Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューガラ(MERRY)×エマニュエル小湊(キノコホテル)×高野 哲(nil / THE JUNEJULYAUGUST)

三つ巴の異種格闘技戦、初春の新宿ロフトにて高らかにゴングが鳴り響く!

2011.02.02

 日本有数の歓楽街である新宿・歌舞伎町はありとあらゆる人種が入り混じった坩堝であり文化の交差点だ。だからこそ多種多様な価値観が生まれて面白い。その歌舞伎町に居を構える新宿ロフトは特定のジャンルに偏ることなく種々雑多な音楽の表現者に門戸を開くライヴハウスだ。だからこそ異ジャンルの融合がスリリングな熱を生んで面白い。今月24日に新宿ロフトにて行なわれるキノコホテル、MERRY、nilという3組が一堂に会す好ブッキングもまた、馴れ合いに終始しないヒリヒリした刺激を得られるエキサイティングな内容になることは間違いない。イヴェント開催を前に、3組を代表してエマニュエル小湊、ガラ、高野 哲の3人に集まって頂いてプレ・トークセッションを本誌では画策。各自の近況や2011年の活動指針、果ては酒の嗜好や健康志向の話に至るまで、縦横無尽に語り倒してもらった。(文・構成:椎名宗之)

写真:アカセユキ(www.yukk.info

ジャンル間の壁をブチ壊すのがロック

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──三者とも初対面ということなんですが、これまでお互いにどんなイメージを抱いていましたか。

ガラ:僕は昔からZIGZOとかをよく聴いていたので、哲さんに対しては孤高のヴォーカリストというイメージがありますね。

高野:孤高!? そうか、だから売れなかったのか(笑)。

ガラ:いやいや、そんな(笑)。

高野:MERRYは常にヴィジュアル系という枠をブチ壊そうとしているバンドっていう印象が強いですね。BALZACや遠藤ミチロウさんといった異ジャンルのアーティストとの共演も多いし、そういうバンドは信頼が置けるって言うか。ヴィジュアル系に限らず、どんなジャンルにせよ一定の枠組みに縛られたままなのは勿体ないと俺は常々思っているんです。MERRYはそういうジャンル間の壁を果敢にブチ壊し続けているから、安っぽい言葉になっちゃうけど、ロックだなと思うんですよ。

ガラ:僕らのバンドの出所はいわゆるヴィジュアル系ではあるんですけど、ヴィジュアルであろうとなかろうと、個人的にはどんなふうに思われても構わないと思っていたんですよ。でも、いざイヴェントをやると面子も似たり寄ったりになってしまって、新たな刺激を受けづらくなるんです。なるべくいろんなバンドと共演したいのに、ヴィジュアル系という言葉や見た目だけで最初から毛嫌いされてしまうところがあって。それなら殻に閉じこもらず、自分たちから外の世界に出て行こうと思ったんですよね。

──キノコホテルも異種格闘技戦みたいなライヴは割と多いですよね。

小湊:多いですね。去年共演したバンドで言えば、女王蜂という神戸のバンドのインパクトが強かったです。ユニセックスなヴォーカルがとにかくパンチがあって。支配人(マリアンヌ東雲)が珍しく共演者と打ち解けている場面を見ましたね。イヴェントでは良くも悪くも浮くことが多いです。

ガラ:僕はもともと昭和歌謡やグループサウンズとかが好きなのもあって、キノコホテルには以前から興味があったんですよ。噂を聞いて、YouTubeでチェックをしたりしていました。

──目下レコーディングの作業に邁進しておられる支配人がこの場にいらっしゃれば、ガラさんとミチロウさんの話で盛り上がったでしょうね。

小湊:そうですね。MERRYさんが参加したスターリンとミチロウさんのトリビュート・アルバム(『ロマンチスト〜THE STALIN・遠藤ミチロウTribute Album〜』)も、「何でキノコホテルへオファーが来ないわけ!?」と少々ご立腹でした(笑)。

──僕も安直にジャンルをカテゴライズすることほど面白くないものはないと常々感じているんですが、それでも特にヴィジュアル系は色眼鏡で見られてしまうことが多いですよね。高野さんも過去に参加されたバンドのイメージとの格闘みたいなものが絶えずあったんじゃないかと思うのですが。

高野:どうなんだろう…。大昔にMALICE MIZERを辞めた直後はいきなり髭と坊主の出で立ちになったんですけど、それは過去を払拭したかったんでしょうね。まだ凄く若かったし、抱かれるイメージを意識していたんだと思います。でも結局…払拭できるものなんてないんですよ。うん、ないんだと思う。いつからかそう思うようになった。…すいませんね、今ちょっと二日酔いで、思考回路が上手いこと働かないんですよ(笑)。

──そうか、昨夜はシェルターでFURSとの一騎打ちでしたね。

高野:うん。まだシェルターの中打ちの途中みたいな感覚なんですよ(笑)。

──打ち上げでは3組ともかなり呑むほうですか?

