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トップインタビュー【復刻インタビュー】FRONTIER BACKYARD(2006年6月号)- BASIS──開拓者達の探究心と欲求が満たされた快楽の傑作

BASIS──開拓者達の探究心と欲求が満たされた快楽の傑作

2006.06.01

彼らの長いバンドマンとしての経歴の中で、これだけ落ち着いた口調で「傑作です」と言ったことがあったかどうか、自分には判らない。だが、間違いなくその自信が感じられる話し振りであった。これまで築き上げた基盤を踏まえた上で常に前へと進化を続けるバンド、FRONTIER BACKYARDが1年9ヶ月振りに待望の2ndアルバム『BASIS』を完成させた。6月23日のリリースを前にメンバー3人を直撃した。(interview:植村孝幸)

曲作りは自分の引き出しをガラガラ出すイメージ

──今回はレコーディング期間が9ヶ月に及んだそうですが、練りに練っての作品という感じなのでしょうか?

TGMX aka SYUTA-LOW TAGAMI(vo/以下、TGMX):そうですね。ライヴと並行して毎日のように3人でスタジオに入って、実際に音を出して作る作業をしてから足掛け1年半くらいですかね。だいたい1ヶ月に1曲のペースで。それを9ヶ月掛けて録った感じです。

──では、20曲前後は曲を作られた感じで?

TGMX:今回のアルバムが11曲収録なんですけど、だいたい15~16曲はあったと思います。

──その中から11曲を選び抜いた感じですか?

TGMX:いや、何となく16曲くらい並行して作ってたんですけど、それだと何か決まんないな、って。それである程度のところで11曲に決めて詰めていく作業でした。

──アルバム・タイトルの『BASIS』は“基礎”とかそんな意味だと思うんですけど、込められた意味は?

TGMX:4曲目の歌詞に「MUSIC IS A BASIS」っていうのがあって、そこから引っ掛かって付けた感じです。特に意味はないんですよ。聴き手の人には空想的な話だし、余りこっちで決め付けないほうがいいと思って。

──これが自分達の基本、スタンダードだぞって意味で『BASIS』なのかな、と思いましたが。

TGMX:いやいや、全然。もちろんそう思って頂けたら、それはそれで全然構いませんし。

──1stは完全に3人で作られたみたいですけど、今回はライヴのサポート・メンバーでもあるチャーベさん(松田岳二/CUBISMO GRAFFICO)と(古川)太一さん(riddim saunter)も加わって作られたのですか?

TGMX:そうですね。よりライヴに近いアレンジで録りたかったのと、いろんなカラーがあっていいかなと思って参加してもらいました。バンドの核となるのはこの3人なんですけど、サポートの2人にもいろいろ相談したりして録った感じですね。

──このアルバムの前にリリースした『Backyard Sessions #001』は、先行シングルというよりは一種の企画盤って感じなんですか?

TGMX:形的には先行っぽくなっちゃったんですけど、そっちはそっちで。シングルは遊びの感覚で、僕らの趣味的な感じで違う形を??提示していけたらな、って。アルバムとはまた違う発想で遊び心を…と思って作ったのがシングルで、まぁ、やりたいことをやった感じですね。

──アルバムには真ん中にインストの曲が入ってるんですけど、これはレコードでいうA面、B面の役割なのか、それとも真ん中のブレイクみたいな感じなのですか?

TGMX:実際、そんな感じに結果的にはなってますけど、そこで仕切り直しって意味でもなく…フロンティアとしては初のインストなんで、最初のほうでもなく最後のほうでもなく…っていう感じの曲順で考えました。

──完全に今回のアルバムの為に作った11曲なんですか? 1stの頃からあった曲もありますか?

TGMX:もうイロイロです。中にはSCAFULL KINGの頃からあった曲というかメロもあって、もう古いものから最新のものまでイロイロありますね。でも、基本的には全部書き下ろしです。部品としては、みんなが持ち寄るネタとかフレーズは前からあったかもしれないですけどね。

──じゃあ、それをスタジオに入って詰めていった感じで?

TGMX:それを詰めていくっていうか、スタジオで自分の持っている引き出しをガラガラって出すイメージですね。こんなのもあるし、あんなのもあるよって感じで。それでフレーズも発想が広がれば広げていって、広がらなければまた自分の引き出しに戻して、って感じで。

──普段から曲の作り方はそんな感じなんですか?

TGMX:それもイロイロですね。持ち込んでやる場合と、スタジオで何となくやってたら出来始める場合もあるし。

──まだライヴでは全部は披露されてない?

TGMX:全部はやってないですね。

──では逆に、ライヴで披露されてるほうが古い曲?

