Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューmaster+mind presents 中島卓偉 × mitsu【完全版・前半】

芯を持つ2人のステージでのぶつかり合いで、どんな化学反応が起こるのか…。
是非お見逃しなく!!

2018.02.09

ソロ・アーティストとは…

mitsu:10年後の自分を想像した時に自分がまだ見えないので、そういう意味で先を見るってわけじゃないですけど、今をやっていかないと、作っていかないといけない部分なんですけど…。卓偉さんのような形で歌えているのはすごいことだなと思うんです。

卓偉:いやいや、そんなこと言ったら僕だってデビューした時は21歳になったばっかりでしたけど、上を見ればやっぱりキリがなかったですけどね。

mitsu:当時からソロを長くやろうっていう意識はあったんですか?

卓偉:実を言うと。僕も別にソロになりたくてなったわけじゃないんですよ(笑)。

mitsu:あっ、そうですよね。実を言うと過去のこういったインタビューを読ませて頂いていて。

卓偉:そうなんだよ。僕も15歳で「バンドをやりたい」と思って、高校も受験せずに上京して。だから当時はそのバンドでデビューがしたかったんですけど。mitsuくんもバンドをやられてたから分かると思うけど、デビュー寸前くらいまでは行ったんですけど、自分が思い描くバンドとして転がんなくて。さっきの音楽とボクシングの決別じゃないけど、自分が納得しないまま、このまま自分がメジャーってとこに行くべきかどうかなのかって、やっぱり相当悩んで。それでもバンドがやりたいって気持ちが強かったから、自分なりに同世代とか色々探してもみたんですよ。そうこうしているうちに自分より3つ年上の和田唱さん(Vo&Gt)がやってるバンドのTRICERATOPSがデビューして。僕が和田さんを知ったのが18歳くらいの時で、和田さんが21歳か22歳だったのね。で、TRICERATOPSが出てきて、「同世代でこんなにすごい人がいたんだ!」って思って、すごく影響を受けてすごく嬉しくなったんだけど、こういう人が出てくればくるほど、そういう人を知れば知るほど、今自分の身近にこれほどの人がいないと絶対バンドでも成功できないだろうなみたいな、そういう冷静な気持ちもあったりして。当時、バンドを一緒にやってたメンバーを見ても、残念だけど曲が書けるわけじゃなかったり、アレンジができるわけじゃなかったりして、「やっぱり俺は、ずいぶん妥協してこのバンドをやってんな」みたいに感じて。でもそのままでも、ちょっと転がっちゃったりもして、動員も増えたりとか、そういうこともあったんだけど、やるんだったらU2やTHE ROLLING STONESみたいに最後まで続けられるようにやりたいって思って、このバンドでそれができるかって思った時にそれがNOだったんですよね。1回バンドを終わらせてから、もう1回バンドを作ろうかなって思って、こいつだと思う奴が現れればインディーズの世界ですけど組もうと思ったけど、やっぱりそういう奴らも結局いなくて。それでズルズル時間だけが過ぎようかなって時にバンドが解散して。1年下準備をして、ソロなんだけどバンドっぽい感じでやれるような。そういう人が誰もいなかったから、誰もやってないことをやること、言うことも、パンクだなみたいな感じで言い聞かして、ソロになってデビューまで漕ぎ着けたっていうね。

mitsu:そこから今までの間で、「形を変えてバンドも…。いや、自分はソロだ!」って感じなのか、「タイミングとか何か出会いがあればバンドで」っていう気持ちもあるんですか?

卓偉:やっぱり中島卓偉っていう1つのツールというか、ブランドと言ったらアレですけど、それだけは死ぬまでずっと走らせ続けようかなって思ってて。この19年、20年の間に、例えば和田さんとか、ZIGGYの森重樹一さん(Vo)と一緒に音を作らせてもらったりして、ソロでやってること以外の才能同士の音源のつくり合いみたいなのを味わうこともできはしたので。あとはもし、今後遊びでバンドが組めたら楽しいとは思うけど、ただそれは本当にいろんな状況がクリアになってたりとか…。政治とかがなくてメンバーも全員大人で、これを楽しんでやれるねっていう環境が許されるのならば、そういうことができてもいいかなとは思ってるんですけど。やっぱり基本は中島卓偉のブランドを1本ずっと走らせ続けるっていう感覚の方が強いです。mitsuくんは、いつかはまたバンドをやりたいっていう感覚もあるんですか?

