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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】怒髪天(2005年12月号)- 絶滅危惧種指定日本男児! 豪! 剛! 轟! 大和魂!!

絶滅危惧種指定日本男児! 豪! 剛! 轟! 大和魂!!

2005.12.01

『ニッポニア・ニッポン』──この一見風変わりな呼称は2年4ヶ月振りに発表された怒髪天のフル・アルバムのタイトルであり、日本の国鳥である"鴇(トキ)"の学名を指すという。純日本産の意志を受け継ぎ、日本人の魂に響く歌を唄い続けるバンドの立ち位置を鴇になぞらえるとは、なかなかの妙案だと思う。どちらも生粋の「メイド・イン・ジャパン」であり、今や「絶滅危惧種」に指定された存在であるからだ。気分と上っ面ばかりが先走る消耗品のような音楽が持て囃される昨今の日本の音楽シーンにおいて、彼らの存在は絶滅の危機にさらされた"純国産熱血純情派日本男児"と言える。どこまでも愚直で一本気、向こう見ずの無頼漢である彼らにとって、この平成の「浮き世」は「憂き世」でしかないのだろう。しかし、こんな「憂き世」だからこそささやかだが力強い怒髪天の歌が我々の胸を深く衝くのだ。(interview:椎名宗之)

何をやっても怒髪天の音になる自信がある

──メジャー復帰作となった“花と漢”シリーズ『握拳と寒椿』『桜吹雪と男呼唄』の名刺代わり的な判りやすさに比べると、今度のシングル「俺達は明日を撃つ!」とアルバム『ニッポニア・ニッポン』はこれまで以上にヴァラエティに富んだ、バンドのやりたいことをより明確に打ち出していますね。
 
増子直純(vo):そうだね。前作はまさに名刺代わりだったし、今回はバンドが進むべき方向に一歩も二歩も進んだ感じだね。前の2枚は新曲ではあるけれどもベスト盤的な趣もあったし、必殺技ばかりやってたからね。ねぇ坂さん?
 
坂詰克彦(ds):(話を聞いていない)え? ああ…はい。仰る通りです!
 
──(笑)。坂さんが今回の作品作りにあたって気を留めた点は?
 
増子:坂さんは曲名を見ないと判らないから(笑)。
 
坂詰:(資料を見ながら)えーとですね…例えば1曲目の「枯レ葉ノ音」、これは早いドラムの音を必要とした曲で…かなり練習してます。
 
増子:ハイ?(笑)
 
坂詰:今までにないチャレンジをしたところは…ほとんどの曲がそうなんですよ、リズム的に。実は……。
 
清水泰而(b):「実はワタクシ、ドラムを叩いておりません!」とか(笑)。
 
──「最後のひとり」では、真正面からレゲエのリズムに取り組んでいますけど。
 
坂詰:ええ、ええ。あれは新しい試みですよね。
 
増子:普段はレゲエをやらないのに、坂さんって実はあの手のリズムが一番得意なんだよね。あと、スネアの音を替えたりしたじゃない? …ってなんで俺が答えてんのよ?(笑)
 
坂詰:そうそう。いつもは14インチなんですけど、今回は直径5センチ小さい小口径のスネアを使ったりして…。
 
──それを使うことによって得られた効果は?
 
増子:ワクワクするね、坂さんが(笑)。
 
──子供じゃないんですから(笑)。レコーディングの現場監督である友康さんはどうですか?
 
上原子友康(g):ここ2作、ミニ・アルバムが続いて、それだけじゃバンドの本質は入りきらない、でも間口は広いものを作ろうとはしたかな。「俺達は明日を撃つ!」や「人間バンザイ」みたいに今までの俺達っぽい流れの曲もあるけど、俺達はもともとサウンド・スタイルみたいなものはないし、何をやっても怒髪天の音になるっていう自信があるからね。だから今回は思い切っていろんなタイプの曲を12曲詰め込んでみた。それはやっぱりフル・アルバムだからこそできたことだよね。
 
──確かに、曲のヴァラエティさにかけては過去随一ですよね。「大人になっちまえば」やメンバー全員が交互に唄う「幸福の配分」にはアコースティック曲を交えたライヴ〈半プラグド〉の成果も出てるし。
 
増子:そうだね。今回の特色だと俺が一番思うのは、例えば「枯レ葉ノ音」は前のアルバムだったら入らなかったよね。曲として向いてる方向がどちらかと言うと2枚目路線でしょ? でも、それでどこまで自分達らしさを出せるのかを試したくて、敢えてやってみることにした。俺達は2枚目と3枚目の間…2.7枚目くらいを目標としていつも狙ってるんだよね。キッチリ2枚目だとどうしてもシリアス寄りになってしまうから、今までの俺達はせいぜい2.4くらいまでしか振り切ってなかったんだけど、「枯レ葉ノ音」は今までで一番シリアス方向、2.2枚目までは行ってると思う。
 
──そんな曲を冒頭に持ってくることも今まではなかったですよね。
 
増子:うん、珍しいと思うよ。これだけ曲相応にこっちが寄り添ったものだから、入るところはアルバムの最初か最後しかないと思った。今までだったら「放吟者」か「~明日を撃つ!」がまず1曲目に来るよね。この「枯レ葉ノ音」を頭に持ってくることによって、アルバムのトーンが暗く内省的だと思われる危惧もあったけど、まァイイやと思った。俺達がそういうボールを敢えて投げてみたわけだから、それを受け取る側がどう受け取ろうが好きにすればイイって。
 
──でも、今思えば『TYPE-D』('03年7月発表)の収録曲はシリアスなものが多かった気もしますけど。
 
増子:そうだね。でも、あれもまだ2.4くらいだった。今回はもっと振り切ってるよ。「枯レ葉ノ音」はホンットに救いようのない、100%絶望の歌だから。そんな歌を1曲目に持ってくることの意味合いっていうかさ、これまでのどのアルバムとも違うと俺は思うし、曲の振れ幅はかなりデカイよ。
 
上原子:曲によってはホーンや鍵盤を入れたほうが格好良くなるのもあったんだけど、今回はこの4人以外の音は入れたくなかったんだよね。今までは隠し味としてキーボードを入れてたのも、今回は敢えてやってない。曲調が幅広いだけに、ギター、ベース、ドラムっていう最低限の音だけでやり通したかった。
 
 
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