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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】鉄と鉛(2006年9月号)-"NEW DAYS"+"NEW MUSIC"+"NEW DANCE"="GOOD MORNING MUSIC!!!!"

“NEW DAYS”+“NEW MUSIC”+“NEW DANCE”=“GOOD MORNING MUSIC!!!!”

2006.09.01

実は幻の1枚があったんです

──気が付けば前回のアルバム『emotional High-King』から2年も経ってしまいました。昨年9月には下北沢シェルターでワンマンをやっていただき、待ちに待った2年ぶりのアルバム『GOOD MORNING MUSIC!!!!』がリリースされるわけですけど、このアルバムは文字通り“新しい朝”、鉄と鉛の新しい一面を出そうというコンセプトで作られたんですか?

井上貴博(Vo):新しいというよりも、見直すというか原点回帰というか、もう一度向き合うという感じですね。

──見直しの時期に入った?

井上:音楽的にも去年の9月のワンマン以降、バンド内で話す機会が増えたんですよ。

──以前は、バンド内の話し合いは頻繁になかったんですか?

鞍本武史(Dr):年に1回ぐらいドンパチはしていたんですけどね。話し合いの内容にもよるけど、前は音楽の話もありつつも違う話もありつつで、音楽に対してちゃんと話すという機会があまりなかったんですよ。でも今年に入ったぐらいから、4人がちゃんと音楽に向き合って話し合いをしたんです。そういうことも含めて、グッドモーニング的とか夜明け的な意味合いがありますね。

──今回のアルバムは『emotional High-King』に比べると、ファンク色と粘着質がより増してサウンドがぶっとくなった感じですね。だから原点回帰というか、パワーアップしたのかなっていう印象を受けたんです。

柴原初(G):
それは幻の1枚を経てきてるから的なところもあるのかもしれないですね。

──えー! 幻の1枚って何ですか? 幻の1枚があったんですか!?

鞍本:実はあったんですよ(苦笑)。

──その作品はナゼにお蔵入りになってしまったんですか?

濱野智成(B):その時の最高の音楽ではあったんですけど、タイミングが合わなかったというか…。出来た当時は納得がいってたんですけど。

──今作の『GOOD MORNING MUSIC!!!!』に比べて、冷静に聴いてみるとちょっと弱いと思うところがあったとか?

濱野:弱いかなぁ。

鞍本:遠慮してるなってところはあります。

井上:まずメロディーを出さなあかん、歌を出さなあかんとか、色んなものに縛られながらやってた気がしますね。

濱野:『emotional High-King』は東京に出てバンドをやっていくってなった時の延長にあったんで、勢いをそのままカタチにしたというところがあるんですが、幻のはイヤイヤやったわけでもないし、後悔するものではないと僕は思うんだけど、結果的に幻になってしまったんですよ。

──幻のアルバムに収められた曲は今でもライブで結構やってるんですか?

井上:数曲は…。

──その幻の1枚を踏まえて、『KANOJO'S Piano』(M-2)の歌詞にもある通り、“NEW DAYS”“NEW MUSIC”“NEW DANCE”と、とにかく“新しさ”っていうのが全面に出てますね。

濱野:ほんまやな。

井上:ほんまやで。

──歌の焦点が絞られてきた感じがありますよね。

井上:そうなんですかね。

──鉄と鉛ってファンクっぽいサウンドが強みだと思うんです。それで、今回しっかりと“歌”が軸としてある感じがしたんですけど。

井上:今回はどうなんやろ。特に気にしてはないというか…(苦笑)。

鞍本:全曲ミラクルやもんな。作り方も全部違う。

──いつもどうやって曲ができるんですか?

井上:ジャムに大方乗せるやり方と、僕がメロディーを出してそこに付け足してもらうっていう感じですね。

鞍本:けっこう俺が楽にやりたいからスタジオだけでやらないし、家で飲んで曲作るようになったり、いろいろやってるよね。5年も6年もやってるけど、今年めちゃくちゃ仲良くなったんですよ。バンド内の意識としてもう少し歩み寄ろうっていうところから始まって、単純に仲良くなってスタジオが自然と楽しくなったりとか、根っこの部分から仲良くなり直しましたね

