Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー大森靖子(Rooftop2014年1月号)

大森靖子はいつも何かと戦っているかのように歌を歌う。
2013年は彼女のためにあるかのような年だった。

2014.01.01

 レーベル、事務所未所属のうちに実施した渋谷CLUB QUATTROワンマンをソールドアウトさせ、その勢いのまま、シンガーソングライターながら出演した〈TOKYO IDOL FESTIVAL2013〉では圧倒的なパフォーマンスでその存在感を遺憾なく発揮し、前人未到の"無双モード"で突き進む大森靖子。今回1月21日に新宿LOFT/PLUS ONEにて、プロインタビュアー吉田豪をMCに迎えて寺嶋由芙との初のトークライブが開催決定。日々目まぐるしく変化を遂げる彼女の魅力を探るべく、イベントに先駆けて発売したばかりの2ndアルバム『絶対少女』の制作についてとその思いを伺った。(interview:轟木愛美/新宿LOFT/PLUS ONE)

全ての女子を肯定したい

──アルバムが発売してからかなり反響があったと思いますが。

大森:そうですか? 発売してからちょうどあんまり外に出たくなくてずっと引きこもってたんでわからなくて。

──橋本愛さん、蒼波純さん出演のMVでも話題になった『ミッドナイト清純異性交遊』は、大好きな道重さゆみさんへのリスペクト曲だと伺いましたが。

大森:もう本当にただそれだけなんですけど。だからとにかくメロディも言葉も無駄があっちゃいけないと思って作りました。

──好きなフレーズはありますか?

大森:道重さんの6期メンバーが初めて貰ったモーニング娘。の『大きい瞳』という曲があって、6期のファンはこれを聴くとテンションが上がるんです。私の曲の中の「いつまでも大きい瞳で大丈夫な日の私だけをみつめてよ」っていう歌詞はこれのそのまんまです(笑)。

──歌ってるときも熱が入るんじゃないですか?

大森:以前アップアップガールズ(仮)とコラボしたときに強制的に歌ってもらったんですけど(笑)、それがすごい良かったので自分で歌わなくてもいいというか。

──曲については歌うことよりも作る方に重きを置いているということですか?

大森:いつも自分で歌いたいという曲がそこまであるわけじゃなく、自分のことを歌っているわけでもないんで誰でもいいっていうか。曲によってその人格になりきろうという気持ちが大きいから、あんまり自分の気持ちがなくて、日々家出たくないなとか寿司食べたいなとかしか考えてないです。

──そうなんですか? ライブ中は毎回曲に入り込んでいて、戸川純さんとの2マンでもすごいオーラでしたよ。

大森:それは内側からというよりただライブをいっぱいやったことによるオーラですね(笑)。意外と職人っぽい気質が自分にある気がして、キャラも周りがどんどん上乗せしていくのに自分も上乗せしていって。それにおもしろがって加担している気分でいるんです。

──こうありたいというイメージ像はないんですか?

大森:これは嫌だっていうのはありますけど、自分ではないですよ。

──職人気質ということですが、曲作りはどういう時にされてるんですか?

大森:車の中とか歩きながらでもずっと作ってます。アイドルのブログを見ておもしろい言葉とかをメモして。

──『Over The Party』の歌詞にも、色んなアイドルから抜粋された言葉が出てきますね。

大森:やっぱり青春をかけてくれてるのでちょっとした言葉が重いというか。ぐっときちゃうから、それをそのまま言いたい。こんな言葉をアイドルファンしか知らないのはもったいなと思っちゃって。普通に生きてたら、こんな少女の揺らぎみたいなものって味わえないですよ。だから伝えなきゃって。

──アルバムのテーマは「全ての女子を肯定したい」ということですけど、大森さんの女子観ってどんな感じなんですか?

大森:今まで普通の女の子が好きだと思ってたんですけど、何か目標があって傷ついている、ちょっとずれてる子が好きだって気がついて。そういう女子のことを悪く言う女子のことがめちゃくちゃ嫌いだと思ってたんですけど、何でそういうことするんだろうとか考えて見るようにしたら、それはそれですごいエネルギーがいるし、逆にかわいいなと思えてきて、これで全ての女子を網羅できたなって。女子全員大丈夫じゃんって(笑)。

──でもたくさんの女子の中にいるのって辛くないですか?

大森:きついです! 全然無理です(笑)。〈TOKYO IDOL FESTIVL 2013〉の時も居場所がなくてみさこちゃん(バンドじゃないもん!)に泣きついて。他のアイドルとお話もできなくて。

──そうですよね、大森さんのイメージ通りです(笑)。アルバムの最後には『タンポポ』のカバー曲『I&YOU&I&YOU』が入ってますね。

大森:今回は曲順も外側から内側へどんどん入っていくという作りにしてて。そこで最大限まで上げた曲がその前に入っている『君と映画』で。『I&YOU〜』は全然違う向きの曲なので、これまで自分にはできなかった面を自分の技法でやることで何か生じるんじゃないかという希望をもって入れました。

──大森さんのファンの方がハロプロの曲に興味をもつという現象も起きてそうですね。

大森:ハロプロのライブに行ったよとかCD買ってみたよとか、曲の感想よりそれが一番嬉しいです(笑)。

 

〈TOKYO IDOL FESTIVL 2013〉への出演

──2013年を振り返ってみて、とにかくライブの本数が多かったですね。

大森:2012年は1日3本の日もあったけど、昨年は1日2本くらいですよ。

──十分多いですよ! その中でも〈TOKYO IDOL FESTIVL 2013〉への出演はどうでしたか?

