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INTERVIEW

トップインタビューあのHUMPTY('08年7月号)

自分たちにしかできないこと。今しかできないこと。

2008.07.01

本誌6月号ではレコーディング中にインタビューをさせていただき、あの時は「リリースの予定日にギリギリで間に合うであろうという感じです」と言っていたあのHUMPTY。今回は、どんなCDができたんだろうと日々楽しみにしていたのだが...。どうやら、最終段階で終わっていないご様子。何とか完成している楽曲を聴き、今回のインタビューに臨むこととなった。しかし、「自分たちだけで今できる音を作品にしたかった」という、ボーカルであり今回はプロデューサーの役割もしていた純弥の言葉を聞いていると、それだけの熱量を込めた作品ならもう少し時間をかけてでもじっくり納得がいくものを届けて欲しいと思うようになった。全てを自分たちでやるということは、やはり色々な障害も起こるものだが、それでも立ち向かってきた彼らは、前作の『チェリーダンス』から比べると、バンドとしてとても成長したように思う。あのHUMPTYの作品はリリース間近!(interview:やまだともこ)



メンバー:純弥(唄)/ 純一(六弦)/デスター(六弦)/ 貴志(四弦)/ 弘嗣(太鼓)/ 参太(裸)

宅録の苦労

──レコーディングの進行はその後はどんな感じですか?

純弥:ほぼ録り終えていて、いいものは出来てきていますよ。ただ、あと少しのところが終わっていないんです。でも、ここで3日かけるところを1日でやったら雑になっちゃいそうですし、クオリティーを下げれば間に合いそうなんですけど、下げたくないっていうのがエンジニアさんを含めて思っていることで、7月12日から発売をしようと思っていたんですが、予定よりちょっと遅れてしまうかもしれないです。今回は特に流通を通すわけでもないんですけど、7月12日のライブから"レコ発"だとは言っているので、ファンの方もそのつもりでいてくれたとは思うんですが...。

──エンジニアさんには全曲渡せているんですか?

純弥:まだ最後の1曲は渡せてないんです。前に話していた尊敬している方と一緒にやるというのが現実になりそうで、これから作業に取りかかるという感じなんです。自分たちが作ったものだけで進めようとも思ったんですけど、せっかく一緒にできるのならその曲も入れたいという気持ちもあるので。楽しみにしていてくれるファンの人たちにはお詫びをするしかないのかなと。

──7月12日のライブで、土下座でスタートしたらいいんじゃないですかね(笑)。

純弥:土下座ですか(苦笑)!?

──制作はどの辺りが一番つまづいてしまうんですか?

純弥:ちゃんと期間を設けて進めてはいるんですけど、行動が遅いんです。

──制作期間はどれぐらいかけていたんですか?

純弥:ドラムを録ったのが3月とか4月なので、全然余裕のはずだったんですけどね。ちゃんと決められた期間内でレコーディングができるというのはすごく大切なことで、長い時間をかければ良いものができるのは当たり前なんですよね。どんだけ短い時間の中でも良いものを作らなければいけないとは思っているんですが、今回のレコーディングは時間は余裕を持って、自分らでゆっくりやろうかってなっていたんです。ゆっくりやりすぎてしまったのかもしれないですけど(笑)。でも、これってファンの方には全く関係ないところなので、すごく申し訳ないです。途中まではスムーズに来ていたんですけどね。やっちゃいましたね。

──やっちゃいましたね、じゃないですよ(笑)!

純弥:他のメンバーはすごく青ざめていました。

──レコ発ツアーとしては8月30日までありますし、ツアー中にはリリースできそうですか。

純弥:はい。大丈夫です。自分たちで全部やろうとしたのがダメだったんですかね。今回やってみて無理だということに気付きました(笑)。

──でも、それが自分たちが今後バンドを続けていく上での経験になりますからね。やってみたことが良かったんじゃないですか?

純弥:そうなんですけど、メンバーだけで作り上げていくとなるとやっぱりジャッジも難しいんですよ。どこら辺がOKのポイントなのかもわからなくなってくるんです。しかも参太(裸)のボーカルは僕がジャッジしますけど、僕のボーカルは僕ジャッジなんです。

──参太さんジャッジではないんですか?

