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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】WRECKingCReW(2008年2月号)- 遺伝子にこめられた旋律は、何度でも鳴り始める

遺伝子にこめられた旋律は、何度でも鳴り始める

2008.02.01

ファーストアルバムから実に5年ぶりとなるセカンドアルバム『夜と太陽のDNA』をリリースするWRECKingCReW。風吹きすさぶ荒野にひとり佇み月を仰ぐ。そんな森羅万象を感じさせる歌詞世界。そして男女ツインヴォーカルから放たれるまさにDNAから感情を揺さぶられるような泣きのメロディ。本人たちにとっては、ごく自然な流れでの5年だったそうだが、なぜここまで自分たちの世界を確立しているバンドがリリースをせず、ライブ活動のみを続けていたのか疑問を抱かずにいられない。今回はメンバーのうちヴォーカルを担当する大塚真久(Vo,Ba)と千秋一美(Vo,Gu)からこのアルバムにたどりつくまでの道程。そしてこれから目指す場所について聞いた。(interview:古川はる香)

ライブをやっていれば、バンドは続いてる!?

── ズバリ、ファーストアルバムをリリースしてからの5年間何をしていたんですか!?

大塚:何してたんですかね(笑)。

千秋:いろいろですね。見つめ直してたというか……。

大塚:そうですね。バンドというか人生を見つめ直してて(笑)。

── 音源を作る気分じゃなかった?

大塚:なんとなく1回蓋が閉まった感じになっちゃって。極端に言うと、バンド続けるの? やめるの? って空気もありつつ。でもライブがあったんで、僕ら的にはバンド活動を続けてるイメージだったんだけど、リリースがなかったのでまわりは「最近何やってるの?」って印象だったみたいですね。

── 2007年にはRX-RECORDSに移籍されましたよね。今回は移籍がきっかけになってのリリースなんですか? それともリリースしようと思った結果移籍を?

大塚:リリースしようと思った結果の移籍ですね。またCD出したいっていうのをUK PROJECTに相談しに行ったら、RX-RECORDSなら進みたい方向とやりたい方法が一番合うんじゃないかなって言われて。

── アーティストにとって移籍ってどんな気分なんですか?

大塚:あ、でも僕らはレーベル移動なんで。

── じゃあクラス替えみたいな感じ?

大塚:席替えくらいの感覚ですかね(笑)。でもRX-RECORDSの他のバンドは若い世代が多いので、そこが不安と言えば不安だったんですけど。仲良くしてもらえるかなって(笑)。

千秋:かなりレーベルの平均年齢あげちゃいましたから(笑)。

──『夜と太陽のDNA』というアルバムタイトルは曲が出揃ってから決まったんですか?

大塚:そうです。曲が出てからタイトルを決めようって話をして。言葉がどんどん増えていった感じですね。僕が“DNA”って言って、次に“夜”が出たんだっけ?

千秋:まあ()は「DNAだけでいい!」くらいだったんですよね。でも私は歌詞とかにもそんなに英語を使ったことがないから抵抗があったんです。でもDNAっていう意味を持たせたい気持ちもわかるし。どうやって“引き継がれていくもの”や“根本にあるもの”“核となるもの”って意味を入れていこうか? 思い切ってタイトルを全部英語にしようか? って考えたんです。『ナイトオブなんとか』とかだっけ(笑)?

大塚:ははは! ダサい(笑)!

千秋:あのときはイイって言ってたよ(笑)!?

大塚:うん、言ってた。でも今聞くとダサいなー(笑)。

千秋:最終的に“夜”と“太陽”。あと“歌”とか“鳥”っていくつかの単語の組み合わせになって。散々悩んでここにいきついたんです。

インドア派だからこそのアウトドアな歌詞世界

── 曲によってリードヴォーカルが大塚さんだったり千秋さんだったりしますが、どちらが歌うかはどういう流れで決めてるんですか?

