Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューGARAKUTA KOJO/清水泰次+影山裕之(Rooftop2014年1月号)

童心と郷愁と夕暮れの残像が詰まった歌の秘密基地

2014.01.05

子どもの頃に遊んでいた思い出が原風景としてある

gara6_web.jpg──この部屋にキャプテン・ビーフハートの『トラウト・マスク・レプリカ』のポスターが飾ってあるから余計に思うんですけど、本来はアヴァンギャルドな音楽を好む影さんがGARAKUTA KOJOのようなシンプルの極みをいく音楽をやっているのが面白いですよね。

影山:ビーフハートに限らずいろんな音楽を聴きたいし、自分でもやりたいんです。ただ、ビーフハートは好きすぎて、逆にもうマネできないんですよ。

清水:それに影響を受けてるからこそ逆にやらないっていうのも影響を受けてる証拠だよね。

──シミさんにはそういう人いますか? ボーカルを取るにあたって「あんな感じで唄ってみたい」というような人は。

清水:俺ね、斉藤和義さんみたいな音楽をやりたかったんだよ。まぁ、言うまでもなくやれるわけなかったんだけどさ(笑)。でも、凄い好きでね。ああいうぶっきらぼうな唄い方に何とかならないかなと思ったんだけど、声質も全然違うしね。

影山:でも、最初にもらったデモは意外と和義さんっぽかったんですよ。声を張らないで唄っていた時。

清水:あれ、ホント!?

影山:うん、そう思った。まだリズムボックスじゃなくて、シミが打ち込んだリズムだった頃ね。ちょっと今っぽいなと思って。

清水:がなって唄うのは完全に照れだね。自分の声があまり好きじゃないから。

影山:俺はもっと素直に唄ったほうがいいような気もするけど、きっとシミの中では何かが違うんでしょうね。

清水:今日のリハでは素直に唄ってたけどね。ずっと声を張ってると疲れちゃうからさ(笑)。まぁ、形は変わっていくものだから、唄い方や演奏形態もいずれ変わっていくんじゃないかな。自分たちにとってラクな感じに変わっていくと思うよ。

──ところで、GARAKUTA KOJOというネーミングはどんな思いを込めて命名したんですか。

清水:GARAKUTA KOJOっていうのは、俺が小学生の時に作った秘密基地の名前なんだよ。影さんは来たことがないけどね。

影山:え、どの辺?

清水:井川医院のほうにさ、でっかい原っぱがあったじゃない?

影山:ああ、あったあった。

──またローカルな話になってきましたけど(笑)。

清水:サブロク(36号線)の辺りに、凄く背の高い草が生えてたの知らない?

影山:うん、覚えてるよ。

清水:あの原っぱの中を切り開いて、廃棄材を拾って秘密基地を作ったんだよ。そこで火遊びをしたりしてさ(笑)。まさに『20世紀少年』みたいな感じだよね。あと、冬になるとみんながスキーをやる小さな山があったでしょ?

影山:うんうん。あの国道の所でしょ?

清水:そうそう。あそこから見た秋の夕焼けが「anohi」の歌詞に反映されてるんだよ。秋になるとそこに水たまりができて、トンボの大群がやって来るんだよね。そこで遊んでた思い出が原風景としてある。

──「原っぱ集まって草野球」と唄われる「hurusato」の歌詞には、シミさんの原風景とおぼしき場所がいくつか綴られていますよね。

清水:俺んちから札幌寄りのほうへ行くとボロいタイヤの捨て場みたいな所があって、その前が広場だったの。あそこで俺たちはよく野球をやってたわけ。フェンスの向こうにあるタイヤの山まで打てばホームランなんだけど、タイヤの中にボールが落ちると見つかりづらいんだよね。それで「ボールをなくして試合終了」になる。だから「hurusato」の歌詞はリアルな話なんだよ。

影山:そのリアルな話に俺はいないです(笑)。

清水:影さんは新富の北だもんね。ウチは新富の西だから。

影山:同じ新富でも、1丁目と2丁目じゃ微妙な線引きがあるしね(笑)。

清水:野球チームも違うしね。俺、一度だけ新富北のチームの試合に内緒で出たことがあるんだよ。…って、どうでもいいか、そんな話は(笑)。

 

怒髪天の3人にはとてもかなわないとよく分かった

──GARAKUTA KOJOをやってみて、自分にこんな引き出しがあったんだなという新たな発見は2人ともありました?

