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トップインタビュー【復刻インタビュー】HATE HONEY(2006年2月号)- the last resending teenthrash 激動の10年と新たな旅の始まり

the last resending teenthrash 激動の10年と新たな旅の始まり

2006.02.01

1996年5月に高木フトシと八田 敦を中心に結成され、あらゆる音楽性を呑み込み昇華させた激情の轟音ロックで確固たる地位を築いたHATE HONEY。活動から10周年を迎える今年、彼らは苦渋の決断の末に"解散"の道を選んだ。バンドのモチベーションが最高潮に達し、ポテンシャルが最大限引き出された渾身のラスト・アルバム『LOVE / HATE』を引っ提げ、ホームグラウンドである新宿ロフトでのラスト・ギグで激動の歴史に幕を下ろす彼らに訊いた解散の真実、ロフトへのこだわり、そして輝ける10年と新たな旅の始まり──。(interview:椎名宗之)

ここで終われることが凄く幸せなんですよ

03_ap01.jpg──まず…改めて伺いますが、これはあくまで解散であって、活動休止ではないんですよね?

高木フトシ(vo, g):そうですね、はい。

──いろんな出来事が積み重なった結果とは思うのですが、解散という選択肢を敢えて選んだのは?

高木:まさにその“積み重ね”なんですよ。誰でもそうだと思うんですけど、何やかんやと積み重ねで生きてるじゃないですか? 敦も、MITSUも、FUCHIも、そして俺も、この解散が一人の人間として、積み重ねのいい流れだと思ったんです。明確な理由はないんですよ。ただ、このまま続けても騙し騙しやっていくような気がして、それはやっぱり許せない方向だし、HATE HONEYは絶対に恰好良くなくちゃいけないんです。何て言うか…リアリティが消えることだけはイヤだった。“卒業”と言うと陳腐な言葉になるけど、それに似た感覚はあるんですよね。

──2000年3月に活動休止に突入した時とは全く意味が異なるわけですね。

高木:そうですね。あの時はメンバー間の問題もあったし、このままやってても意味がないから解散か停止かどちらかにしようっていう選択だった。でも今回は、上手く説明できないけど解散がいいんですよ。メンバーはもちろん、スタッフも含めて、その先に今よりもいい未来を感じ取ることができてるんです。だから今まで以上に俺達は仲がいいしね。俺達って家族みたいな仲で、音楽を通じて人間関係があったわけでもない。音楽が信頼関係を繋ぎ止めておくものでもなくて、ただ単に、「最近そういう音楽が好きなの?」「じゃあ一緒にバンドやろうか」っていうだけのノリなんです。

──具体的に解散を意識したのはいつ頃なんですか?

高木:正直に言うと、『LOST DYE DISPERSE BEACH』(2004年8月発表)のレコーディングの後くらいに個人的に思うところがあって、それを何とか乗り越えたかったんですけど、乗り越えられないまま年を明けることになった。それ以降も闘ってはいたんですけど…。俺がそう感じてるってことは、メンバー全員も同じ気持ちなんですよ。不協和音みたいなことは起こったりしないけど、全員が全員そう感じているのなら、やっぱり騙し騙しバンドを続けることになるじゃないですか? で、去年の夏前くらいに敦と2人で呑みに行った時に色々と話し込んで、「解散しようか?」って話になって。

──それは高木さんのほうから?

高木:いや、敦から。でも話を聞いて、自分でもここで踏み切れると思った。その時に初めて、HATEよりも大切なものを大事にしようという気持ちが前に出てきたんだと思う。それは各個人の未来だったり、プライヴェートだったりするだろうし、敦にとってはHATEじゃない音楽的なことかもしれないし。

──一生のんべんだらりと活動を続けるのはロックじゃない、カットアウトすることこそ美しいという考えがあったんでしょうか?

高木:まさにそうですね。だから『LOVE / HATE』というラスト・アルバムを作れて、ここで終われることが凄く幸せなんですよ。とても俺達らしいと思うし、俺達にしかできない気もするから。

──その『LOVE / HATE』は、最初から解散を念頭に置いて制作されたんですか?

高木:収録曲そのものは『LOST DYE~』を作る前から揃っていたものが多くて、曲を寝かせていたぶんを含めると、制作期間は実は結構長いことになるんですよね。解散を決めて、でも最後にどうしてもアルバムを作りたいと思った時に、俺と敦の間ではずっと作品としての構想があったからそれは実現させたいと思った。今のメンバーとHATEのスタッフという、余計な人間を入れずに作りたかったんですよ。他のレーベルとかどこかのメジャーとか、そういうところでは作りたくなかった。

──有終の美を飾るに相応しい本当に聴き応えのある作品で、バンドのポテンシャルを余すところなく引き出してすべてを注ぎ込んだと言えますよね。

03_ap02.jpg高木:ええ。もう全部。後悔は絶対にしたくないと思ったし、ありったけの力を本当に全部出し切りました。

──感情を激しく揺さぶるソリッドなロック・チューンは元より、叙情的なバラードやゴシックな世界観を持った曲、静寂を奏でるインストに至るまでヴァラエティに富んでいて、今さらながらに懐の深いバンドだったんだなと思います。

高木:メンバー全員、音楽が大好きなんですよ。多分、普通の人よりもロックが異常なまでに好きなんです。引き出しの多さは確かにあったのかもしれないけど、それを果たして全部やり切れてたかどうかはまた別ですね。やっぱり俺達は単純にロックが好きでバンドを続けていたんだと思いますよ。ホントに“好きなだけ”っていう。だからそれが、聴いてくれたみんなに対してひとつのメッセージだったのかもしれない。“好きなら、やってみればいいんじゃない?”っていうね。ただそれだけなんですよ。

──MITSUさんは、最後のレコーディングをどう臨みましたか?

MITSU(g):“これで最後だから…”っていう気持ちは、録ってる最中には正直余りなかったですね。自分を全部出そう、恰好いい作品を作り上げようっていう意識は向いてましたけど。レコーディングが終わって少し時間が経ったミックスの時とか、ちょっと冷静になれた頃に“これが最後なんだな”とは思ったけどね。こうして何本かインタビューを受けながら、HATEの解散を自分の中で徐々に対象化しつつある感じかな。

高木:これは本当にスタッフのお陰なんだけど、俺は今回初めてレコーディングにストレスを感じなかったんですよ。歌入れに割と時間的な余裕もあったしね。

MITSU:ピリピリした緊張感も確かにあったけど、それは決して殺伐としたものではなかった。ただ純粋にいいものを作ろうっていう緊張感だったよね。それはどのパートを録ってる時も同じだった気がする。

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