Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

天性のナチュラル・ビューティーが踏み出した“はじめの一歩”

2010.12.24

今年5月3日のメロン記念日解散以降、公式サイトのオープンとアメーバブログのスタートというトピックはあったものの、表向きには沈黙を守ってきた柴田あゆみが遂にソロ活動を本格始動させた。満を持して発表されたソロとして初のアイテムは、ナチュラル・ビューティーな彼女の等身大の姿が余すところなく盛り込まれたフォトブック『YOU & I』。これには同じタイトルのCDが封入されており、メロン時代から一貫して支え続けてくれているファンに対してありったけの感謝の気持ちを込めた心温まるバラードが収録されている。初めて自ら作詞を手掛けたという同曲を聴いてまず驚かされるのは、このわずか半年の間に歌の表現力が格段に増したことである。大谷雅恵とムラタメグミという元同僚の活発な動向とは裏腹にファンをやきもきさせていた彼女だが、メロン解散からソロ始動までの準備期間を決して怠惰に過ごしていたわけではなかった。改めて自身の歌声と対峙し、徹底してボイス・トレーニングを重ねてしっかりと研鑽を積んでいたのである。それもまた、「努力はウソをつかない」をモットーとする柴田らしい身の来し方だったと言える。恐らくはこの半年、今後の活動に関して言いたくても言えない忸怩たる思いが絶えずあったことだろう。ならば、ここで積もり積もった思いの丈を一気呵成に語り尽くして頂こう。再始動までに彼女が何を考え続け、一人の歌手としてどのように足固めをしていたのかを述懐して頂こう。後年、このロング・インタビューが揺るぎない足取りで再スタートを切った柴田あゆみというソロ・シンガーの助走と序奏を伝えるドキュメンタリーとして読み継がれることを願う。(interview:椎名宗之)

何が何でも歌を唄いたかった

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──何はともあれ、おかえりなさい、ですね。

柴田:ありがとうございます。ただいま帰ることができました。

──柴田さんの中での再始動というのは、7月に公式サイトを立ち上げたことよりも、11月21日にDUO -Music Exchange-で行なわれたフォトブック発売記念イベントのほうがやはり意味合いとしては大きいですか。

柴田:そうですね。メロン記念日が5月3日に解散してから、すぐにツイッターをやらせて頂いたんですよ。その頃はまだ新しい事務所も決まっていなかったですし、「とりあえずやってみたほうがいいよ」という周りの方からのアドバイスもあったので始めてみたんです。

──本当に本人なのかどうか、最初はちょっと疑ってしまいましたけど(笑)。

柴田:それで当初は「本物です」とプロフィールに書いたんですよね(笑)。それから事務所も決まって、7月にはホームページがオープンしてアメーバでブログをスタートさせて頂いたんですけど、私としては今まで応援して下さったファンの方々に直接会って「ただいま」を言いたかったんです。それが実現したのが11月21日だったんですよね。だから私にとってはその日が再始動の記念日なんですよ。

──ちなみに、これまで所属していた事務所にそのままお世話になるという選択肢はなかったんですか。

柴田:メロン記念日を卒業したということは、お世話になった事務所も卒業かなと思ったんですよね。すべてやり切ったという思いもありましたし、今まで以上にいろんな分野でチャレンジしてみたい気持ちもあったので。一度きりの人生ですし、悔いなく生きていこうと改めて思ったんです。その中で、歌は何が何でも唄いたかった。その気持ちはずっと強くありましたね。

──公式サイトが立ち上がってからフォトブック発売記念イベントの開催までは4ヶ月のブランクがあったわけじゃないですか。その間、水面下ではいろいろと動いていても、発表したくてもできないもどかしさが絶えずあったんじゃないかと思うんですが。

柴田:そうですね。歌以外のお仕事もやらせて頂いたんですけど、歌にせよ何にせよ解禁日というのがありまして、リアルタイムで皆さんに報告したいのになかなか報告できないモヤモヤした気持ちはありましたね。これからスタートするのは自分の中で決して迷いのないものだっただけに、余計にそう感じていました。お仕事の移動中にツイッターで「電車なう」とつぶやいていたら、知り合いの方に「いつも『電車なう』ってつぶやいてるけど、どこに行ってるの?」と訊かれたことがあって、"ああ、そうだよなぁ..."と思ったんですよ。