清水:俺はともかく、影さんは百戦錬磨だからね。やっぱり凄く巧いんだよ。初めて音を合わせて「何か違うな」と思うことがあっても、次に合わせた時には理想的な形になってるしさ。俺が作るものに何が必要なのかをちゃんと理解してくれてる。歪ませないギターを基調にするとかね。

影山:シミの歌をちゃんと聴いてもらいたいから、ギターは基本的にクリアにしたほうがいいと思って。歪ませた曲もありますけどね。

清水:俺がGARAKUTA KOJOをやって一番思うのは、詞と歌はやっぱり増子さんにかなわないし、曲とギターは当然友康さんにかなわないってことなんだよ。リズムボックスを使ってるから、坂さんがいてくれたらなって思うしね。でも、だからこそ自分は怒髪天でベースを弾いてるんだなってことを再確認するわけ。「俺の書く詞も曲も所詮こんなもんだよな」って感じるのは悪いことじゃない。増子さんみたいに先頭に立ってバンドを引っ張るのは大変なんだなとか、友康さんみたいにクオリティの高い曲を出し続けるのは並大抵のことじゃないんだなってことがよく分かるしさ。GARAKUTA KOJOは、そういうことを教えてくれる貴重な場でもあるんだよ。

──今後の活動もマイペースにいく感じですか。

清水:さっきも言った通り、オファーがあれば活動の幅を広げていきたいよね。機会があれば札幌でもライブをやってみたいし。

影山:基本はユルいですからね(笑)。でも、シミがいなかったらゼラチンのメンバーになることもなかったし、俺は東京に出てくることもなかったと思うんです。だからシミとはこれからも何かしらの形でつながっていたいですね。

清水:40年近い付き合いの幼なじみとこうして音楽をやれてるのは純粋に嬉しいことだし、長く続けられたらいいなと思うね。ある意味、俺も影さんに人生を変えられたからさ。だって、影さんが俺を怒髪天に入れたようなものなんだから。増子さんからオファーを受けて、それまでゼラチンみたいなハードコアをやってた自分がいきなりリズム&ブルースをやるなんておかしくないかな? って影さんに相談したら、「俺なら入るよ! やるべきだよ!」って熱く言われてさ。挙げ句の果てには増子さんを俺んちに連れてきちゃうんだもん。「この裏切り者!」と思ったよ(笑)。もちろん今となっては増子さんに誘ってもらったことは感謝してるし、影さんのアドバイスも有り難かったんだけど、当時はもっとハードコアをやりたかったからね。

影山:GARAKUTA KOJOをやるにあたって、そういう話を初めて聞いたんですよ。あの時はシミならきっと怒髪天でやっていけるはずだし、それによってシミの世界がもっと広がると思ったんです。でも、そっか…シミはそんなふうに思ってたのか…と20年以上経って初めて知って、ちょっと反省したんですよね。だからその罪滅ぼしじゃないけど、今はシミに誘われたら何でもやるつもりです。なんせ今や武道館アーティストですから(笑)。

清水:おいおい、プレッシャーをかけないでくれ!(笑)

影山:俺が武道館で見たアーティストと言えば、プリンスとかジェームス・ブラウンですよ? 怒髪天はそれと肩を並べるわけだから。そう言えば、KUSU KUSUも武道館でやったことがあったよね?

清水:そうなんだよ。千歳じゃ俺が武道館に一番乗りかと思いきや、ずっと前に先を越されてた(笑)。まぁそれはともかく、悔いのないように精一杯やりたいね。それでは皆さん、武道館でお会いしましょう(笑)。

garakuta4_web.jpg

*オハラトモコ(GARAKUTA KOBO)
清水泰次(怒髪天)のステージ用Tシャツ、GARAKUTA KOJOのアートワーク全般、あだち麗三郎『Flow Songs』のジャケット・デザイン、Lylaのアートワーク全般などを手がける(この記事に掲載した写真の撮影も担当)。
アーティストとの個の関わりを大切に、それぞれの色を出したデザインを提案します。一緒にアイディアを考え、作っていく行程に重きを置いています。
業者委託にはない手作り感を大切にし、極小ロット(Tシャツ5枚〜)からすべて手作業にてお作り致します。
なので、まったく同じものはできません。すべてが世界でひとつのものです。
少ない枚数でのカラー・バリエーション、数種類のデザイン等、対応致します。
グッズを作りたいけど、そんなにたくさんは作れない…という時は、ぜひご相談下さい。
他にはない、愛着の湧くものを、一緒に届けましょう。オフィシャルサイトはこちら

 

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LIVE INFOライブ情報

清水泰次(怒髪天)presents
『GARAKUTA KOJO ガラ・コンサート&ガラ・トーク 2014』
〜人間万事塞翁が馬、ウマい話とウマい酒には気をつけろ!!〜

2014年1月4日(土)新宿百人町 ネイキッドロフト
【出演】GARAKUTA KOJO(清水泰次+影山裕之) 他、飛び入りゲストあり!?
OPEN 17:00/START 18:00
前売¥2,500(飲食代別)完売御礼!!
【問い合わせ】ネイキッドロフト 03-3205-1556

怒髪天結成30周年記念日本武道館公演“ほんと、どうもね。”
2014年1月12日(日・祝日前夜)日本武道館
【出演】怒髪天(ワンマン)
OPEN 17:00/START 18:00
●指定席 ¥5,000 完売御礼!!
●着席指定席 ¥5,000 完売御礼!!【*1F/2Fスタンド最前列含む前方エリアのお席です。公演中は着席にてご覧頂きます(立見観覧不可)】
●指定席 A席 ¥3,500【*2Fスタンド後方エリアとなります。一般発売日からのお取り扱いとなります】
【問い合わせ】HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

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