純弥:参太はジャッジ出来るタイプではないですから。だからと言って自分ジャッジもダメでしたね。と言っても、他のメンバーがジャッジするよりはマシなんですけど(笑)。本当は参太がやってくれるのが一番なんです。ギターも2人いるのでデータがバラバラに送られてくるんですけど、それが合ってなかったりするともう1回やり直してもらったり、とにかくいろんなところに時間がかかりましたね。

──ギターも宅録なんですか?

純弥:基本は宅録ですよ。もしかしたらそれぞれがスタジオに入っているかも知れないですけど、良いか悪いかのジャッジは自分たちです。

このタイミングで残しておきたい作品

──今回の作品は個人作業が多かったんですね。

純弥:ほぼ個人作業で、あとはデータのやりとりで進めていました。メンバーにはあまり会わなかったですもん。もちろん一番最初には会って、こういう方向性で行こうという話し合いはしていますけど、その後の作業は個人でやってもらいました。ドラムだけは家では録れないのでちゃんとしたレコーディングスタジオに入りましたけど。

──こういう形のレコーディングは、今後も続けたいですか?

純弥:宅録は初めてですし、今後もやりたいですが、もしかしたら最初で最後になるかもしれません。状況が変わっていくことになったら、純粋に自分たちだけで作品を作り上げるということがなくなってしまうじゃないですか。自分たちだけでどこまで出来るかっていう楽しみもありますし、そういう意味でもこだわりすぎてしまったという部分はありますね。ファンの人にもすごく大切にしてもらいたい作品になりましたよ。実は一緒にやろうと言ってくださっているのがm.c.A.Tさんで、どうしてもその1曲は入れたいんです。

──m.c.A.T さん!? なんでまた一緒にやることになったんですか?

純弥:前にYAHOO!が主催するコンテストに出ていた時に、3000組ぐらいの中から上位5組に選ばれたんです。その時に関わっていた会社の社長が僕らをすごく気に入って、喋っているうちに「面白いプロデューサーがいたら連れて行くから」というお話になり、その後ライブに何度かm.c.A.Tさんが来てくれていたみたいなんです。そしたら「あのHUMPTYの状況を聞きたい」と言ってくださいまして、「今レコーディングをしてます」と話したら、「コラボができたらいいね」って、いつの間にかこういう状況になったんです。CDをお店で流通しないようなバンドと一緒にやろうかって言ってくれたのも嬉しくて、だからその曲は入れたいんです。遊び心がある方なので楽しみです。うちらのバンドと打ち込み系を織り交ぜたようなサウンドになりそうですし。

──今までは純弥さんが作詞も作曲もされていましたが、今回は貴志さんやデスターさんが作った曲が入ったり、それぞれが作った曲をCDにしようと思ったのはどんなきっかけからですか?

純弥:『チェリーダンス』で入れられなかった曲とか、今のあのHUMPTYで残しておきたい曲だったんです。今あるものを形にしておきたい。その時にしか歌えない曲っていうのもあって、昔作った曲の中にはなんでこれを残しておかなかったんだろうっていうのもあるんですけど、歌詞を変えたくなかったので今回の作品には入れなかった曲もあります。貴志が作った『悶☆パニック』やデスターの『ダンシング・ダイナマイト』を3〜4年後に歌えてるかと言ったらわからないけど、30代になった時にはこういう歌詞は出てきていないと思うんです。

──『ダンシング・ダイナマイト』は既にライブでやられてますが、ディスコ調であのHUMPTYをすごく象徴する曲ですよね。

純弥:すごく人気のある曲ですね。あと、今までのあのHUMPTYにはないところで、『ありふれた幸せ 』というロックバラードも入っているんですが、昔デモで録っていてちゃんと音源として残しておきたいなと思って、ちょっと変えて入れることにしたんです。

──これまでの楽曲の詞はコミカルな詞が多かったと思いますが、ロックバラードとなると真面目に愛を歌うんですか?

純弥:「愛を歌う」と言われると照れますけど、愛を歌うんです。ありふれたストレートな幸せを歌いますね。

──『祇園セレナーデ』も愛を歌ってましたよね?