──はっきりと発表できないまま打ち合わせやボイトレに出かけるわけですからね。

柴田:私もモヤモヤしていましたけど、待って下さっている皆さんも"一体、何をしているんだろう?"と感じていたんだろうなと思って。この間のイベントでも「もう待ちくたびれました」という手紙を頂きましたからね。私にはしっかりと先が見えていたけれど、ファンの方々はそれが率直な気持ちだったと思うんです。ひとみん(斉藤 瞳)は引退しましたけど、まぁしぃ(大谷雅恵)は活発に動いていますし、ムラっち(ムラタメグミ)も舞台を何本かやって始動していて、ファンの皆さんと直接会えている。私はまぁしぃを応援しに行ったライブの現場でファンの皆さんと会えてはいたんですが、ステージに私が立っている姿はまだお見せできなかった。2人の活動ペースが早すぎるのか、私の動きが遅すぎるのか判りませんけど、私は決してこの半年間が長かったとは思わないんですよ。むしろ、こんなに早くステージに立てるとは思っていなかったくらいなんです。再スタートを切るにあたってフォトブックという作品を残せたし、念願だった歌もちゃんと唄えましたから。

──メロン記念日の解散直後から、ソロ活動が本格始動するのは年内だろうと漠然と考えていたんですか。

柴田:そこまでは考えていませんでしたけど、5月いっぱいはのんびりしているのかなと思っていました。私も年齢が年齢なので両親はいろいろと心配していたようで、この先どうするんだという家族会議が何度か開かれたりもして。ただ、私は本当に周りの人たちに恵まれていて、新しい事務所も早い段階で決まりましたし、じっくりと時間を掛けて再スタートも切れましたし、感謝の気持ちでいっぱいなんです。何より、ファンの皆さんが待っていて下さったことは本当に有り難いことですし。

刺激を与えてくれる元同僚の存在

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──メロン記念日として10年間培ったいろんな人との縁を手繰り寄せれば、柴田さんに力を貸してくれる人はたくさん出てくるだろうと思いますけど。

柴田:いやぁ...どうでしょう。メロン記念日の解散直前の頃も、私のことを心配して下さる方たちからいろいろと声を掛けてもらったんですよ。でも、まだメロン記念日として活動している最中に次の動きはしたくなかったんです。私個人の活動は5月3日にすべてをやり切ってから考えたかったし、その時になったらなるようになる、くらいの気持ちで5月3日を迎えたんですよ。

──実際、なるようになりましたね。

柴田:なったんですよね(笑)。11年前のメロン記念日になるきっかけのオーディションもそうですし、私は本当に恵まれているなと思いました。

──5月3日以降はひとまずゆっくり休みたいという気持ちだったんですか。

柴田:いや、そんなに休みたいって感じでもなかったですね。解散前は"きっと1ヶ月くらいゆっくりしてるんだろうな"っていう感覚でしたね。

──元同僚の活動が活発になっていくのを見て、焦りはありませんでしたか。

柴田:全くなかったですね。逆に、いい意味で一番最後になって良かったなと思って。まぁしぃにはまぁしぃの、ムラっちにはムラっちの道がそれぞれあるし、私はその2人の姿を見守りつつパワーを貰ってから後に続きます、という感じでしたから。2人の活躍する姿が私に自信をくれたんですよ。仮に私が一番最初に動き出していたら、ステージ上で顔は自信満々を装っているけど足元はガクガク震えていたと思うんです。でも、まぁしぃはちゃんと一人でライブをやり遂げたし、ムラっちの舞台は見に行けなかったんですけど、頑張っている話を聞いてプラスの力を貰えたし、2人の存在は励みになっていますね。ムラっちは私にはない特殊な才能があるし(笑)、ムラっちにしか出せない個性を貫き通して欲しいんですけど、まぁしぃは私と同じように歌を唄いたいという気持ちが強いから、凄く刺激を貰っています。最初は事務所もなかった中で一人でいち早く動き出して、本当によく頑張ってるなぁと思って。

──メロン記念日解散後の4人の在り方は各自の性格がそのまま出ていて面白いですね。

柴田:そうなんですよね。まぁしぃは「とりあえずやってみよう!」って感じで何でもすぐ行動に移しているし、ムラっちは舞台やレポーターを通じてムラっちらしい個性をちゃんと出しているし、その姿をまるで母親のような温かい眼差しで影ながら見守り続けているひとみんもいますしね。

──大谷さんの現場が特にそうなんですが、各人のイベントや舞台に足を運ぶと元メンバーの皆さんの姿を拝見する機会が殊のほか多くて、メロン記念日が解散して喪失感みたいなものがあまり感じられないというのが正直な感想なんですよね。

柴田:ああ、判ります。ステージじゃない場所にいる時は、私もヲタモダチと同じ感覚なんですよ。ステージに立つ時は光り輝かせて頂きますけど(笑)。

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