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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】BALZAC(2006年3月号)- やりたいことをひとつずつ一生懸命やっていくと、それが次に繋がってくる

やりたいことをひとつずつ一生懸命やっていくと、それが次に繋がってくる

2006.03.01

 昨年は、ミニ・アルバム『DARK-ISM』をリリース後に国内ツアーはもちろん、2度目のヨーロッパ・ツアーや3度目のアメリカ・ツアーを成功させるなどワールドワイドな活動にも力を注いでいるBALZAC。そんな彼らが2年振りとなる7枚目のアルバム『DEEP BLUE: CHAOS FROM DARKISM II』をリリースする。毎回彼らならではのサプライズがあるのだが、今回は、なんと発売日が308(3月8日)! そして豪華特殊ボックス仕様パッケージや過去最多となる16曲収録で1時間というヴォリュームもファンには嬉しい限り。本作は彼らの真骨頂のホラー・パンクを踏襲した今までの彼らの集大成とも言えるし、楽曲の幅の広がりからも新たな側面も垣間見ることができる意欲作とも言えるだろう。結成13年となった昨年の活動や大作となったニュー・アルバムについてHIROSUKE氏に話を訊いてみた。(interview:村田伯史)

昨年は、結成13年というBALZACにとって節目の年だった

──まず今回リリースされるアルバムの話の前に、昨年を少し振り返ってみたいと思ったんですが。
 
HIROSUKE:ミニ・アルバム『DARK-ISM』をリリース後は、国内のツアーをして、8月末から9月上旬にかけてヨーロッパで10本ほどやってきました。ヨーロッパは、2年前にリリースした『CAME OUT OF THE GRAVE』後にも一度行ったんですけど。ヨーロッパから帰ってきてからは、本作のプリプロに入って、秋にはMISFITSとのアメリカ・ツアーに1週間ほど行って、帰国してからはレコーディングにまっしぐらで。
 
──ヨーロッパ・ツアーでは、以前回った同じ会場でもやったんですか?
 
HIROSUKE:同じところもありましたけど、今回は比較的大きめなところが多かったですね。一昨年行った時は、もの凄い小さいところからもの凄い大きなところまで回ったんですよ。今回はドイツ中心に、オーストリア、ウィーンを回ったんですけど、人も入るようになって。CDを聴いて来てくれる人達も増えて。またドイツでは、日本のロック・ブームがあってその影響も少なからずあって。
 
──その帰国後は、9月23日、24日とシェルターで2DAYSを行なったんですよね?
 
HIROSUKE:そうですね。一昨年も行なったんですけど、ちょうど昨年で僕らは結成13年で、その節目で何かできることがないかなと思って。そして今までの曲を総ざらいしようということになって、2DAYSの初日は結成した'92年から'99年までの作品の中の曲だけをやって、2日目は2000年から今までの曲をやって。結局2日目の昼にもやったんで、3回ライヴやったことになりますね。結構大変でした(笑)。今のメンバーで一番新しいドラムのTAKAYUKIは、加入して5年経つんですが、'99年までのBALZACの作品ではドラムを叩いていないので初めて叩く曲が多かったですし。「BALZACのコピーです」って言いながら楽しんでましたけど。彼にしてみると「こんな曲やってたの?」「こんな感じだったんだ?」って。僕なんかは「懐メロだな~」と思いながらやった曲もありましたし。
 
──新鮮だったんでしょうね。
 
HIROSUKE:そうですね。一番古い曲なんかは僕しか知らない曲で、他のメンバーに教えましたし。その曲は、ライヴハウスへ出演するために1992年に作ったデモテープにしか入っていない曲で。
 
──お客さんの反応はどうでした?
 
HIROSUKE:やっぱり初日のほうは、自分達もそうですけど、懐かしいっていう声もありました。当然自分達でやり続けてきて積み重ねてきて、昔よりも音楽の幅が広がった部分もあると思うんですけど、その前の段階の音楽だったんで、凄いパンク・ロックだったし、直球マシンガンみたいな感覚で作った曲もあったんで。そういうことを思い出しながらやっていましたね。ビデオで録った映像をうちのスタッフが見て「HIROSUKEさん、鬼気迫る顔をしていて、ちょっと怖かったですよ」って言ってましたけど(笑)。2日目は、逆に気が楽になって。その辺のギャップが2日の間にありましたね。
 
──今までの自分達を振り返るという意味でも、バンド的にはひとつの節目になったんじゃないですか?
 