純弥:『祇園セレナーデ』はおちゃらけた愛ですけどね。何やかんや悲しい男の心情はいつも入っちゃうんです。『悶☆パニック』はナンパな歌ですが、男ならわかってくれる曲だと思いますよ。歌詞は自分の体験から膨らませているので。

CDで伝えられるライブの魅力

──あのHUMPTYの場合、CDはライブの予習盤だったりライブの余韻に浸るために聴くという、ライブありきみたいなところがあると思いますが、ライブの楽しい雰囲気をいかにCDに近づけられるかということは考えられてます?

純弥:CDでどれだけエンターテイメントを出せるかというのは永遠のテーマですね。『悶☆パニック』や『ダンシング・ダイナマイト』はエンタメの要素が強いと思うので、ライブが伝わる作品になったと思いますよ。

──それぞれが個人作業で作っていたわりには、ライブ感がちゃんと伝わりますよね。

純弥:各自自由にやれたからでしょうね。前回は限られた時間と限られたお金の中で、何時間の間に歌ってくださいとか、何時間の間にギターを録ってくださいとかだったので、無茶したり試したりすることもできなかったんです。それでもいいと思いますが、今回個性は溢れている感じがしますね。ボーカルものびのびと歌えましたし、こだわるところはこだわって息を抜くところは抜いて。

──デスターさんのギターもすごく冴えてましたよね。最終的にまとめるのが純弥さんだというところで、それぞれの音が届き出すと、曲が完成し始めたという楽しみが増えますよね。

純弥:こんなんじゃ歌えないわ!って言うこともありますけどね(笑)。ラフでギターをもらってボーカルを入れて、もう一回弾き直してもらったりもしましたし。時間かけてますね。

──かけてるでしょうね(笑)。

純弥:でも、楽しくやれてますよ。6個の音を全部僕がまとめるっていうのは大変でしたけどね。参太のことをやっている時が一番大変です(笑)。何トラックか録って、その中から選ぶのも僕でしょ。参太の声をず〜っと聴いてたら頭がおかしくなりそうでした。あと、僕がこう見えて意外とキッチリしているので、他のヤツの雑さが気になるんです。だって、音にブツッて音が入ってるのにそのまま送ってくるんですよ? まあ、ロック感が出るからそれぐらいが良い時もありますけどね。

──『チェリーダンス』以降、ライブのブッキングもCDの制作も全てを自分たちでやり、大変だった分バンドにとって良い方向に向かっていますね。

純弥:変化をした1年でした。そこからスタートをした感じでもあります。

──音楽に対する向き合い方も変わりました?

純弥:向き合わざるを得ない環境でしたからね(笑)。今回で言えば宅録だし、自分たちがやらなかったら誰がやってくれるわけでもないし、でもお金もない。この状況下で出来上がった作品なので、腹を痛めて産んだ子のような、すごく愛せる作品になりましたよ。エンジニアさんは、気心知れている方にお願いしていて、時間をかけてでもいいものを作っていこうという感じだったので今回のアルバム作りには最適な方ですね。良い感じで出来ました。素の感じも出ていますし、ファンの方にも喜んで貰えると思います。

──ファンの方を優先に考えている感じがしますね。

純弥:僕らがすごくわがままにやっているのに、ファンの方にとても大事にされていると感じるので、僕らも大事に考えているんですよ。

──ライブでのステージと客席の一体感もすごいですよね。

純弥:ファンの方がいなかったらできないかもしれませんよ。歌を聴かせて泣かすというバンドではないので、本格的な歌を歌う人たちにどうやって勝っていくかというのが勝負だと思うんです。そうすると会場の一体感は必要だと思いますし、回数をこなすうちに自分らはライブバンドだなってわかってきたので、ライブでどれだけ幸せにできるかということは考えていますよ。あとは作品を楽しみに待っていてください!!

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LIVE INFOライブ情報

レコ発ツアー2008
“ワンランク上の夏”
7.12(土)表参道FAB ーツアー初日&純弥B.D ー
7.22(火)大阪BIG CAT
7.24(木)広島NAMIKI JUNCTION
7.30(水)渋谷O-EAST ースリーマンー
8.03(日)名古屋Heart Land Studio
8.09(土)神戸STAR CLUB
8.15(金)京都VOX HALL
8.16(土)大阪MUSE HALL
8.30(土)表参道FAB


ニューアルバム、近日発売!!(発売日はオフィシャルサイトで御確認ください)

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