mitsu:自分はまだソロを始めて3年目なので、今後どうなるのかっていうのは正直わからない部分ではあるんです。1年前までは、バンドっていう形容できない未知数のパワーにものすごく憧れはあったんですけど、この1年でソロにものすごくやりがいを感じてるんですよ。バンドっていうと、形式がなぜか4〜5人が固まってなきゃいけないっていう感覚があるけど、ソロでもものすごくバンドとしてやれている自分がいるんです。自分でサポートを依頼してとか。なのでむしろ自由だなっていうのはすごくソロで感じていて。まだ自分は、周りのことを言えるほどの位置ではないんですけど、やっぱりハードルというか、メンバーに求めるものはあったりして。自分でできることを探してた活動でもあったので、今はその模索している中で、どうしても自分でできない壁にまだぶつかってない気はしてるんです。サポートでやって頂いている方たちの協力とかも、もちろんあるんですけど。本当に自分にないものを持っている方との出会いがない限りは、たぶん自分は組まないんだろうなっていう気持ちに、今はなっています。

卓偉:いいと思いますよ。

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mitsu:ここ数ヶ月は、ソロというものにすごく誇りというか、ソロをやって良かったなって心から思えてます。なのでこのお話を頂いた時も、自分が卓偉さんを知って、ソロっていうものに興味を持った部分はものすごく大きいので、そういうタイミングだったのかなって勝手に感じてます。

卓偉:いやいや、嬉しいですよ、本当に。今でこそ、そう言ってもらえる人も中にはいてすごくありがたいんだけど。

mitsu:いや、卓偉さんは特にアーティストの方から、そういうことを言われることが多いんだろうなって。

卓偉:いやいや。デビューして最初の10年は、自分で曲を書いてソロでバンドっぽくやるっていう人がいなくて。僕もレコード会社が2つ3つ変わってきたんですけど、売り方が難しいとか、分かんないとか…。

mitsu:常識っていうルールとか決まりみたいなのがですよね。

卓偉:そうそう、そういうのがあって結構大変だったんですけど、時間が経つことによってそういうもんだっていう風に、聴く人とかファンとかが思ってくれるようになって、ようやく今って感じだから、そういう風に言ってもらえるとすごく嬉しいですね。

mitsu:いやいやいや。固定概念ってみなさん持たれるから、そういうのに縛られることって多くて、アーティストも辛い立場だと思うんですよね。自分自身も不安になった時には余計にそうなるんですけど。卓偉さんみたいな方が、卓偉さん自身はもっと上の方がって言ってましたけど、そういう方たちがいたっていうことが、固定概念を柔らかくしてくれていて自分の道が先に続いてたりもすごくしてるなと。バンドを辞めた後、ソロをやるまでに紆余曲折があって半年掛かったんですけど、「やろう!」ってなったのは、卓偉さんの映像を観たのも出会いの1つだったんです。それで、やるって気持ちがあったとしても政治的な意味で、やると言っても何をどうやるかって大人も自分もなって…。自分はmitsuって名前でやらしてもらってるんですけど、「mitsuって名前はちょっと違うんじゃない? バンド名みたいな何かプロジェクト名をつけるのが普通でしょ」みたいな。

卓偉:「うるせえよ! お前の人生じゃねえ」って言ってやれ(笑)。

一同:(笑)

mitsu:それが2時間の打ち合わせって呼ばれてたんですけど、結局7時間くらいモメて(笑)。そのことだけじゃなかったんですけど、自分もそこで折れなかったので。でも逆に今はちょっと感謝っていうとちょっと大人っぽすぎるんですけど、意外に原動力になった部分もすごくあるんですよ。当時は「何クソ!」みたいなのがあって。実際にそれで「ダメだ」ってなって終わっちゃった方が何人かいらっしゃるんですけど、それを見返すっていうか、「逃がした魚は大きかった」と言わせてやろうと思ってるので、今はそれがすごく感謝に…。ああいう怒りが原動力になった部分もあるなと。たぶん自分は格闘技をやっていたっていうものもあったんで、負けん気だけは強かったんです。

卓偉:いいと思いますよ。初期衝動は大事だよね。そういう気持ちはね。

mitsu:音楽が好きで歌も好きなんですけど、多分卓偉さんみたいに自分で作曲をして、全てをプロデュースっていう形ではないんですね。どっちかっていうとステージで歌を歌うのが、ライブが好きだ、みたいなのに近くて。例えば1個知識でもスキルでも、自分はまだこれからつけなきゃいけないなと思う部分がものすごくいっぱいあって。なのでどちらかというと、音楽人という形というよりは、とにかく気持ちだけはなくさずだった気が、今でもそうなんですけど、それがすごく強い気がするので。負けん気だったりその「何クソ」っていう心だったり、「1人じゃバンドには勝てないじゃん」っていうことへの反骨精神みたいなのが、多分今を支えてる気がしてます。なのでこうして、自分が活動を始めて3年でもそう思ってるわけだから、卓偉さんみたいに長くやっている方は、多分それより何十倍もそういう思いがあったんだろうなって思って、続けてられるのを見ると、なんかもう嬉しいなって。

