクをして、サーベルを持って暴れたことがあるよ。ここまでやったら来年はKISSのメイクをしてやろうと思ったんだけど、「KISSはグラム・ロックじゃない!」と猛反発を喰らってさ(笑)。その『グラムロック・イースター』では、KISSの「DETROIT ROCK CITY」やスレイドの「GOODBYE TO JANE」なんかをカバーしたことがある。

髙嶋:スレイドはむちゃくちゃ格好いいですよね。

PANTA:プログレだと、俺はフラメンコとロックを融合させたカルメンというバンドが一番好きだな。

髙嶋:カルメン、いいですよね。『宇宙の血と砂』(『FANDANGO IN SPACE』)とか。

PANTA:うん、あれは最高だよ。

_P__0025_web.jpg──PANTAさんにプログレのイメージはあまりないですよね。

PANTA:でも、頭脳警察は昔からプログレと言えばプログレなんだよ。ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションの流れを汲んだ変拍子とかをやっていたし、いわゆる政治的な色彩を帯びる前はオリエンタルな感じだったしね。スターレスにはぜひ一度、頭脳警察の『狂った一頁』というライブ・アルバムを聴いてほしいな。あれは大プログレ・アルバムだから。衣笠貞之助監督の『狂った一頁』という、1926年(大正15年)に製作された無声映画があって、それを上映しながらライブをやったことがあるんだよ。川端康成が原作・脚本を手掛けている日本初の前衛映画でね。

髙嶋:それはぜひ聴いてみたいですね。音楽に関して言えば、僕はジャンル分けするのがあまり好きじゃないんです。自分がいいと思ったものはいい。ただそれだけなんです。フェチと同じで、ヒットするかしないかだけなんですよ。

PANTA:フェチと言えば、スターレスのエッセイ集『変態紳士』は楽しく読ませてもらいました。

髙嶋:どうもありがとうございます。PANTAさんに読んでいただけるなんて光栄です。僕が中学か高校の頃、石井聰亙(現・石井岳龍)監督の『狂い咲きサンダーロード』という尖った映画を観たら、PANTA & HALの「つれなのふりや」が急に流れてきたんですよね。「おれの声が聞こえるか」って。当時はまだ情報が乏しかったし、この格好いい曲を唄っているのは誰なんだろう? と興味が湧いたんです。それが僕にとって最初のPANTAさん体験でした。あの「つれなのふりや」とはどういう意味なんですか?

PANTA:安土桃山時代の『隆達小唄集』という歌謡集の中の唄から引用したんだよ。「つれなのふりや / すげなのかおや / あのようなひとがはたとおつる」という唄で、つれないふりをしている人やすげないふりをしている人に限ってあっと思うような恋に落ちるものなんだ、という意味でね。

髙嶋:なるほど。あの歌詞は全世界の指導者、国家元首のことを唄っているんじゃないかと僕は勝手に思っていたんですよ。

PANTA:そういう解釈でも全然OKだよ。

髙嶋:「おれに舵をまかせるか」「おれに身体をあずけるか」「イカリをはずすぞ」と何度も繰り返すから、だんだんアジテートの歌に聴こえてきて。

PANTA:「イカリをはずすぞ」の〈イカリ〉は、〈アンカー〉と〈アングリー〉を引っかけてるんだけどね。

髙嶋:ああ、そういうことだったんですか。「つれなのふりや」は本当に素晴らしい歌詞ですね。

PANTA:『隆達小唄集』は言ってみれば安土桃山時代のラブソング集で、その中に実は「君が代」も入っている。つまり「君が代」はラブソングなわけ。世界に誇るラブソングが日本の国歌だなんて、素敵だと思わない?

髙嶋:むちゃくちゃ素敵です。

 

このアーティストの関連記事

変態紳士

髙嶋政宏 著
四六判 / 並製 / 199ページ
定価:本体1,389円+税
ぶんか社 刊

amazonで購入

ここ最近の髙嶋政宏がちょっと変だ。バラエティ番組でSM好きを公言し、妻(シルビア・グラブ)への異常なまでの愛情を披露、さらには変態的なグルメ・リポートに……とにわかに話題を呼んでいる。そしてこの、ぎりぎりアウトな髭面である。「いったいカレに何が?」「人ってこんなに変わるもの?」 本書では本人があるきっかけを経て、いわく『変態』へと生まれ変わっていく様子を描き、その先に見えてきたという“生きやすい人生”についてをまとめました。穏やかでマジメに「SM」「スピリチャル」「フェチ」「グルメ」「嫁コンプレックス」などについて綴る、50代おっさんの変態エッセイです。

LIVE INFOライブ情報

PANTA暴走対談LOFT編 VOL.5
PANTA×町山智浩×切通理作
『衝撃の一夜のアフター6…奇跡の3人が語り尽くす!』

2019年2月17日(日)LOFT9 Shibuya
OPEN 18:00 / START 18:30(予定)
前売¥3,000 / 当日¥3,500(いずれもドリンク代別途)
※全席自由 / 入場整理番号付 / 当日1オーダー500円以上
※FC先行予約有り / プレイガイドにて前売有り
※前売券は1月13日(日)12:00よりイープラスにて発売
※入場順は、FC先行→イープラス→当日となります
主催:ロフトプロジェクト
企画 / 制作:ロケットパンチ
協力:GRATEFUL
後援:テイチクエンタテインメント
問い合わせ:LOFT9 03-5784-1239

イースタンユーズ
ロフトアーカイブス
復刻
haku
lpo
lpo