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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】南部虎弾×佐々木孫悟空(2008年3月号)- 佐々木孫悟空・虫食いDVD発売記念特別対談!!

佐々木孫悟空・虫食いDVD発売記念特別対談!!

2008.03.01

世界唯一の虫喰い芸人・佐々木孫悟空の虫喰いエンターテインメントDVDがまさかの発売! 世界中の様々な虫を喰いまくったり、ゴキブリ早喰いギネスに挑戦したりと虫好き必見(?)のすさまじい内容となっている。今回はそのDVDの発売を記念して、過激な体当たりパフォーマンスの大先輩・電撃ネットワークの南部虎弾との対談を決行! ゆくゆくは電撃ネットワークのように世界に飛び出したいと考えている佐々木孫悟空が、南部虎弾から世界での戦い方を訊く!(interview : 北村ヂン)

ブーイングを受けながらやるショーもあっていい

南部 : (DVDの資料を見ながら)虫を食べるギネスなんてあるんだ。

孫悟空 : あるんですよ、ゴキブリとミミズの早食い記録がありまして、両方に挑戦してるんですけどね。ゴキブリは一分間に37匹以上、ミミズは30秒間に200匹以上食べれば記録更新なんですよ。

南部 : それはやっぱり丸呑みするの? ゴキブリはともかく、ミミズくらいだったら簡単に食えそうな気がするけど、難しいんだ。

孫悟空 : いやいやいや! ものすごい大変なんですよ。僕もやってますけど30秒間だと60匹くらいしか食べられませんでしたね。生きてるミミズなんで、飲み込んでもノドから這い出そうとしてくるんですよ。

南部 : やっぱりゴキブリは噛むの?

孫悟空 : 一回噛んで動かなくしてから飲み込むんですよ。足がノドに引っかかって痛くて大変なんですけどね。

南部 : ブチュッて黄色いネバネバとか出しながら食べるんだ! ……すごいなー。

──南部さんが、虫を喰う芸人がいるっていう噂を聞いたのっていつ頃なんですか。

南部 : 半年くらい前じゃないかな。以前、体を張ってる芸人たちを集めて『南部塾・糞闘編』っていうDVDを出したんだけど、その第二弾を出そうと思って出演してくれる芸人を探してる時に知ったんだよね。だから次のDVDには佐々木孫悟空にも絶対出てもらいたいと思ってるからね。俺がやってる「新宿クレイジーナイト」っていうイベントにも二回続けて出てもらいましたし。でも、彼が虫を食べてたら途中で女の子たちが帰ってっちゃってね(笑)。三回目も出てもらおうと思ってたのに会場のオーナーから「一回ストップかけてもらっていいですか?」って言われたんだ(笑)。

孫悟空 : ああー、そうだったんですか。

南部 : だから、孫悟空の芸っていうのはどうしても好きな人と嫌いな人で極端に分かれちゃうと思うけど、笑いっていうのはその時代時代を反映して進化するものだからね。たとえば30年前の「シャボン玉ホリデー」とかやってる時代だったら、俺たちも出てこれなかったと思うし、虫喰うなんて絶対にダメだったでしょ。でも、文化が進化すればするほどアウトサイドにあるものに興味を持たれるようになると思うんだ。そうすると、色んな芸とか変態も受け入れられるようになるし、観る人たちの感受性っていうのも豊かになってくるもんだからね。今はそういう時代になってるんじゃないかな。今、アメリカだと「ジャッカス」ってあるじゃないですか、あれなんかもすごいくだらないことをやってるんだけど、世界中でDVDが何十万枚も売れてるらしいし、イギリスにも「ダーティー・サンチェス」っていうグループがいて、そいつらなんて、ひとりがウンコして、それをもうひとりが喰って、それを見てゲロを吐くヤツがいて、そのゲロを集めて喰っちゃうヤツがいて……ってそんなことやってるのにあっちじゃ大人気らしいからね。だから、日本よりも海外の方がコアな人がたくさんいるんだろうなって思うよ。やっぱり日本って女の子が来るようにならないと流行らないじゃない。女の子が来るような舞台って「ブルーマン・グループ」とか「ストンプ」とかキレイでおしゃれなヤツだからね。だから孫悟空の虫喰いって日本じゃまだ早いんじゃないかなとは思うんだけど……。まあ、みんなに拍手されるんじゃなくて、みんなから侮辱されてブーイングを受けながらやるショーもあっていいと思うけどね。