卓偉:いや、僕も本当よく言われるの。バンドが解散した後にソロになった人もそうだし、最初からソロになった人も結構最近出てきてるじゃないですか、そういう人に言われるとね。mitsuくんも分かると思いますけど、やっぱりバンドってバンドマジックってあるからさ。バンドだからこそ摩擦し合っていく、格好いい打ち上がるものがあるじゃないですか。ソロって、もちろんそういうバンドマジックは絶対に起こせないし。もう100%起こせないのは分かってるんだけど、バンドにはない自由だったりとか、ソロにしかない、自分にしかないクリエイティブなものを作れるってのが絶対あるわけじゃないですか。でもどうしても、ソロの人は「バンドだったらな」って思う気持ちが自分をすごくジレンマにさせるってことがあるらしいんだけど、僕なんかはちまちまやってるから、「いや、卓偉さんみたいにソロでやってる人もいるんだし」っていうことを思ってくれるらしくて(笑)。そうすると自分もソロという形で長くやってきて、別に僕みたいにってことじゃないけど、道はなくはないと思ってるからね。だから今後も僕は、ソロで全部自分で背負ってやる人がもっと増えた方がいいと思ってるから。っていうのはなぜかっていうと、僕がデビューして、今もそうなのかもしれないけど、ソロだって理由で悪い意味でもないんだけど、イベントに呼ばれづらかったりとか、バンドじゃないのかみたいな。

mitsu:向こうのリスクみたいな。

卓偉:そうそう。ソロはソロでイベントをやってくださいみたいにカテゴライズされることが、やっぱり今以上にあってですね。1つの音楽の傘の下でやってるのにすごく寂しいことだなって。そんな中でもバンドのイベントの中に突っ込んでもらったりして、アンケートに「何でソロアーティストが組み込まれてるんですか」って言われてたっていうのを聞いたりすると、そういうこと言われてもなって。

mitsu:そんなことあったんですね。

卓偉:しょっちゅうあったよ。気にすることじゃないかもしれないけど、20代の頃ってやっぱりそういうとこにアンテナを尖らしてることもあったりしてたから。僕の持論で言うと、じゃあ、デヴィッド・ボウイはどうなんのよって話じゃん。じゃあ、レニー・クラヴィッツは、ジャミロクワイはどうなんのよって話なんだけど、それをいちいち説明できる場もなくって。やっぱりその時にずっと思ってたのが、もうこのままやり続けるしかねえなって。それでも続けていって、「よくよく聴いたらソロだけど、すごく音楽的だしライブもバンドっぽくやってんだよね」って言う人が増えるまでやり続けるしかないのかな、みたいなところだったりなんかもしたんですよね。だからmitsu君はソロになって3年ですぐにそれを持たれてるから、素晴らしいと思いますよ。

mitsu:いやいや、今はっていうだけだと自分はまだ思ってます。結局数字だけとかじゃないですけど、やっぱりいろんな要素で揺れる自分はいますので、どちらかというとその責任は自分で取りたかったっていう方が近いんです。多分ちょっと怖がってる部分もあるのかなって最近は実は思ってて。自分以外の所為にするのがすごく嫌で。さっきおっしゃられてた自分でアーティストをやった方がいいっていうのは、もう大賛成で。自分で作るものへの終着地点を自分で作れないと…。終着地点っていうか、具体的な話になっちゃいますけど、お客さんがいくらで買って、自分がちゃんとその経費でまた回してとかっていうことを明確にできていないと、誰かの所為にしちゃう気がしたんですよ。

卓偉:そうだよね。分かりますよ。

mitsu:逆を言えば、上手くいった時も自分の力だって言えないことにすごくモヤモヤしたんですよ。それが嫌だったのでっていうのも自分は今あります。なので、それを10年続けてもそうやって言える、20年続けてもそう言えるっていうのは、本当に自分の理想だと思います。始めの3年って、多分スタートみたいなものなので、まだ何も始まってないのかなって…。