大森:見る人が絶対おもしろいかなって思って、出たい出たいって言い続けてたら色んな人が進めてくれたんです。アイドルのファンは今一番面白いことっていうのに敏感で、元はロックのファンだったりする人も多いんです。アイドルって色んな曲調があるからファンの方も耳が慣れていて、割とわたしの曲を聴いてもすんなり受け入れてくれるっていうか。

──プレッシャーはなかったんですか?

大森:どの位いけるかなっていうチキンレースみたいな気持ちで出たんですけどちゃんと聴いてくれて。ロックだと見に来たバンドが終わったら帰っちゃう人も多くて、とりあえず聴いて確かめる姿勢をもってるお客さんってそんなにいないじゃないですか。でもアイドルのファンの方は現場でちゃんと見てから判断しようって方ばかりで。それがすごくいいなって。

 

自分は言われてアウトみたいなものが無さ過ぎておもしろくない(笑)

──大森さんの歌にも『新宿』という曲がありますが、今回のイベントの会場である新宿という街は好きですか?

大森:好きです。何でも買えるし、誰でもいるし、乗り換えも便利だし(笑)。全部の人種がいる感じが好きです。服とかも何系とかないんで。

──誰でも受け入れてもらえる感じはありますよね。

大森:そう、誰も介入しない。あんなに人がいるのに孤独だし。田舎の人が憧れる東京というのが渋谷じゃなくて新宿というのはわかります。

──一番落ち着く街ですか?

大森:高円寺が一番好きですね。どうにもならなくても許される人が住んでて。そういう人が住んでるから自分を冷静に計れるんですよ、これ位頑張ってるとか頑張ってないとか。新宿は色んな人がいるから自分の立ち位置がよくわかんないけど高円寺は自分にとってスタート位置だし、もの作る人のスタート位置みたいなところがあるから、そこからどれくらいやれてるかっていうのが冷静にわかる。

──大森さんの『高円寺』という曲にはこんな思いがあったんですね。今回のイベントでもそういったお話をたくさん聞きたいです。

大森:イベントでは豪さんが由芙ちゃんにどれくらい突っ込むかを見て、由芙ちゃんが嫌悪感を示すかどうかを楽しもうと思ってます。私は豪さんを援護するかフォローするか、ただ見てるか。今回はタイミング的にもそういう話にいくんじゃないかな(笑)。由芙ちゃんはしっかりしてるけど本音を出さない感じのタイプなので。あの真面目な感じを剥がしてみたいと思ってるんですけど、そんな技術は自分にはないんでそこは豪さんにお任せです。

──お客さんサイドですか!

大森:自分は言われてアウトみたいなものが無さ過ぎておもしろくないんで(笑)。

──今後、ジャンルの違う方とのトークイベントはどうですか?

大森:久保ミツロウさんとかいわゆる「こじらせ系」の人と関わりがないのでやってみたいなって思います。こじらせちゃったから他の所で頑張ろうっていうタイプと、ギリギリのところで踏ん張っているっていうのと、今いる所は違うけどそもそも両方こじらせてる同士なんで(笑)。憧れみたいなのもありますし、自分もかわいくなりたいとかそこまでは思わないけど、やっぱり女子として見られたいというのはあるから(笑)。

 

やりたいことの1%もできてないし、やりたいことだらけです

──それぜひロフトプラスワンでやりたいですね。昨年は“無双モード“で色んなことにチャレンジされていましたが、2014年の目標はありますか?

大森:やりたいことの1%もできてないし、やりたいことだらけです。言いたい言葉も会いたい人もいっぱいいるし。震災があった時に何で東京にいるんだろうってところを考えちゃって。今まで愛媛県に住んでたですけど、みんなすごい優しくて暢気で。その中にいると本当に自分が最低みたいな気になっちゃうんで辛くて。東京の人のちょっと陰険な感じとか、上に見せようとするとことかが大好きで。そういう人とまだまだ話したいっていうのがあります。

──曲作りについてはどうですか?

大森:アニソンとか作ったことがないんでやってみたいです。早い曲とか作りますよ。基本言われれば何でも器用にできる子なんで(笑)。

──それいいですね! アニメ関係者の方がこのインタビューを見て頂けたら…。2014年も大森さんの活躍から目が離せません。本日はありがとうございました。

 

このアーティストの関連記事

大森靖子
絶対少女

PINK-004
2,500yen (tax in)
IN STORES NOW

amazonで購入

1. 絶対彼女
2. ミッドナイト清純異性交遊
3. エンドレスダンス
4. あまい
5. Over The Party
6. 少女3号
7. 婦rick裸にて
8. PS
9. hayatochiri
10. W
11. 展覧会の絵
12. 青い部屋
13. あれそれ
14. 君と映画
15. I&YOU&I&YOU&I [タンポポcover.]

LIVE INFOライブ情報

大森靖子×寺嶋由芙トークライブ『絶対黒髪少女』
2014年1月21日(火)新宿LOFT/PLUS ONE
[出演]大森靖子 / 寺嶋由芙
[ゲストMC]吉田豪(プロインタビュアー)

open 18:30 / start 19:30
前売 ¥1,500 / 当日 ¥2,000(共に飲食代別・要1オーダー)
前売はe+にて発売中

haku
lpo
lpo