HIROSUKE:バンドによっては古い曲はやらないとかあるとは思うんですけど、僕らはあんまりそういうのはなくて、古い曲は古い曲でいいですし、新しい曲は新しい曲でいいですし。そういう積み重ねがあって今があると思っているんです。特に海外に行くと日本よりも環境が良くない場合が多くて、自分達がこういうことをしたいというのが、物理的にできないという。PAの人は日本のライヴ、ツアーでずっと一緒に回っていただいていて、海外も同行していただいているんですけど、「今日のエフェクターはリバーヴしかないから」「そう。じゃあ、ディレイ使えないね」とか(笑)。「今日は回線がこれしかないから、声だけです」とか。根本的に純粋に演奏することだけをしっかりやるしかないというか。そこで何かを見い出せないと面白くなく、そういう会場で自分達が演奏して再確認ができたというか……。忘れかけた感覚を取り戻せた部分がありますね。日本でやり慣れた曲を海外でやっても意外と新鮮だし。いつもだったらここでディレイを掛けるところを、人力でディレイみたいなことをやってみて、「凄い原始的やな」とか思いながらやっていてもそれが良かったり。日本から運べる機材も限られていますし。海外でライヴをすると自分がバンドをやり始めた時の感覚を思い出す時もありますね。
 
──その後ハロウィンの時期に、MISFITSとのアメリカ・ツアーへ行かれたんですよね。
 
HIROSUKE:アメリカはヨーロッパに比べて気が楽なんですよ。MISFITSが全部おんぶしてくれますから。おんぶというか肩車してもらっている感じで(笑)。何もしなくてもいいというか。MISFITSのスタッフとも仲良くやってますんで、日本人の僕らが困るようなことを察知してくれて、充分にケアしてくれますし。ちょうど1週間ほどニューヨークとニュージャージー近辺を回ってまして。ニュージャージーは、MISFITSの地元ということもあって盛り上がりましたね。でもギリギリまで決まらないライヴもあって、あんまり告知がされなくて、「昨日は2,500人も入ったのに、今日は200人?」っていう日が1日だけありましたけど。余談ですけど、ライヴの前日に僕らがニューヨークに着いたんですけど、その日にMISFITSのギターのDEZがトラブルにあって今日はどうしても出演出来ないって話をツアー当日の朝に、MISFITSのツアー・マネージャーから聞かされて、「多分明日は戻ってくると思うけど、今日は病院に行っていてライヴはできないんだ」って言われて。「そんなアバウトでいいのか?」と思いつつも、彼がATSUSHIに「今日、ギター弾いてくれ」って。ATSUSHIは、「エ~~ッ!」って(笑)。「弾けるだろう!」って。ATSUSHIは「弾けねぇよ~」って言いながらも、急いで10数曲練習して。BALZACのステージが終わった後、MISFITSのステージに立って弾いてましたよ(笑)。10数曲しか弾けないから、同じ曲を2回やったりしてました。「そんなライヴでいいのかMISFITS?」と思いながら見てましたけど、面白かったですよ。JERRY ONLYがこんなにデカイじゃないですか、ATSUSHIがちびっ子MISFITSみたいで。一生懸命成り切って弾いている姿を見ていて楽しかったです。
 
──それは、初日だけだったんですか?
 
HIROSUKE:次の日にはDEZが戻ってきて。
 
──ATSUSHIさん、貴重な体験でしたね!
 
HIROSUKE:いや~、波瀾万丈なツアーでしたね。MISFITSにとってはトラブルだったと思うんですけど。僕らは親分が困った時に恩返ししたいって思いで一生懸命やってました。
 
──話が前後するんですけど、7月にクラブチッタ川崎でやったBAZAC主催のイヴェント〈EVILEGEND 13 VOL.4〉が開催されていましたけど、PERSONZ、メリー、ASSFORT、POTSHOTというメンツが凄いですよね。ジャンルの壁を越えていて。
 
HIROSUKE:海外でやってきたという影響もあるとは思うんですけど、ジャンルに関係なくいいバンドはいいなぁという。海外でも自分が聴いてきたバンドと一緒にライヴをする機会があって。MISFITSしかりDAMNEDやMAD SIN、全然違ったジャンルのバンドとかもそうなんですけど色んなバンドとライヴをやってきたのが本当に楽しかったんです。このイヴェントはいろんな意味で先輩のバンドから友達のバンドまで誘って。
 
──PERSONZには驚きでしたよ。
 
HIROSUKE:偶然、一昨年ツアーの時、名古屋のライヴの前日に同じ会場でPERSONZがライヴをしていたんですよ。イヴェンターに頼んで入れてもらって、そこで初めてお会いして、ひょんなことで連絡取り合うようになって一緒に呑んだりする機会もあって仲良くなって。僕もPERSONZ世代なんで(笑)。昔、大阪の厚生年金会館でやったPERSONZのライヴに1列目でJILLさんに握手してもらった経験もあって。この話をするとみんなに笑われるんですけど、ホントにファンで。根本的な部分で影響を受けて、自分のBALZACの音楽観が出来る前から聴いていた音楽でもあるし。そういう人達と一緒にできるのはホント凄いと思いますね。近年、そういった機会が多くて、去年の年末はBUCK-TICKのトリビュートにも参加しましたし。自分も歳を取りながらも、影響を受けて心の中に残っている部分がありますし。
 
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