孫悟空 : そんなこと言われたら元も子もないじゃないですか! でも僕としても、日本よりも海外にお客さんを求めて虫喰い芸を広めていきたいというのがあるんですよ。そこで南部さんに、どうやって海外に出て行ったらいいのかって相談したいと思ってたんですけど。

南部 : 俺らの場合は、デーブ・スペクターが「アメリカの番組でネタをやらないか」って言ってくれたんだよね。それであっちの「ベスト・オブ・ザ・ワースト」っていう番組に出ることになって、色んな人に金借りて自腹でロスに行ったんだけど、それが海外に出れるようになったきっかけだからね。だから海外で認められる認められないって、チャンスの問題だと思うよ。

──狙って海外に出て行ったというわけではなかったんですか。

南部 : 全然、狙ってたわけじゃないよ。最初にアメリカ行った時もメチャクチャだったからね。デーブは「多分、お金なんか発生しないから就労ビザも何もいらないから」って言ってたのに、実際には30分で500万円とか600万円ってお金を出してくれるっていう話になってて、でもそうなると俺たちはビザなしで入ってるからマズイっていうことで、その時は生放送で出れなくなっちゃったんだよ。でも別の場所でライブをやって、それをビデオに撮ってきたらテープを買い取ってくれるって言うんで、ラスベガスに行って一番賑やかな通りで花火つけてワーッてやってたら警察に捕まって……。でも、それをたまたま見てた人から「明日の夜にライブがあるんだけど、そこでやってくれないか」って言われて、行ってみたらヘルズ・エンジェルズ(アメリカのアウトロー・バイカーの組織)の集会でね。そこでショーをやってビデオを撮ろうと思ってたら「カメラなんか回すな! ここには指名手配のヤツもいるんだから!」って(笑)。それで、仕方ないから頭に火をつけたり色々やったんだけど、ガマン比べか何かだと勘違いされたらしくって「俺だってもっとすごいこと出来るぞ!」とか言ってみんな腕に火をつけたりしてるんだよ(笑)。結局みんな酔っぱらって、ビール瓶は飛んでくるわでメッチャクチャになちゃってね。「お金借りてまで来たのに、何にもならなかったな」って泣いたりもしたんだよ。

──相当過酷な初海外だったんですね。

南部 : さらに、たまたまそこで見てた人から「モントリオール・コメディ・フェスティバルっていうのがあるけど出てみないか」って誘われて招待で行くことになったりしたんで、どこに成功があるかなんて分からないよね。

ミミズ食べたり、サソリ食べたりするのも技術

──計画的に世界進出したというよりは、偶然が続いて成功につながったという感じですね。

南部 : たまたまだよね。ただ、そういうことは吉本興業とかでっかいところにいると出来ないんだよ。「危険があるから」とか、「マネージャーがついて行かないと」とか言われちゃうから。でも電撃ネットワークのモットーっていうのは基本的にバスキング、いわゆる帽子を置いといて、ここにお金を入れて下さいっていうヤツだからね。まあ、孫悟空も世界に出て行くなら、これから色々見せ方を考えた方がいいのかなって思うね。電撃ネットワークも昔、犬神千代吉(元メンバー)がミミズを喰ってたんだよ。そのミミズ喰いでビックリ人間100万円争奪戦っていうのに出たんだけど、そこで千代吉が一番笑い取ってたから、「これで賞金とれるのかな?」って思ってたら、コント赤信号の渡辺正行さんが「ミミズ食べてるだけで100万円やるのは、俺個人的にはイヤだなぁ」って言い出して。やっぱり、もっと技術をみがいてやってるビックリ人間っていいっぱいいるわけで、その時は俺も「確かにミミズ食べてるだけで100万円っていうのは納得いかないだろうな」って思ったの。それから7、8年は経ってるから、今になってみるとミミズ食べたり、サソリ食べたりするのも技術だって思うけどね。

