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INTERVIEW

トップインタビューRadio Caroline ('06年9月号) - すべてを出し切り、乗り越えるべき壁を乗り越え到達した至高の作品『HEAVY GLITTER』

すべてを出し切り、乗り越えるべき壁を乗り越え到達した至高の作品『HEAVY GLITTER』

2006.09.12

 Radio Carolineの3枚目のフル・アルバム『HEAVY GLITTER』は、PATCH(vo, g)、ウエノコウジ(b)、楠部真也(ds)という個性的なミュージシャン達のエゴと音楽的な欲望が有機的に結びついた作品となった。 前作『ALL-OUT』における生みの苦しみが糧となり、より自由度を増したことによって、楽曲の幅は一気に拡大。 ロックンロールという音楽の多面性をカラフルに表現することに成功しているのも、このアルバムの特徴だろう。 衝突とトライ&エラーを繰り返しながら辿り着いた(現時点での)最高傑作『HEAVY GLITTAER』について、3人のメンバーそれぞれに話を聞いた。(interview:森 朋之)

PATCH(vocal, guitar)

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PATCH(vocal, guitar)
35歳にして、ようやくシンプルなロックンロールができるようになった

1曲1曲、適した音でやろうとした

──ニュー・アルバム『HEAVY GLITTER』完成、おめでとうございます。

PATCH:いやいや、ありがとうございます(笑)。

──収録されてる曲は、すべて新曲ですか?

PATCH:うん、そうだよ。マキシ(『TWISTIN' HEAD』)はもう出ちゃってるから、新曲とは言えないかもしれないけど…。なんで?

──いや、一気に楽曲の幅が広がったなと思いまして。

PATCH:あ、なるほど。今回はいろいろ考えながらやったような気がしてて、それも関係してるのかも。でも、ホントに新しい曲ばっかりなんだよね。今まではツアーやってる時に新しいのが2~3曲出来てたんだけど、今回はまるっきりなかったし。

──『ALL-OUT』のツアー自体は、どんな感じだったんですか?

PATCH:アルバムを作り終えてから、すぐにツアーだったんですよ。だから、ライヴをやりながら練っていった感じだったんだよね。こんなこと言うと申し訳ないけど、最後のリキッドでようやく、“あ、こんな感じか”っていうのが掴めた(笑)。ツアーが終わったのが11月くらいで、そのあとはもう、何もやってなかったんじゃないかな? 曲も全然出来なかったし。

──そういう時期って、音楽も聴かないんですか?

PATCH:や、そんなことないよ。えーと、何を聴いてたかなぁ…。あ、そう、ルースターズのボックスとか聴いてました。あれ、ボツテイクとかも入ってるんですよ。それを聴きながら“なるほど、これじゃあボツになるかもな”とか思いながら。まぁ、友達と呑む時のネタみたいなもんですけど。

──今の話を聞いたから言うわけじゃないんだけど、今回のアルバムにはルースターズを思い出すような曲もありますね。

PATCH:ありました? どれ?

──「LAZY」とか。

PATCH:あ~。こういう感じの曲は今までにもやろうと思ってたんだけど、なかなか出来なかったんだよね。今回はうまくいきました。

──シンプルなロックンロールだし、歌もしっかり前に出てて。

PATCH:ここまでやるのはちょっと恥ずかしかったんですけどね、実は。もっと適当にというか、ラフにガーッとやろうと思ってたんだけど、2人(ウエノ、楠部)が「いい曲だから、もっとしっかりやろうよ」ってことになって。35歳にして、ようやくシンプルなロックンロールができるようになりました。

──ははははは。シンプルなものほど難しいのかもしれないですね。

PATCH:うん。頭でっかちっていうか、単純なことをやるのは恥ずかしい、っていう……なんかね、余計なことをやりたがるんですよ。余計なことっていうと違うかもしれないけど、みんなで曲を作ってる時に「ここでサビが来るのは普通だから、ちょっと違う構成にしよう」とか、単純に“A(メロ)、B(メロ)、サビ”っていうんじゃなくて、途中に他のことを入れてみたり。まぁ、「LAZY」に関して言えば、やるんなら思い切って振り切る、ってことかな。全体的に今回は“1曲1曲、適した音でやろう”っていうのがあって。

──1曲目の「PUMPKIN JOE」なんて、めちゃくちゃヘヴィだし。

PATCH:そうね。ビックリするよね、普通の人が聴いたら。“なんだろう、これ?!”って。

──(笑)。あと、ヴォーカルのメロディ・ラインもしっかり際立ってますよね。

PATCH:もともとポップなものは好きなんですよ。ちゃんとメロディがあるもの、というか。ただ、今まではそういうものが作れなかっただけで(笑)。今回もウエノさんにいろいろと教えてもらいました。

──ん? 何を教えてもらうんですか?

PATCH:だから、メロディ。ウエノさんは唄わないけど、メロディに対して「こうやればいいんじゃない?」っていうアイデアがある人なんですよ。俺があやふやに唄ってたりすると、「この音まで上がったほうがいいんじゃん?」とかって。

──割とノリで唄っちゃうタイプだったりします?

PATCH:そうそう。まぁ、適当だからさぁ(笑)。でも、凄く参考になりますよ。そうか、こういうことを考えなくちゃいけないのかっていう……やっぱりさぁ、ミッシェル・ガン・エレファントとギョガン・レンズって、桁が違うじゃん? 考えてることが違うんだなってことが判りました。さすがです…って、こんなこと言わないほうがいいか(笑)。

──でも、曲を作る時はPATCHさんもいろんなことを考えるわけですよね?

PATCH:うーん…。俺は結構、“~っぽい”だったりしたんだよね、今まで。それっぽい感じになればOKっていう。最近ようやく、それ以外のことも考え始めました。

──ギターに関してはどうですか? 「BORING ROXY TIME」とか「MUSIC IS OVER」とか、ギター・ソロが印象的な曲も多いですが。

PATCH:ね! ギターはホント、結構考えてますよ。『ALL-OUT』まではノリ重視だっ??たから。スタジオに行ってから、その場の思いつきで弾いたりしてたし。メロディを追うのって楽しいんだな、ってことも初めて気づきました。いや、いろいろと変わりましたよ。バンド人生10何年を過ぎて。

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