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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】中村和彦 (9mm Parabellum Bullet) (2010年5月号)- これまで以上に曲が良くなることを意識して取り組んだ作品 『Revolutionary』が9mm史上の新たな革命を起こす!

これまで以上に曲が良くなることを意識して取り組んだ作品『Revolutionary』が9mm史上の新たな革命を起こす!

2010.05.01

『VAMPIRE』から約1年半ぶりとなる、9mm Parabellum Bulletのサードアルバム『Revolutionary』がリリースされた。今作は、アルバム3枚目にして初のセルフプロデュース作品。これまでの勢い以上のものになっているということは、すでに購入されている方は感じていることだろう。1曲目の『Lovecall From The World』から、1分にも満たない今世紀最大のドラマを聴かせ、最後には"世界を変えるのさ おれたちの思いどおりに"というフレーズが印象的な『The Revolutionary』までの計10曲、約33分。9mmらしい遊びの部分は勿論、弾きまくるメタルのようなギターも健在で、33分の中どこを切り取っても繰り広げられるドラマは、聴き応え、聴きどころは十分すぎるほど。最高の作品だ!今回は、フリーマガジン『Great Hunting』とのコラボレーションで、全メンバーソロインタビューとなった。ここでは、9mm Parabellum Bulletの屋台骨、ベーシスト・中村和彦に話を伺った。4人でのインタビューでは控えめな彼だが、1人で話をしてくれる姿が新鮮で印象的だった。(interview:やまだともこ+椎名宗之)

曲をちゃんと捉えて演奏する

──今回のアルバム『Revolutionary』は、初のセルフプロデュース・アルバムになるんですよね。

中村和彦:
はい。今まではいしわたり(淳治)さんにお願いしてましたけど、今回アルバムの制作で詰める作業に入る時に、「プロデューサーどうする?」という話になって、今回は自分達でやってみようって。つけたくないとかじゃなくて、自分達だけでも出来るような気がしたんです。それはみんな同じ気持ちでした。

──プロデューサーさんがいるといないとでは、具体的にどういう違いがあるんですか?

中村:作業内容はそんなに変わらないです。自分達のアイディアを出し合って詰めるとか、やること自体はそんなに変わらなくて、今までも淳治さんの意見がプラスされるかされないかぐらいの感じだったので。

──実際セルフでやられてどうでしたか?

中村:個人的には、自分の仕事というか自分のパートに対して責任を感じながらやりました。もちろん今まで責任がなかったわけではないんですが、ストイックな気持ちでやれたと思います。俺はこうしたいんだとか、強い意志を持って作業に臨むというか。そういう感じでした。

──プロデューサーさんがいない場合、メンバーの中で指揮を執る方はどなたになるんですか?

中村:指揮を執るというのもそんなにないですね。みんなそれぞれでやりたいことをやって、たまに他のメンバーに「ここのところどう思う?」とか聞いたりするぐらいで。音作りだったら、もうちょっと歪んだ方が良いよとか、お互いに意見を言い合ったりして、最終的にはその人がやりたいことをやる。誰が中心となってという感じもそんなにないです。やりたい放題というわけでもないですけど、曲を良くする方向で、みんな考えているので。

──先ほどストイックな気持ちで出来たとおっしゃってましたけど、特にどんなところにこだわったというのはありますか?

中村:演奏する時に、曲のことを考えて演奏するというか、前作とか前々作はテンション勝負みたいなところがあって、今回もそういう曲はありますけど、曲の構成とか、雰囲気をもっと考えながら演奏するという感じです。曲をちゃんと捉えて演奏するというか。具体的にどうしたというわけではなくて、気持ちの話ですけど(笑)。

──テンション勝負と言えば、1曲目からこんなにシャウトするとはという感じもしましたけど。

中村:それも曲のことを考えた結果それに至ったという感じなんです。前作は個人的にはほとんどテンション勝負だと思ってますけど、今回テンション勝負になった曲もいろいろ踏まえてそうなったと思いますし、曲を理解するというか把握した上でこうなりました。

──3rd EPのタイトル曲になった『Cold Edge』は中村さんが作曲されてますけど、これは前から作られていたんですか?

中村:この曲はもともとはアルバムに入れる予定で作った曲で、タイトル曲になったのは完全に棚ぼたです(笑)。EPをリリースするタイミングで、良い曲がこれだったんですよ。もともと『Cold Edge』はアルバム狙いというか、アルバムにこういう曲が入ってたらいいなって思って作った曲で、実際入ってアルバム全体の中でもまとまりが出来ていて、良いなと思っています。

──中村さん自身、曲は今までもたくさん作っていたんですか?

中村:僕は生まれてから2曲しか作ったことがないんです。

──そうなんですか? それはギターとかで作るんですか?

中村:打ち込みで作ります。パソコンで。

──ということは、ある程度の枠はパソコンで作って?

中村:テンポとコード進行と、だいたいの順番は作ります。ギターは入れないで口頭で伝えるんですが、コード進行は決まっているので聴かせて弾いてもらい、それからみんなでアレンジを考えて持って帰ってメロディーを付けてという作業を何回か繰り返しています。

──曲を作った人が、最終的に楽曲の方向性をジャッジするという感じになるんですか?

中村:それも誰かが「こっちの方が良いんじゃないの?」と言ったらそうにもなるし、曲それぞれです。

──『Cold Edge』に関して言えば、中村さんが最初に描いていたイメージに近いところで出来上がった感じですか?

中村:はい。歌詞のイメージも、卓郎さんが歌詞を乗せる前になんとなくの曲のイメージを伝えて、上がってきたものを見てやりとりをしていくんですけど、全部含めてけっこうイメージ通りに出来たと思います。

──菅原さんは曲を聴いて歌詞を書くんですか?

中村:はい。

──中村さんは、歌詞も曲も両方作ろうという気持ちは?

中村:ないですね(苦笑)。出来ないです。曲の雰囲気に近い歌詞は書けるかもしれないですけど、あまり書こうとは思っていないです。

──では、ベーシストとして、これまでと比べて意識的に変わってきたところってありますか?

中村:曲を意識して弾くようになったというのはひとつありますけど、変わったことがあるとしたら、自分じゃわからないことだと思うんですよ。技術が上達したわけでもないと思うし、そんなにはないです。

──とにかく良い曲だけを考えていた?

中村:そうです。

──リスナーのことを考えたり、ライブを想定したり、ここでこうやったら盛り上がるんじゃないかという意識はあります?

中村:良い曲を作るというのはリスナーにとってじゃなくて、まず自分達が良いと思えるかということだと思うんです。自分達が良いと思えるもの、自分達が良いと自信を持って言えるぐらい良ければそこでゴールなんじゃないかと今のところは思っています。だから、リスナーがこういう曲が欲しいんじゃないかとは考えていません。ライブで鳴ったらまた違う聴こえ方をするかなっていうのは感じていますけど、曲を作っている時は曲のことだけですね。

──それはバンド全体としても?

中村:いや、僕はそんな感じです。

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