孫悟空 : そうなんですよ。僕はミミズ喰いでギネスに挑戦してるんですけど、10センチ以上のミミズを200匹食べなきゃいけないとか、片手で食べなきゃいけないとか色々ルールがあって、もうアスリートなんですよ。さらにショーとして見せるんだったら食べる前に一回客席に見せてから……とか考えなきゃいけないから、そういうのも技術だと思ってるんですけどね。

南部 : 間違いなくそうなんだけど、世間はなかなかそう思ってくれないんだよね。だから、ただ食べるんじゃなくてアイディアが必要になってくるんじゃないかな。独創性とユーモアのある食べ方を考えないとね。ミミズを食べるだけだったら、ショーとしてどのくらい時間をもたせられるんだっていうのはあるじゃない。どうせ食べるなら思いっきり話題にならなきゃもったいないから、ミミズバーガーを作って食べるとか……。

孫悟空 : ああ、そういうのもやりましたね。都市伝説を解明するっていうので、その場でミミズバーガーを作って某Mドナルドと食べ比べてみて「ミミズバーガーの方が美味いな~」……とか(笑)。

南部 : 孫悟空も喰い方は色々考えてるよね、セミを喰うのなんかすごく面白いもん。ミンミン鳴いてるセミを口の中に入れて、そこにマイク当てながら「ミーンミーンミーン、ミッ……」止まった! みたいな。ああいうのは笑いのツボを押さえてるね。あとは、口に入れることだけがショーではないと思うから、食べるまでの段階も考えて、虫を色々な形で料理したりね。「NANTA」(料理場を舞台にしたミュージカル)風にゴキブリを調理したりしてもいいじゃない。世界中には大道芸人っていうのはいっぱいいて、サソリを食べるようなヤツもいるんだけど、実際に喰うまでに色々しゃべってお客さんを煽ったりして30分も40分も引っ張ってやってるからね。だからMCとかでつないでいってショーにしていくのもいいかもね。

孫悟空 : 珍しい虫ってやっぱり意外と高くって、ペットとして売ってるからムカデ一匹で一万円とかするんですよ。だから簡単に食べちゃうとお金もかかりますからね(笑)。

南部 : イベントとか出てもらっても、「これは7800円です」とか「一万円です」とか言ってて、一回のイベントでそんなに喰っちゃったらギャラよりもそっちの方が多くなっちゃうじゃんって思うもん。

孫悟空 : まあ、そういうバカバカしさもアリかなとは思ってるんですけど(笑)。今はお金よりも「こんなバカがいるんだ」って思われたいんですよね。それで、こうやってDVDが出た時に取り戻せたらいいかなって。後、今考えているのは、どうやったら虫喰いをキレイに見せられるかっていうことなんですよ。ダンスとか音楽とか、色んなパフォーマンスの融合で虫喰いをキレイに見せられないかなって考えてる最中です。この前、電撃ネットワークさんの舞台を観させて頂きましたけど、すごく勉強になりました。色んなことをやってるけど、すごいテンポがいいじゃないですか。ギュウゾウさんがアロンアルファでドラム缶に手のひらをくっつけてる間に、他の人が次の準備してて、ドラム缶を持ち上げた時にはもう次の出し物が出てきてて……。DJの人との融合とかもあって、もちろんやってる芸もすばらしいんですけど、さらにそれプラスαもあってすごいですよね。

南部 : 俺はああいう構成が好きなんだよね。無駄な時間がイヤなの、待てないから。

孫悟空 : 客入れの時まで楽しませてくれる演出がされてて、海外にまで通用するっていうのはこういうことなんだなって思いました。

南部 : だから逆に言うと、俺らはお客さんがいないと出来ないんですよ。反応がないとさみしくってしょうがない。

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