TGMX:いや、別にそういうわけでもなくて…どういう順番で録ったのかもあんまり覚えてないですね。何となくこれは古い、新しい、くらいは覚えてますけど。2曲目の「planet of contradiction」とかは早めに録った気がします。

福田“TDC”忠章(ds/以下、TDC):うん、それは最初に録った。

TGMX:最初だっけ? サビの部分とかは1stの頃からケンジのネタとしてあって、それにTDC君の持ってきたネタと僕の持ってきたネタを出しながらスタジオで合わせて調整していくっていう面白い作業でもあり、大変さもあり。

あえていうなら『Backyards Sessions』は実験、『BASIS』は完成形

──1stに比べて今作にはテーマみたいなものはありますか? 今回のアルバムはFRONTIER BACKYARDのよりポップな部分が出てきたと思うんですよ。全然聴いたこともない人も凄く取っ掛かりやすいというか、聴きやすい感じがしましたが。

TGMX:長く作業をやっていたぶん、要らないものとかが削られてますよね。時としては“ここは音が薄いから入れていきたい”ってなるんだけど、時間を掛けたぶんシェイプアップされてますね。あとはやっぱり、3人ともポップなものが凄く好きなんですよ。

TDC:ドラムに関しては、前作よりはクリアというか、よりシンプルにしたっていうのはあります。前作が結構細かいことをや??って、ライヴとかでも余り伝わんないなっていうのが判ったので。

──アルバムとシングルは同時に録ったんですか?

TGMX:まぁ、被ってはいましたね。9ヶ月録ってたんで。でも、シングルをやりたいなっていう発想も同時にあって…で、the band apartの荒井(岳史)君にやってもらったんです。その「Wish」って曲は僕の中でthe band apartのイメージだったんですよ。折角やるなら荒井君本人に唄ってもらおうと思ったら実現して、シングルのラインナップは「Wish」を中心に考えました。だからシングルはシングルで、アルバムの作業とは別に考えて録りましたね。割と打ち込みっぽかったりもするし。

──アルバムではその「Wish」をご自身で唄われてますけど、プレッシャーはありましたか?

TGMX:いやぁ、メチャメチャありましたね。荒井君は歌が巧いので、やっぱり自分で唄うよりも荒井君のほうがハマってるなぁって思っちゃうので。

──でもあれはあれで、2人の掛け合いがとてもいいと思いますよ。

TGMX:ありがとうございます。

──『Backyard Sessions』に関しては、“#001”って付いてるくらいだから今後も継続してやっていく感じですか?

TGMX:そうですね。また実験したいこととか遊びたいことがあったらやりたいです。

──ネタはまだまだたくさんありそうですよね。

TGMX:そうなんですよ。ネタとかはあるんですけど、実現できるかが判んなくて…。あと、それを自分達の全てと思って欲しくないなぁ、と。それはホントにごく趣味的な感じで…だからどうしても聴けとは言わないし、ただ違う面も見せていきたくなるんですよ、長くバンドをやってると。

──『Backyard Sessions』で試したことを次のアルバムに反映することもありますか?

TGMX:そうですね、それもあるでしょうし。そういった意味であえていうなら『Backyard Sessions』は“実験”、アルバムは“完成品”というカテゴリーになるんでしょうね。

──曲順とかは?

TGMX:ヴォーカルなんで僕なんですけど、ライヴの曲順とかも相談して決めてて、今回は何となくライヴっぽさを出せたらな、と。このままの曲順でやってもいいな、っていう感じで。最後の「turned back」をKENZIが「これがいい」って言ってて、そこをゴールとして流れを考えて。実はもともと1曲目は他の曲にしてたんですけど、そこをゴールとした場合を考えて変えたりとか。だから今回の11曲はどれも推し曲ですね。商業的には前半にいい曲を入れるみたいですけど(笑)、僕らの中ではデッカく見てトータルで1曲って感じで捉えてるんで。

──アルバムのジャケットが凄く印象的ですよね。

TGMX:デザイナーさんに音を聴いて頂いて、任せました。

──フロンティアの音のスケール感がよく出ていて、凄くいいなと思いましたが。

TGMX:ええ。メチャクチャ恰好いいですよね。

KENZI MASUBUCHI(g):1stがバンドの名前で作ってて凄い気に入って、次のを連想させたいなと思ってて。だから色調とかは似??てますよね。

TGMX:明るいような暗いような、激しいような静かなような……。

──どことなくフロンティアの音楽を象徴してますよね、壮大感とか。これといって固執している色でもないし、見方によって変わるというか。

TGMX:そうなんですよね、そのどっちでもないところがいいなぁって。

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