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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】音速ライン(2006年3月号)- 4枚目のシングルは儚く切ないミディアムチューン!

4枚目のシングルは儚く切ないミディアムチューン!

2006.03.01

音速ラインの4thシングル「ナツメ」が完成した。あたたかくて切ない春の風景を切り取ったような本作には、弦楽8重奏を迎えたメランコリックなバラード「ナツメ」と、昨年11月にリリースされた1stアルバム『風景描写』に収められていたナンバーで、グリコ ポッキーチョコレートのCFソング(スペースシャワーTVバージョン)でもオンエア中の「逢いたい(SINGLE MIX)」、そして彼ららしいほのぼのとしたあたたかさがにじむ「卒業」の3曲を収録。昨年末に行われたライヴ・イベント「COUNTDOWN JAPAN 05/06」への出演を最後に、ドラムの菅原が病気治療に専念するため脱退してしまったが、これからも焦らず、マイペースでいい音楽を作っていこうという2人の心地よい呼吸が伝わってくるような作品に仕上がっている。(interview:山田邦子)

ナツメ球のオレンジ色と夕暮れのイメージが重なった

──ずいぶん春らしい雰囲気の3曲が揃ったシングルですね。もともとこういうコンセプトでいこうと?

大久保:いえ、実はタイトル曲の『ナツメ』は去年の5月に録り終わってて、ずっとあたためてた曲なんです。『逢いたい』はアルバムに収録してたものをシングル用にミックスし直したもので、『卒業』は今回のために書き下ろしました。

──じゃあ、リリースする時期を待ってたと。

藤井:待ってたというか、こういう落ち着いた感じの曲はアルバムを出してからの方がいいかなと思って。最初はね、やっぱり勢いのいい感じで打ち出したかったんで。

──たとえば卒業とか桜とか、春の普遍的なテーマを歌ったものはありました?

藤井:いや、ここまではっきりしてるのはなかったですね。

──そういうモチーフって、変な言い方ですけど照れとかないですか?

藤井:最近は何にも照れないですね(笑)。若い頃って結構照れ臭いことって多いけど、年を重ねていくごとに図々しくなっていくっていうか、冷静に受け止められるんですよね。客観的に見れる。

大久保:だって実際に“卒業”とかしたのってもうずいぶん前だしね。

藤井:たとえば今回の『卒業』って曲なんかは、漠然と中高生ぐらいのイメージで書いたんですけど、実際にその渦中にいたら感じられないことなんですよ。今になって思うっていうか。卒業なんて一生のうち数回しかないのに、もっと噛みしめとけばよかったなっていう。実際、ふざけてるからね。自分の卒業式とか(笑)

大久保:ちょっとでも目立ちたいとかね(笑)。だから素直にそういう感情になるのが恥ずかしいんですよ、きっと。

──今になって思う。そういう立ち位置だからこそ、「卒業」や「逢いたい」なんかは歌詞もダイレクトになるんでしょうね。その点、「ナツメ」は言葉の奥にあるものが語りかけてくるような曲で。

藤井:“ナツメ”って蛍光灯の豆電球のことなんですけど、ある時それが切れて電気屋さんに買いに行った時に初めてナツメ球って名前を知ったんですよ。で、そのオレンジ色の光と夕暮れのイメージ、小っちゃいときに夜は怖くてそれを点けて寝てたなんて懐かしい記憶が全部重なったんですよ。それが、もともと浮かんでた<僕らは何も知らないままに/大人になっていく>というフレーズとも重なって、そこから広げていったんです。

──ナツメって名称、ここで知る人も多いでしょうね。

藤井:そうですね。僕のイメージとしては、小っちゃいころの夏休みとかにおばあちゃんちにとかに遊びに行って、座敷にみんなで布団並べて寝てた時に点いてたあの感じなんですよね。

大久保:あぁ、僕も親戚の家とかで点いてたのをすごい思い出しますね。ぼんやり部屋の中が見えたりするから逆に怖かった記憶がありますけど。

──単語だけ見ると女性の名前のようでもありますね。

大久保:…僕、最初“夏目雅子”だと思った。

藤井:古いな~(笑)。でも雰囲気的にないわけじゃないね。懐かしい感じが。僕ら、リアルタイムの三蔵法師(笑)

大久保:三蔵法師!!(笑)

──えー、いろんな意味でノスタルジアを感じさせるというまとめでいいでしょうか(笑)。

大久保:ありがとうございます(笑)

──でもこの曲はアコギ一本でも充分伝わる力を持った歌だろうなと思いました。今回はストリングスのアレンジで壮大な感じに仕上がってますけど。

大久保:最初は弾き語りしてるの聴いて、いいなあって思ったんですよ。

藤井:何気にプレゼンしてたんです(笑)。誰か気付いて食い付いてこないかな~って(笑)

大久保:で、ディレクターが“お! 何それ。いいじゃん”ってパターンが多いよね(笑)

──そんなに気を遣いながら曲持ってくるんですか!?

藤井:だいたいそんな感じですねぇ(笑)。あと、ライヴのリハーサルで何気に歌って聴かせる、みたいな(笑)

──そうやってそっとプレゼンされた曲ですが、完成形では思いっきりストリングスまで入ってますね。

大久保:実はこれ、レコーディングの当日に決まったんですよ。本当は僕ら3人だけのアレンジで詰めてプリプロやってたんですけど、なんかイマイチよくなくて。

藤井:そこで急遽アレンジ変えて。結局歌詞も、間奏の<さよならを繰り返す/長い夏が終わりを告げる>ってとこは歌ってるうちに出てきたんでそこも変えて。

大久保:結局、ストリングスは八重奏になりましたね。

藤井:もともと好きなんですよ。ギター・バンドに弦が入るって。だからずっとやってみたかったんですよね。

──アレンジの面でも細かく指示されたんですか?

藤井:“竜巻が起こって上に行ってウワーッてなくなる!みたいな感じで”とかは言いました(笑)

大久保:それでも一応、伝わってはいたけど…

藤井:再現不可能です、と(笑)。それでなにか処理をしてやってもらったんですけど、やっぱりこういうのは機会があったらいろいろやってみたいですね。弦以外でも。

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