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INTERVIEW

トップインタビュー 【Brain Police Road to 50th Anniversary PANTA(頭脳警察)暴走対談LOFT編】第2回 大槻ケンヂ(筋肉少女帯)-「時代はサーカスの象にのって」の最初の一行は僕にとって生きる支えなんです

「時代はサーカスの象にのって」の最初の一行は僕にとって生きる支えなんです

2018.11.09

「コミック雑誌なんかいらない」のオリジナルとカバーの違い

PANTA:ところで、最近のオーケンは詩の朗読という新しい世界を見いだしてるよね。このあいだ『鬱フェス』でオーケンがアーバンギャルドと一緒にやったユニットも素晴らしかったしさ。

大槻:ありがとうございます。筋肉少女帯とはまた別にロックに乗せた大槻ケンヂミステリ文庫、略してオケミスというソロ・プロジェクトを始めたんですよ。ポエトリー・リーディングみたいなものをずっとやってみたかったので。

PANTA:詩はオリジナルなの? 中原中也とかの詩を読むんじゃなくて?

大槻:オリジナルです。頭脳警察もこのあいだ出たライブ・アルバム(『BRAIN POLICE RELAY POINT 2018』)で「時代はサーカスの象にのって」の前に朗読を入れてますよね。あれは寺山修司の舞台か何かの引用なんですか?

PANTA:寺山修司のいろんな詩から抜粋して『アメリカよ』というタイトルでまとめてみたんだよ。

大槻:あの詩の朗読の後ろで聴こえるTOSHIさんのパーカッションが素敵ですよね。

TOSHI:ありがとうございます。

大槻:僕は『ドキュメンタリー 頭脳警察』の中でTOSHIさんが書道家の方とコラボレーションしていたのが強く印象に残ってるんですよね。

TOSHI:ああ、打楽器のソロでね。ふざけたことをしてすいません(笑)。

大槻:何をおっしゃいますか(笑)。

──「さようなら世界夫人よ」はヘルマン・ヘッセの詩をそのまま採り入れていますよね。

PANTA:俺が17歳の時にたまたま本屋で手に取ったヘルマン・ヘッセの詩集に「さようなら世界夫人よ」という詩があって、衝撃を受けてね。まだ著作権という概念も知らなかったので、勝手に曲を付けちゃったんだよ。でもずっと発売禁止が続いてたからJASRACへの申請を拒否してたんだけど、去年いきなりJASRACから連絡があってね。猫なで声で「申請してください」って。45年を経て初めて曲が認知されましたよ(笑)。

大槻:へぇ。「さようなら世界夫人よ」は作詞ヘルマン・ヘッセになってるんですか?

PANTA:うん。

大槻:すごいなぁ。ヘルマン・ヘッセを知ったのは頭脳警察のおかげかもしれませんね。ヘッセの詩は読んだことないけど(笑)。……そうだ、詩で思い出しました。僕はたまに諸先輩方の歌詞を引用させてもらうことがあって、頭脳警察だと「ふざけるんじゃねえよ」の「ふざけるんじゃねえよ 動物じゃねえんだぜ」という歌詞を、僕のやっていた特撮の「ヨギナクサレ」という曲で一行まるまる使わせてもらったんです。

PANTA:何だと!(笑)

大槻:当時、PANTAさんには直接お願いしに行ったんですよ。そしたら「光栄です」って言われまして。

PANTA:この前、紀伊國屋ホールにお芝居を観に行ったら、主宰の鴻上尚史さんが、かつての劇団のDVDを持ってきて「これに曲を使わせてもらったから!」と言われて、いきなり渡されたんだけど、そういうのは使う前に言ってくれよって(笑)。

大槻:頭脳警察ってけっこうそういう使われ方をしますよね。

PANTA:そうだね。『コミック雑誌なんかいらない!』っていう映画もあったし。……って結局、裕也さんの話になっちゃうんだよな(笑)。「コミック雑誌なんかいらない」はもともと頭脳警察のオリジナルなんだけど、今や裕也さんの持ち歌みたいになっちゃってるよね。まぁしかし、『コミック雑誌なんかいらない!』って映画はすごい内容だったな。豊田商事の会長を刺殺する事件の犯人をビートたけしがやったりしてさ。あんな映画はもう二度と撮れないだろうね。

大槻:サッカー選手じゃないほうの三浦和義さんが本人役で出演してましたよね。

PANTA:そうそう。映画のタイトルになって主題歌にも使われて、いろんな人から「ちゃんとギャラはもらったの?」って訊かれたんだけど、そんなのもらえるわけないよね。そもそも許諾の連絡すら来なかったんだからさ(笑)。

大槻:エンドロールで「コミック雑誌なんかいらない」がガンガンに流れてましたよ? そもそもタイトルで使われてるのに!

