Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー岡田麿里(監督・脚本)(Rooftop2018年2月号)

『さよならの朝に約束の花をかざろう』
100%というのは挑戦することで達成できるもの

2018.02.01

状況が変わってしまうことで成立しなくなる気持ち

——物語ですとマキアとエリアルの関係性ですよね。親子でもあり、恋心も芽生え、別れも意識し、変化していく。同じ時間軸を過ごしていないというのも岡田さん作品の特徴でもあり、今作では特にそこが大きく出ていて見応えがありました。

岡田:無茶なところに挑戦してみたかったんです。同じ人間同士でも、所属や時間によって関係性は変化していくじゃないですか。

——確かにそうですね。地元の友達ならほぼ同じものを見てきているはずなのに変わってくるんですよね。

岡田:本来は性格的には仲良くなっていたはずなのに、所属が変わってしまえば絶対仲良くなれないみたいなこともある。それでも、変化しないものも絶対にあるはずで。後天的なものでなく、本人の素質というか、資質と言うところで結びつく関係と言うか。

——今までの作品でも描かれているテーマですよね。現実では時間とかタイミングで上手くいかなくなりますから。

岡田:そうなんです。そこには性格だけじゃなくて時間というのは絶対に入ってくる。『凪のあすから』という作品では、最初は同級生だった少年少女が15歳差になる世界を書こうと思っていたんですよ。そうなると、すごい年の差の恋愛関係になってしまうので、5年後にしたんです(笑)。

——今は「恋は雨上がりのように」など年の差を描いた作品が増えていますけど、そうかもしれないですね。

岡田:素質から結びつくというのとは相反する面ですけど、そういう年の差や環境の違いからくる成就しない切ない思いというのもいいなとも思っていて。その2つを描くためにできたのが2人の設定・関係性です。

——布で記憶を紡ぐ点や時間によって変化していく関係性というのが中島みゆきの歌のようですね。

岡田:堀川さんも言ってました。カラオケでも歌ってくれて(笑)。

——そうなんですね(笑)。堀川さんから感想をもらいましたか。

岡田:直接は言われていないんです。Twitterには「いろんなものが美しかった。是非映画館で観ていただきたい作品になっているでござる。」と書いてありましたけど。

——血が繋がってないですが、2人は親子ということもあってより切なかったです。

岡田:今作に限らず親子の話というのはどうしても入れてしまうので。

——人間関係を描く上では根幹となる部分ですから。

岡田:すごい強い関係じゃないですか。親からすると否応なく自分が守らなくてはいけないもの、絶対に責任感を持たなくてはいけないので。

——そうですね。夫婦ではそうはなりませんから。

岡田:そこで生まれる葛藤もあると思いますし。

——自分と親との関係性を見てもそうですね。ここまで献身的になれるんだとハッとすることがあります。お話を伺っていて、また見たくなってきました。

岡田:ありがとうございます(笑)。

 

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このスタッフだから出来た作品

——そんな難しい役どころのマキアですが、どこに惹かれて石見(舞菜香)さんを選ばれたのですか。

岡田:すごく純粋な声だったのでそこに惹かれました。マキアは取り巻く環境が特殊なので、すごく普通の子にしたかったんです。通常アニメではこのキャラはこういう性格だよと言い切る達観さが求められると思うんです。

——アニメは絵であることからわかりやすさ・強引さがないと説得力がでないですからね。

岡田:そうなんです。でもマキアは強さを内に秘めつつも普通の子として書きたかったので、石見さんの弱さとか気持ちの持って行き方にクセのない・達観していない声に惹かれ演じていただきました。

——そこがあるから見ている側も物語をより近くに感じられます。本当に全部をやって100%を出された作品なんですね。

岡田:いえ、みんなに支えて助けてもらったからで。このスタッフだから出来た作品で、本当に感謝しています。

——また劇場で観るのが楽しみです。

岡田:何度観ても違う観方の出来る作品になったと思うので、できれば何度も観ていただいて長く愛していただけると嬉しいです。

 

LIVE INFOライブ情報

映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』

2018年2月24日(土)全国公開! 

監督・脚本:岡田麿里/アニメーション制作:http://P.A.WORKS

 
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