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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】楳図かずお×ダイナマイト和尚(浅草ジンタ)×増子直純(怒髪天)(2006年5月号)- 異形のアウトロー、猫目小僧が奇跡の実写映画化!

異形のアウトロー、猫目小僧が奇跡の実写映画化!

2006.05.01

1955年のプロ・デビュー以来、半世紀に亘りホラー・コミック界の第一線を行く楳図かずお。その想像力溢れる物語と、観る者を恐怖の底へと突き落とす独創的な表現力によって、数多くのファンを魅了してきた。そんな楳図漫画の大ファンであるという浅草ジンタのダイナマイト和尚、怒髪天の増子直純が、映画『猫目小僧』の主題歌「あしゅらの道のまん中で」で楳図本人とまさかの共演が実現! これを記念してグワシッ!! な豪華三つ巴鼎談を敢行したのらー! ギョエー!!(interview:椎名宗之)

“ダーク・ヒーロー”のはしり、猫目小僧

──この度、目出度く実写映画化された猫目小僧ですが、楳図先生の作品の中でもとりわけ異色のキャラクターですよね。

01_ap01.jpg楳図:そうですね。“猫目”というくらいで、目がこの話のテーマではあるんですけど、僕が最初どこに着眼したかって言えば、やっぱり目でしたよねぇ。夜の真っ暗闇の中でも見えるという、そこが魔力ですよね。そんな目があれば欲しいなっていう発想からこの猫目小僧になっていったんですけど。はっきり言って、僕はキャラクター作りに長けた漫画家ではなくて、お話中心でずっとやってきたものですから、どこかでキャラクターが際立った主人公が欲しいなってずっと思ってたんですよ。

──でも、たとえばへび女もキャラクターとして秀でた主人公のひとつだと思うんですけれど。

楳図:ええ。ただあれも、主人公としてはちょっと相応しくないかなぁというのがありまして(笑)。

──今回の映画化は、円谷エンターテインメントからのオファーから話が始まったんですか?

楳図:そうです。円谷さんということは実写だろうと思って、僕の頭の中では猫目小僧=ウルトラマンみたいな発想で繋がっていたんです。だから、ウルトラマンみたいに着ぐるみの猫目小僧がステージで暴れ回るのも面白いんじゃないかと思ったんですよね。

──以前、猫目小僧が映像化された時(1976年、『妖怪伝・猫目小僧』として当時の東京12チャンネル/現・テレビ東京で放映)は、切り絵に特殊視覚効果を交えて撮影された“ゲキメーション”という形でしたね。

楳図:はい、“動く紙芝居”っていう感じでした。今回はそこから命が吹き込まれて、現実的な形に少し進化したかなぁと思いますね。この映画がヒットして──って、もう勝手に決めてますけど(笑)──今後、猫目小僧が生命を持ったリアリティのあるキャラクターとしてどんどん発展していったら嬉しいですね。その足掛かりとして今回の映画があると僕は思ってます。

──和尚と増子さんは、今回の『猫目小僧』をご覧になって如何でしたか?

01_ap02.jpg和尚:本当に先生の仰る通りで、命の吹き込まれた、進化した猫目小僧でしたね。猫目小僧というのは、自分の中ではずっと前から自然とそこに居たような存在なんですよ。一介のファンとして、本当に愛すべきキャラクターだと思っているし。最初に読んだ原作の漫画が、凄く想像を掻き立てられるような素晴らしい作品だったんですよね。漫画が“ゲキメーション”になって、今度はこうして実写化されたのはとても自然なことだと俺は受け止めてますよ。ここからもっともっと発展していってほしいし、それこそハリウッドまで行ってほしいですよね。

楳図:そうですよねぇ! 本当にそうですよ!

増子:俺、『猫目小僧』は元の単行本と愛蔵版までちゃんと持ってるし、まんだらけ限定の猫目小僧のフィギュアも発売日前に予約して買ってますから。

楳図:ありがとうございます! 今、ここに集まった3人が全部の世界だとすると、『猫目小僧』は全人類から評価されてるわけだから(笑)、この映画がヒットしないわけがない!

増子:『猫目小僧』がまさか実写になるとは思わなかったんですよね。今度の映画は、小学校の時に初めて読んだ『猫目小僧』から受けた怖さって言うか、いわゆる洋モノ的な怖さじゃなくて、暗がりの中で妖怪がそこに佇んでいるような怖さが映像に出てるかな、とは思いましたね。

楳図:そうですよね。猫目小僧が生まれたのは奈良県にある大谷ヶ原の山の中で、日本古来の情念みたいなものが形となって現れたという設定ですからね。理屈的な言い方をすると、猫目小僧は自然が生んだ具象なんですよね。

増子:猫目小僧は良い子のヒーローでは全然ないし、そんなにイイ奴でもないところが俺は凄く好きなんですよ(笑)。

楳図:ええ、そこが一番のミソなんです。

増子:ホントに自分のやりたいように勝手にやってますからね。自己犠牲皆無、自分がイヤだったら「もう知らねぇよ!」って逃げちゃうだけですから(笑)。

──いわゆる“ダーク・ヒーロー”のはしり、ですよね。イタズラやつまみ食いも大好きだし(笑)。

増子:そうなんだよ。人間のために何とかしようっていう気持ちもないしね。

和尚:まるで猫そのものですよね。イヤになったらプイッとそっぽを向くような。

増子:あと、実写になって観ることができて良かったと俺が一番思ったのは、猫目小僧自体よりも“ないない”(元は猫目小僧が杖として使っていた折れた木の枝で、永年連れ添ううちに感情が芽生えて妖怪化した)なんですよ。

楳図:そう! “ないない”は僕も凄く良かったと思いましたよ。

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