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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】SION(2005年10月号)- 20年を経てもなお"新宿の片隅で"轟く吟遊詩人の歌声

20年を経てもなお“新宿の片隅で”轟く吟遊詩人の歌声

2005.10.01

1985年10月15日、旧新宿LOFTにてSION初のワンマン・ライヴが開催された。
そしてその20年後にあたる2005年10月15日、場所は20年前と同じく新宿LOFTにて20周年ライヴがその前日の14日と2日間にわたって開催される。20年という時を経て、改めて20年前と同じ場所に立つSIONにその心境を訊いてみた。(interview:梶川功一+椎名宗之)

人生のピークがまだっていうのは楽しいよ

──SIONさんにとって、この20年間はあっという間でしたか?
 
SION:やっぱり、過ぎたら全部早いよ。ホントに早い。俺も昨日今日のバカじゃないから、別にスーッとここまで来たわけじゃない。みんなと同じくらいにいいこともあれば、ダメなこともあった。それを一個一個つまんだら距離はあるんだろうけど、今ここにいて20年ってなった時、ホントに早いよ。歳とっていくとドンドンまた早くなってるのかもしれない。だけど、ほぼ毎年ちゃんとアルバムを出せてきたというのが…うん、俺もみんなもよくやった(笑)。ただ、まだまだこれからですよ。人生のピークがまだっていうのは楽しいよ。まだなんだから。まだ上がってないんだから。早く上がったら下り坂だよ(笑)。
 
──SIONさんのアルバムを聴いていつも思うんですが、例えばボブ・ディランやニール・ヤングがそうであるように、SIONさんの創作姿勢もまた“最高傑作は常に最新作”ですよね。
 
SION:自分ではそのつもりだけど。でも、それはその人が一番最初にドカンときた曲だろうからね。で、やってる俺達も楽しいし。初期のものも、最近のものも、「いい」って言ってくれる人もポツリポツリといるから、それは嬉しい。…基本的には次ですよ。いつも次。“いいアルバム作ったなぁ”って思っても、聴かないもん。
 
──ご自身の過去の作品は聴かないですか?
 
SION:めったに聴かない。今ラジオをやらせてもらっていて(FM愛知、FM仙台、渋谷FM『東京ノクターン』)、わがままなラジオなんで自分の曲しかかけないんだけど(笑)、そこで聴くだけ。
 
──話は変わりますが、この20年でレコードがCDに、さらに今CDからデジタル配信へと音楽メディアの在り方も変遷を遂げてきましたが、SIONさんには今のこのシーンはどんな風に映っていますか?
 
SION:俺のアルバムで言うと…2枚目くらいからかな、CDになったの。86年か87年にCDが出てきて、忘れもしない…花田(裕之)といて、2人でCDの開け方が判らなくて一生懸命開けて、「これ、B面に何も書いてないな」って(笑)。当時まだCDプレイヤーを持っているという人もほとんど見かけない時代だから。あと、レコードってあのジャケットが欲しくて買うっていうのがあったけど、CDになって“つまらんなぁ”と思うよ。デザイナーとかもつまらんやろって。レコード1枚2500円とかで必死になって買って、針飛びの場所が判るくらい聴き込んでいたけど、少なくとももうあんな聴き方はできんやろうね…。でも、だんだん人って慣れていくんだよね。どうなんだろうな、俺も実際音楽を聴かんようになったというのもあるかもしれないけど、どっちの思い入れが正しいとは言わないよ。最近自分でやって恐ろしかったのは、誰かに「聴いて下さい」ってCD貰って、俺、人のCDはあんまり聴かないんだけど、せっかく貰ったんで聴いてみて、イントロつまらんかったらピッて飛ばしちゃうんだよね。“ああ、俺もこうやられとるんかなぁ”と。そう思うと、今の音楽とか歌自体がちょっと気の毒な気もするけど、でも時代だから、それは。その中でもガッと耳に留まる音もあるだろうし。
 
 
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