千秋:イメージですね。男と女なんで、どっちが歌うかでだいぶ雰囲気が変わるじゃないですか? メロディがのった時にどういうイメージにしたいかで決めてます。今回のアルバムはどっちがメインヴォーカルかはっきりしてる曲が多いですね。前は結構ハモリやかけあいが多かったんですけど。

── かけあったりハモったりするのも、異性の声だとおもしろいですよね。

千秋:2人の声がいい意味で温度差があるじゃないですか? まあの声ってちょっと太いっていうか、決してきれいな声質じゃないと思うんですよ。私はどう頑張っても太い声って出ないから、そこがうまくバランスよくからみあえればというか。

── 千秋さんは話してるのと歌ってるので声の印象違いますね。

千秋:そうかもしれないです(笑)。話してるともっと「ギャップがある!」って言われますよ(笑)。歌詞を読んだ人からは「物静かな人だと思ってました」ってよく言われます。

── そうですね。神秘的な方をイメージしました!

千秋:あ、そんなようなことも言われます。もう素、わかりました!?(笑)

大塚:何の神秘性もないよな(笑)。むしろ原始的だよ!

千秋:そうそう。原始的です(笑)。

── 歌詞のイメージも原始的というか、すごくアウトドアな感じがするじゃないですか?

千秋:あー、実はインドアなんです(笑)。基本インドアなんで、たまーに大自然に出たときに受ける感動がハンパないんですよ! 普段は風にあたらないし、太陽も浴びないし。だから絶景の場所に行ったりすると、恥ずかしいんですけど涙出ちゃったりするんですよ。

── すごく景色のきれいな詞が多かったので、すてきな景色をたくさん見てるのかなと。

千秋:慣れてない分、ツアーで移動するときに車から見える景色だとかはすごく目に焼き尽くし、覚えておこうとしますね。

── 歌詞の出発点はそういう景色を書こうとすることですか? それとも感情に景色がついてくるんですか?

千秋:感情が先かな? 言葉選びをしてるときに、自然にまつわる言葉が出てきたりするんです。

── ヴォーカルの話に戻るんですが、最初は大塚さんが歌ったけど、やっぱり千秋さんでみたいなことってあるんですか?

大塚:今回のアルバムで1曲あったね。

千秋:『て の ひ ら』(M-13)って曲なんですけど。

大塚:僕がヴォーカルで1回録ったんですよ。

千秋:メロディができたときに、私が「これはまあに歌ってもらいたい」って。

大塚:途中でヴォーカルが変わるのは初めてですね。わりとバンって決まったままいくんですけど。

千秋:プリプロで録って聞いたときに違うかなって。私の中でこの曲の主人公は“僕”って言ってるくらいなんで男の子なんですよ。そういうのもあって、まあに歌ってもらおうと思ったんですけど、逆に女の私が歌ったほうがしんみりしたというか。

大塚:曲の空気感が変わりました。僕が歌うとちょっと強すぎちゃって。

── 出来上がった曲は儚い感じですよね。

千秋:そうそう! それです!! 私が歌ったほうが、力なく弱々しい感じでしっくりきて。最終的に自分の声にあわせてキーをあげて固まりました。

大塚:僕はゆっくりな曲を歌うことがなかったんで、やってみたいなーと思ってたんですけど。残念だなぁ(笑)。

── アルバムに収録されている『君をのせて』(M-11)のカバーは以前からやってたんですか?

大塚:ずっとライブのSEで使ってたんですけど、「カバーやりたいね」って言って、じゃあこれやってみようかって。

千秋:何かあると私は家で『天空の城ラピュタ』を見てしまうんで。

大塚:たまに予定になってるときあるよね(笑)?「私、今日はラピュタ見るから」って。

千秋:私、テレビがついてない状態で部屋にいるのって苦手なんですよ。でも絵を描くときとか歌詞を書くときとか、作業するときは音は流したくないし、何か創るときにはバラエティ番組とかじゃなくて好きな映像が流れてないとイヤなんです。いつも『風の谷のナウシカ』か『天空の城ラピュタ』か『ハウルの動く城』を見てるんです。ジブリが好きなんです(笑)。あと、ティム・バートンも好きなんで『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』とか『コープスブライド』とかも見ます。

── そう言われてみると、WRECKingCReWの音楽って『ラピュタ』とかジブリの映像や世界観に影響受けてるような?

千秋:友情とか性別を超えた愛情は常に大事ですから。生きていく中で……っていうと壮大すぎますけど、何かを感じるたびにリンクしてきます。歌詞のテーマも、ちょっとくさいけど愛だったり愛情を歌いたいと思うことが多いので。どうしてもジブリとは切っても切れないんです、自分の中で。

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