高野:ウチはそうでもないかな。ベースは元から酒を呑まないし、ドラムも最近はあまり呑まないし、3人分を俺が呑んでる感じですね(笑)。

小湊:私たちは全員女性なので、食にもお酒にも貪欲ですね。

──一番酒にお強いのはやはり支配人なんですか?

小湊:強いと言うか、もうタチが悪くて…。アル中予備軍なんじゃないでしょうか。詳しくは言えないですけど、私は他の2人よりも社歴が長いのでいろいろ見てきていますよ。お陰でかなり忍耐力が付きました(笑)。

ガラ:僕らも酒は嫌いじゃないですね。昔のヴィジュアル系は縦社会の関係性が凄くて、呑めなくても呑まされることが多かったんですよ(笑)。最近は打ち上げのないイヴェントが増えてきたように思いますけどね。昔は打ち上げまでがライヴにパッケージされていましたから。

三者三様、今年の活動指針

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──打ち上げが減ると、異ジャンルのバンドと交流を図る機会も減りますよね。

ガラ:自分たちから接触していかないと輪が広がっていきませんからね。

高野:俺は基本的に呑まなくても斬り込んでいくほうですよ。ただ、今日はちょっと二日酔いなんで(笑)。

──じゃあ、ここで迎え酒をオーダーしておきますか?(笑)

高野:いや、迎え酒を控えるっていうのが今年の目標なんで(笑)。

──高野さんはnilとは別にTHE JUNEJULYAUGUST(以下、ジュンジュラ)というバンドを去年始動させて、ファースト・アルバム『深く潜れ』を先だって発表されたばかりですが。

高野:ジュンジュラを初めてまだ間もないので、2バンドの頭の切り替えやペース配分を模索している段階なんですよ。

──ジュンジュラは元REDЯUMの梶原幸嗣さんのパーソナリティありきで始まったプロジェクトなんですか。

高野:うん。梶とは何か一緒にやりたいとずっと考えていて、あいつにピアノの(佐藤)統を紹介されたんです。最初はどうなるのかなと思ったけど、自分の思っていた以上のアンサンブルができて面白いんですよ。

──ジュンジュラを始めたのは、ネーム・ヴァリューのあるnilよりも小回りが利いて駆動力のあるバンドをやりたかったからですか。

高野:いや、むしろnilのほうを小回りの利くバンドにしたいくらいなんです。ここ数年は呼ばれた順にどんどんライヴをやっていこうと思っているくらいだし。そうやって身軽なスタンスでオファーを受けていると、新しいバンドを知る機会も多いんですよ。キノコホテルがまさにそうで、ウチのマネージャーがタワーレコードの写真展でキノコホテルのことを知って教えてくれて、面白いバンドがいるなと思っていたんです。そしたら、その次の日に石川の健ちゃん(DJ ISHIKAWA)から「キノコホテル、チリヌルヲワカ、ジュンジュラっていう面子でライヴやらない?」っていう連絡があって。その直後に連絡をくれたのがロフト店長の大塚(智昭)君で、「MERRY、キノコホテル、nilでどうですか?」っていう今回のイヴェントのお誘いだったんですよね。偶然にしても、奇妙なシンクロニシティだなと思って。

──nilもジュンジュラも、今年はひたすらライヴに打ち込んでいく感じですか。

高野:nilはこれまで年に1枚のペースでアルバムを出してきたんだけど、今年はアルバムを出してツアーをやって…という従来のパターンは今のところあまり頭にないですね。それよりも自分たちからライヴを持ち掛けたいし、呼んでもらったライヴもどんどんやりたい。要するに、友達を増やしたいってことですね(笑)。

──若手の友達を増やしたいと?

高野:いやいや、俺たちもまだ全然若手ですから。

──MERRYは結成10周年モードに突入したということで、今年は派手な展開が期待できそうですね。

ガラ:派手に動きたいですね。今年はまずアルバムを出したいというのが大きな目標のひとつなんですよ。移籍して初のアルバムということで、自分たちにとって現時点でのベスト・アルバムでもありファースト・アルバムでもあるみたいな感覚で、あまり決めごとをせずに制作に臨みたいんです。この9年間、特定の事務所に所属せずに全部自分たちの手で活動を続けてきたんですよ。毎日バタバタしていたし、いつの間にか10周年に突入した感覚ですね。

──事務所のお世話になるようになったのは、この段階で自分たちの手でやれるだけのことはやり遂げたという自負があったからですか。

ガラ:そうですね。今までも自分たちの力だけでは手の届かない部分もありましたし、自分たちも更なるステップアップをしていきたいという思いが強くあったので。

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LIVE INFOライブ情報

LOFT & master+mind presents『Triple Colors Night』
2011年2月24日(木)新宿LOFT
出演:キノコホテル / MERRY / nil
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV ¥3000 / DOOR ¥3500
*チケットはぴあ[Pコード:128-680]、ローソン[Lコード:77619]、e+、LOFT店頭にて1月23日(日)から発売。
問い合わせ:新宿LOFT 03-5272-0382

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