03_ap01.jpg──それまでの鉄と鉛は殺伐とした空気でってこと?
鞍本:奥底は…(笑)。

濱野:端から見ると仲がいいって言われるけど、幻のアルバムのところで言うと、各パートが「俺はここまで!」っていう凌ぎ合いがあったんですよ。自分の担当以外のところは無関心、みたいな。でも今回は攻めて攻めて、いい意味でぶつかり合いたい。そういうところで音楽したいっていう意識があったから、ディスカッションが4人の中で余計にあったんですよ。

──音で対話するというか。

鞍本:前のアルバムはドラムとベースが完璧かもしれないけど、柴原のギターができてないっていうのが印象的だった。そういう点で言うと、僕はギターのことほったらかしだったんです。ベースの智成とばっかり音を作ってて、それが根本的におかしかったんですよね。

──柴原さん、ギターはできてなかったって言われてますけど…。

柴原:一緒に曲作りしてる感じがなかったですね。幻のアルバムの時も個々で作り上げていく。ボーカルはアルバムの全体の世界観を膨らませて、ベースドラムは詰めるとこは詰めて、ギターはギターでやってた。だから曲自体も全然詰めることをしてなかったんです。

──メンバーが個々人でアルバムを仕上げたビートルズの“ホワイト・アルバム”みたいですね。

全員:
そうやそうや(笑)。

柴原:だから、“これって曲作りなのかな?”っていう疑問はありましたね。

濱野:話し合いができてなかっただけなんですけど、それが積もりに積もっていったんです。だから、わだかまりをつぶす作業をしたら気持ちよく曲作りができた。4人が歩み寄っていけば、たぶんいい曲ができるんだと思う。

──幻のアルバムがあったからこそ、いい意味で危機感が生まれたのかもしれないですね。

濱野:そうかもしれないですね。幻のアルバムが出来て実家に持って帰ったとき、うちのオヤジは昔からベースをやっていてるので、普通にダメ出しするんですよ。「これはお前等がやらなくてもいいやろ」って(笑)。

鞍本:どっかで思とったことではあったんですけど、「言われた~!」って(笑)。

井上:うちのオヤジは音楽とか全然わからないんですけど、智成のとこのオヤジと同じで「お前は何しに東京行ったんや?」って。

──そんな話を聞くと余計に聴きたくなりますね。ということは、身の丈に合ってないことをやろうとしていたってことなんですかね。

濱野:これマジな話やけどな。今年に入ってスタジオで話したときに、4人で「やったろうや!」って言ってやったじゃん。東京に出てきて事務所もついて、俺等が思う曲を好きなように作ったら誰にも負けへんやろって。幻のアルバムは悪くないんですけど、ああゆう雰囲気で曲作りをした作品が出来たとき、普通やし負けるんちゃう? ってみんなどっかで思ってたんです。でも、自分らで作った曲だから「悪い」って一言で終わらせたくない。でも今回アルバムができたら「ええやん!」ってなるし、ライブで前のアルバムの曲やるよりはテンションも上がるし、意識が違うよね。

──そういう意味で転換期っぽいところに繋がるわけですね。

鞍本:「井上だって好きで歌ったらええやん」って言うて。

井上:『Curly Ron』(M-3)は歌詞がなくて昔からでたらめに歌ってた曲なんですけど、6年越しでようやくCD出すとなると、周りから歌詞のことも言われるじゃないですか。わかりやすいのがいいとか…。今回全曲そうだったんですが、歌詞を書くっていう作業ではへこたれるぐらいへこたれたんですよ(笑)。それで、もうあかんって思って練習の時に言うたんです。

鞍本:レコーディングの直前でしたね。

濱野:俺等ははっちゃけてるのに、ボーカルが「バンドも事務所もどっちも肩もちたい」って言ったから「そういうのじゃないやろ。何しにきたん!」って。ここまで来て、そういう話になったからすごく違和感はありましたね。

鞍本:その時井上にメンバーが珍しくちゃんと言ったんですよ。

柴原:それで道が開けたんだよね。

鞍本:俺等4人が好きな曲作って「かっこいいね」っていう話をスタジオでしたんですけど、そういうコミュニケーションが今年はすごく多かったんです。曲作りも下地が出来てたからその曲作りどうなん?ってういうのもないし。迷いがなかった。

──確かに、吹っ切れた感じがありますね。いつだってやんちゃな鉄と鉛でいいんじゃないかっていうか。

井上:身の丈にあったというか、背伸びせんでもいいしって。

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