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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】BIGMAMA(2008年1月号)- 変化し、吸収し、削ぎ落とす。常に進化を続けるBIGMAMAの新たな挑戦

変化し、吸収し、削ぎ落とす。常に進化を続けるBIGMAMAの新たな挑戦

2008.01.01

06年7月にリリースされた1stミニアルバム『short films』が10,000枚以上のセールスを記録し、今やエモシーンの急先鋒となった"ドラマティックエモーショナルロックバンド"BIGMAMA。激音サウンドとどこかメランコリックなボーカル、そして随所に絡むバイオリンが独特な世界を彩る、まさに唯一無二なバンドだ。そのBIGMAMAがメンバーチェンジを経て初のフルアルバム『Love & Leave』を完成させた。07年が終わろうとしているまさに師走の某日、ボーカルギターの金井にバンドのこと、新作について、そして今後を語ってもらった。(interview:東 健太朗)

もっといいものを作れるというモヤモヤ

──BIGMAMA、祝Rooftop初登場ということで、まずは簡単なバンド紹介をしてもらいたいんですが。

金井:僕が高校の一年のときに学校の文化祭でTOTALFAT(注:TOTALFATのメンバーは同じ高校の2つ上の先輩)が体育館でライブをやってて、それをドラムのリアドと見て「やっちゃう?」っていう感じで。それで、リアドが「オレはドラムがいい」「それじゃ、オレは唄歌おうかな」っていう、キッカケはそんな感じですね。当時はバイオリンは入ってなくて4人で。

──バイオリンを入れたのは?

金井:高校3年の時の文化祭でイエロー・カードのコピーをやりたくて。ただ、バイオリンを入れたのは単純にイエロー・カードのコピーをやりたいというだけで、文化祭用という感じでしたね。それから、僕らは全員がエスカレーター式で同じ大学に入って4人で活動してたんですけど、「バイオリンいたの面白かったよね」「まだ日本で誰もやってないし」っていう話になって、バイオリンを入れて5人で改めてスタートしました。それからオリジナルの曲を作るようになっていくうちに本気になっていったというか…まぁそれも今考えると部活感覚に近かったかもしれないですけど。それで、大学3年のときに『short films』(06年7月)というアルバムを当時の5人のメンバーで出すに至りました。

──すごく分かりやすい説明ありがとうございます(笑)。それでその『short films』を出したときに、メチャメチャ反応があったと思うんですよ。

金井:そうですね。反響もすごいあったし、でも僕自身は作り終わってから「もっといいもの作れるぞ」って思ってたところがあったからこそ、モヤモヤはありましたね。自分で納得いってないものがあそこまで受け入れられてしまったモヤモヤもあるし…一概に「ヨッシャ!」だけではなかったけど、純粋に嬉しかったです。それが嬉しかったからこそ、今こういう道を選んでると思うので。

──具体的にどういう部分が納得いかなかったんですか?

金井:僕らは高校まで楽器をやったことないような素人が5人集まって、それでレコーディングして…。最初は、環境のいいところでレコーディングをやらせてもらったんですけど、その環境を全くもって生かしきれていなかったというか。知らないことが多すぎて完全に“出たとこ勝負”というか、それぞれがそれぞれの音で録って、合わせてミックスして…で、出来上がったら案の定ゴチャゴチャしてました、みたいな。ひとつの作品としては自分でも納得してるんですけど、そこで満足するに値したかというとそうではなかったと。でも、レコーディングをしなければ気づかなかった部分もすごいあったし。だからあの時点であのアルバムが出せたことは今でも間違ってなかったと思ってます。

メンバーチェンジによる心機一転

──メンバーチェンジに伴う活動休止状態に入ったのが、そのアルバムが出てすぐでしたよね。

金井:まぁそれはぶっちゃけると交通事故みたいなもので(苦笑)。メンバーの不仲とかでもなく、やっぱり学生だと“本業はあくまでも学業”っていう感覚があったんです…僕もそうだったんですけど。でも実際CDを出したときに嬉しかった反面、いろんな人が動いてくれてる責任感とか重みを感じて「もっと本気でやらなきゃ」って、このまま終わるのは無責任な気がして。で、残った2人(柿沼、リアド)も同じような思いでいることも感じてたし。僕の本心としては5人で一緒に1枚アルバム作ってツアーで全国を回ったら、きっと考え方も変わってくれるだろうってどこかで信じてて…。もっと真剣になってくれるだろうと思ってたところもあったんですけど、やっぱりツアーファイナル終わっても変わってなくて、「就職活動したいからライブ入れられません」って言われたときに、そこで一度気持ちをリセットしようかなと思って。

──でも、結構早めに活動再開しましたよね?

金井:ツアーのファイナルが(06年)9月の前半にあって、ライブがリスタートしたのが翌年の2月のリキッドルームなんです。実際メンバーが決まっていたのは11~12月くらいなんで、活動休止って言わなきゃよかったっていうのが本心なんですけど(笑)。でも、僕は楽器が変わったから特にそうだと思うんですけど、全く違ったバンドを新しく始めたような感覚で。それまで僕はギターをちゃんと弾いたことなかったんですよ(注:金井はメンバーチェンジの前はヴォーカル&ベースだった。現在はヴォーカル&ギターを担当)。でも、ストリングスが一本あったらギターはシンプルなものでいいだろうっていうのがあったし、元々人間的にも仲が良くてBIGMAMAというバンドをずっと知ってくれてる安井(ベーシスト)が入ってくれるっていうのを分かった上で「ギター始めます」って言ってギターを買いに行くっていう、そういう経緯もあったんです。