PANTA:それから数年経ってからあるイベントで裕也さんと会って、「PANTA、ちょっとこっちへ来て」って手招きされたんだよ。何かと思えば、(内田裕也の口調を真似て)「オレが買ってきたんだから着てくれよ」って紙袋を渡されてさ。袋を開けたら革ジャンが入ってた。「何の御礼もしてなかったからよ」ってね。革ジャンをプレゼントされること自体はありがたいんだけど、裕也さんと会う時は必ずそれを着て行かなきゃいけないのが面倒くさいんだよ(笑)。彼は「ロック・ミュージシャンたる者、革ジャンを着ていなきゃいけない」という信念があるんだけど、自分じゃ着ないんだよな。いつもアディダスのジャージばかり着ててさ(笑)。

大槻:「コミック雑誌なんかいらない」はこのあいだもトモ君(トモフスキー)とROLLYさんとセッションで唄ったんですけど、頭脳警察のオリジナルと裕也さんのカバーは頭の節回しが違うんですよね。頭脳警察は「オゥレには〜」って食って入るんだけど、裕也さんのは「オレには〜」って淡々としてるんですよ。

PANTA:小節数が違うからね。裕也さんのはノーマルなロックンロールになってるし。

大槻:そうなんですよね。「コミック雑誌なんかいらない」に限らず、頭脳警察の曲は単純に聴こえるようで実は複雑な作りだったりする。カバーしてみるとそれがよくわかるんですよ。「悪たれ小僧」もけっこう複雑な作りですからね。

PANTA:裕也さんの「コミック雑誌なんかいらない」と俺たちのオリジナルの一番の違いは歌詞なんだよ。「俺のまわりは映画のスクリーン」という歌詞が、裕也さんのバージョンでは「俺のまわりはテレビのスクリーン」になってるんだ。ちょっと裕也さん、テレビはスクリーンじゃないんだよ! って言いたいけどね(笑)。

大槻:ああ、それは気づきませんでした。頭脳警察の曲ってけっこうカバーされてるんですか?

PANTA:そんなことないよ。だって発売禁止ばっかりだもん。

大槻:そうですよね(笑)。

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LIVE INFOライブ情報

【PANTA】
PANTAX'S WORLD Presents
『PANTA & HAL. EXTENDED,』
1st Stage:Album『マラッカ』Complete
2nd Stage:Album『1980X』Complete
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11月3日(土・祝)ビルボードライブ東京
 
PANTA PANTAX'S  WORLD  2018
『BRAIN POLICE RELAY POINT 2018』リリース・ツアー
11月22日(木)名古屋 ell.SIZE
11月23日(金・祝)倉敷 無限舎
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11月27日(火)京都 西院 OOH-LA-LA
 
『UNTI X'mas 2018』
12月24日(月・祝)渋谷 La.mama
 
【大槻ケンヂ】
『名曲喫茶オーケン』
ゲスト:おおくぼけい(アーバンギャルド)
2018年11月15日(木)阿佐ヶ谷ロフトA
OPEN 18:30 / START 19:00
チケット代:3,000円(税込・ドリンク代別)
問い合わせ:ロフトA 03-5929-3445
 
【筋肉少女帯】
メジャーデビュー30周年記念 オリジナルNew Album『ザ・シサ』リリース・ツアー
11月10日(土)名古屋 CLUB QUATTRO
11月18日(日)梅田CLUB QUATTRO
11月23日(金・祝)渋谷ストリームホール
12月9日(日)マイナビBLITZ 赤坂
 
【大槻ケンヂミステリ文庫】
1月13日(日)大阪 Music Club JANUS
1月14日(祝・月)岡山 Desperado
1月25日(金)名古屋 Electric Lady Land
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