卓偉:いやでも、一番最初にボクシングだったって話に戻っちゃうけど、ボクシングって個人種目じゃないですか。柔道もって言ってたけど。僕もね、サッカーもやらしてもらったし、通わせてもらったりしてたんだけど、やっぱり結局、団体種目と個人種目のどっちが得意かって言ったら、やっぱり個人種目なんですよ。そこも、やりながらこの20年で本当に理解したとこでもあって。だから、バンドをやりたいと思っていたはずなんですけど、嫌々ソロになって21歳からデビューして最初の何年かは、「ああ、俺はバンドを組めねえような人生だったな」とかやっぱり思ってたわけですよ。でも気付くとやっぱり自分の人間性とか、気質とか、考え方っていうんですかね、そういうこととか、周りとかを比べる必要はないと思うんだけど照らし合わせると、絶対にバンドのタイプじゃないっていうのもやっぱり答えとして分かってきたりもするんですよね。でももちろん、mitsuくんはバンドをやられて、今ソロになって、ソロの方が今しっくりきてるっていうのも全然いいと思うけど。バンドは何年やられてたんでしたっけ?

mitsu:デビューさせて頂いた前のバンドは、5年半やらせてもらいました。

卓偉:5年半をソロの時間が超えた時に、また思うことってあると思いますしね。

mitsu:ああ、それはあると思いますね。

卓偉:そうそう。時間の濃さで言うと、バンドの5年とソロの5年で比べるとまた違うのかもしれないですけど、自分はそこを非常に客観視するようになってから、気が楽になったというか。同じようにソロでやられてる方とか、背負って物事を捉えて自分でやりくりしている人を見ると、どんなジャンルでも意見が合うんですよね。同い年くらいで、店を経営して社長やってて、「全然儲かんねえんすけど、これ好きなんでやってます」みたいな人と、今頃結構出会うようになってきて、そういう人を見てるとやっぱり何人かと組んで会社を立ち上げるタイプじゃないなとかって思うじゃないですか。だから音楽じゃないところにも、そういう人間の気質のヒントっていうのは結構あってですね。そこから自分の活動にフィードバックすることも多々あるんで。現時点で3年なら、5年なり7年なりくると、もっと面白くなると思いますよ。

mitsu:本当ですか!? それはすごく嬉しいです! 今、すごく楽しいので。先を歩いてきた方達が、そう言われてるのを聞くと希望を持てますし。今は本当に希望だらけなんですけど。さっき言われたように素直に人を尊敬するようになったんです。前までは、若さっていうのがあったんですけど、周りを軽視しちゃう部分が正直あった気がするんです。いわゆる若さとか、デビューが早かったとかの、何にも知らないが故の強さみたいな(笑)。そういうのを気付かないうちに武器にしてたというか。なので知れば知るほど、先程言ったスタッフさんがいる理由とか、それこそ自分でやっていく人の強さ、音楽じゃなくても何でもそういう人に尊敬を持てるようになったので。なんか人を好きになったような気がします。それはお客さん一人一人も含めて。なので卓偉さんが言ってたように、アーティストは一度でもいいから自立するべきだと自分は思います。その上で誰かと一緒に何かをやるとかっていうことの素晴らしさの方が大事だなと思います。

卓偉:いや、本当にしっかりしてますよ!

mitsu:いやいや、全然全然です! 今は卓偉さんの前で格好つけて、刺激されてるだけだと思います(笑)。

卓偉:いやいや(笑)。もちろん文章では格好つけなきゃいけないことも絶対あるとは思うんで。いや、そこまでできてればすごいもんですよ。あれ、質問に沿った話、してます?

mitsu:そうなんですよ! すみません、質問全無視かなって思ってたんですよ(笑)。

卓偉:いやいや、いい内容になればいいんだもんね(笑)。

——はい! 大丈夫です!!
 

 

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Photo:Nagisa Kamiya


 

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LIVE INFOライブ情報

Shinjuku Loft「master+mind」presents【Rock is Culture 2018】

2018年02月15日(木)新宿LOFT

OPEN 18:15 / START 19:00

前売り 4000円 / 当日 4500円(共にドリンク代500円別)

※未就学児童入場不可

【出演】

中島卓偉 / mitsu(50音順表記)

【前売りチケット:発売中!】

・ e+一般(Bチケット)

・ LOFT店頭(Bチケット)

・ ローソン(Cチケット/L:73077)

【入場順】

1. Aチケット(e+プレオーダー/受付終了)

2. Bチケット(e+一般・LOFT店頭)の並列

3. Cチケット(ローソン)

【主催・企画・制作】

新宿LOFT / master+mind

【協力】

ライカエジソン / 自主盤倶楽部 / ZEAL LINK / ブランドエックス / little HEARTS.

【お問い合わせ】

新宿LOFT 03-5272-0382

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