──スゴイですねー。

金井:スゴイんだかバカなんだか分かんないですけどね(苦笑)。でも今思うとそれだけバンドをやりたかったんでしょうね。だから、世の中的には“活動休止”ということになってますけど、楽器の練習もあったので休んだ記憶はないですね(笑)。

──そんな短い活動休止を経て、次のシングル『BOYS DON'T FLY』(07年6月)のリリースになるわけですけど、これも短いスパンですね。

金井:そうですね。ただこれは僕が発した提案だったんですけど、僕を含めバイオリン以外の4人が今大学4年生で、卒業するまでに一区切りしたかったんです。今年のプランを自分なりに考えてて、12月にアルバム出してツアー回ってツアーファイナルを4月のアタマにやって、そこで“学生兼ミュージシャン”に区切りをつけたいっていうのがあって。でも、さっき言ったCDを出したことによる喜びと責任感を、新しく入ったメンバーにも感じてほしくて、だからすぐシングルを作らせてもらったんです。で、シングルとアルバムの間が空きすぎるのはどうなんだろう、ってなって「じゃあ、間にもう1枚出します!」っていう、07年に関しては初めからレールを敷いて。

──とは言いつつ、短い期間でバンドをまとめたりするのは大変だったんじゃないですか?

金井:今年に関してはもう、やりましたね。少なくとも、残った3人より技術的に優れた2人が入ったんで。上手い人が入るとやっぱり自分が下手なのが分かるので、元からいた3人は自分のケツを叩くようなイメージで必然的にレベルアップせざるを得なかった部分もあるし。だから、今年はシングルとかも含めて何回もレコーディングしてるんですけど、その度に学ぶことがあったり。4回に分けてレコーディングしたんですけど、4回目が一番よかったねって今でも言えるし。だから、聴く人にとっては1枚のアルバムなのかもしれないですけど、僕にしたら一年間の道のりなんですよね。

足し算ではなく引き算

──今回のアルバム『Love and Leave』を聴いて、よりスリムになったなって思ったんですよ。「前作はゴチャゴチャしてた」ってさっき言ってましたけど、そこからかなり削れた感じというか、広がったなーって。

金井:そうですね、メンバー各々がより楽器のことを知ったり、聴かせたいって思うものができたときに誰かがそれをサポートしたり、誰かが引いて誰かを出すっていう作業がないと出したいものそのものも出ない、というか…。実は、前のメンバーで録った曲を今回録り直したときに、アレンジとかは変わってなくて、何が変わったかというと、なくなったものが結構あるんですよ。要するに、今の5人が出した結論は“足し算”じゃなくて“引き算”だったんです。それは、楽曲全体のバランスをとってもそうだし、そうした方が聴くときにリラックスして聴けるというか…。ちょっとゴチャゴチャしたものって聴こうと思って聴かないとなかなか聴こえてこなかったりするじゃないですか。それよりも根本的なことを見つめ直したときに、自分で聴きたいものや、作りたいものっていうのは“スッ”と入ってくるものが望ましいと思っていたので。そう思ってたものが出たのかな、と。

──なるほど。それでは、アルバム完成したばかりではありますが、これからBIGMAMAはどんなことに挑戦したいと思ってますか?

金井:最近思ったのが、イエロー・カードのコピーから出発したバンドだからこそだと思うんですけど、それこそ“唯一無二の存在”になりたいですね。バンドって僕が思うに2種類のタイプがいると思っていて、ひとつは絶えず新しいことに挑戦し続けていくバンドで、もうひとつは同じことをやっていくことがかっこよさになるバンドがいて。で、その同じことをやり続けて成功しているバンドはいろんな音楽を踏襲した上で、「これがかっこいい」と思ってやってる人が成功しているだけであって。少なくとも自分たちはそれに値していなくて、常に何か変化し続けていろんなものを吸収してもっといいバンドにならなきゃと思ってるんで。それを進めていく上で、今回のアルバムが自分たちなりにひとつの軸になったと思うんですよ。で、次のステップを考えるときに、その軸にどんな枝や葉を作品ごとに意識してつけれるかという。“唯一無二の存在でありたい”と言うなら、常に新しいことにチャレンジしていけたらなと思ってます。

──現段階で具体的に“こういうことにチャレンジしたい”っていうのはありますか?

金井:そうですね…。ひとつの作品を、サウンド的にも歌詞的にも世界感的にも全てリンクさせたものが作ってみたいですね。あと、少なくともストリングスを取り入れてるバンドが今の日本にあまりいない中で、ストリングスの音色とかでいろんなチャレンジをできたら新しいものができるんじゃないかなと。それと、昨年は先にスケジュールがあって、曲を作ってきたところがあったんですけど、08年はライブとかツアーで曲を育てていきたいですね。今はその準備段階です。

──今ちょうど話が出ましたが、2月に地元の八王子からツアーがスタートしますね。どんなツアーになりそうですか?

金井:今、自分たちがいかに良いライブをするかというか、各々の技術のレベルアップは当然なんですけど、ライブでその日に何を表現したいのかっていうのを見つめ直す時期でして。そのライブでその空間をどうしたいのかを自分たちで考える時期。言葉にするのは難しいんですけど、頭に描いてる絵をどうライブと一致させて、どう空気を作っていくかっていうところに関して、今自分たちの実力が追いついていないんですよ。なので、それを実現させるためにどうするの? っていうのが今のバンドに一番必要なことだと思うし。それをツアーの初日までにメンバー間でまとめて、完成させなきゃですね。そして、お客さんには楽しんでほしいし、楽しみにしてほしい。ライブバンドって絶対に言われたいですからね。

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