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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】SEIKI (NAHT)×SAKHALIN TV (2005年6月号)- 音楽を続ける動機の再確認、その果てにある自由度の高い音楽

音楽を続ける動機の再確認、その果てにある自由度の高い音楽

2005.07.01

今年初めのNAHT再始動は個人的に嬉しいニュースだった。そのNAHTのブレインであるSEIKIがバンド形態とはまた異なった、より"歌"にフォーカスを当てた独自のソロ・ミッションを繰り広げている。NAHT休止期間中に音楽をやり続ける動機を再確認し、その果 てに芽生えた自由度の高い音楽活動を展開中だ。
 一方、SAKHALIN TVは基本的にすべての楽器とレコーディングを自らこなし、オルタナティヴ、パンク、ハードコア、インディ・ポップ、ミニマル・ハウスのエッセンスをクロスオーヴァーさせたオルタナティヴ・ポップとでも呼べそうな独自の音楽性を貫く注目のソングライター/トラックメイカー。
 そんな両者がSAKHALIN TVの最新作『SLOW DOWN』で共演を果たし、現在『NOCTURNE TOUR』という最小限の編成で最大限の音楽を聴かせるショーケースを鋭意断行している。よりミニマルかつソリッドに進化した力作『SLOW DOWN』の制作秘話、そしてさる6月上旬に北海道から始まった『NOCTURNE TOUR / East Chapter 2005』について、お2人にじっくり話を訊いた。(interview:椎名宗之)

曲が人を呼んでくれた

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──お2人が知り合ったきっかけっていうのは?
 
SAKHALIN TV:初めて会ったのは'95年くらい?
 
SEIKI:そうだね。もうかれこれ10年くらい経つのかな。
 
SAKHALIN TV:俺は'95年に札幌から東京に出てきたんですが、その当時、NAHTのベースをやってた札幌出身のワタゾウさん(TOXIC PUNK WASTE主宰、JETLINERZ、EVIL SCHOOL、etc.)がSEIKIさんを紹介してくれまして。もっと遡れば、SEIKIさんとは地元が近いんですよ。俺の高校の先輩がSEIKIさんの小、中学校の時の同期生だったことが後々発覚したりとか。
 
──'95年というと、SEIKIさんはもう上京されていますよね?
 
SEIKI:そうですね。NAHTを始めた直後くらいで、ワタゾウとタカヒロと、3ピースでやっていた頃ですね。
 
──SAKHALIN TVさんは、上京前にあのCOWPERSにドラマーとして参加されていたそうですね。
 
SAKHALIN TV:'90年代の頭くらいですかね。SEIKIさんがCOWPERSと出会う頃にはもう辞めてましたけど。
 
SEIKI:彼と出会ってからしばらくはブランクがあったんだけど、ある時、シモ(現nemo、元COWPERS)の車の中であるCDを聴いていたら、「なんだこれ?」って、俺の中で引っ掛かるものがあった。それがSAKHALIN TVのファースト・アルバム(『SAKHALIN TV』)だったんですよ。その頃、シモと2人で「アーバン、アーバン」と騒いでいて(笑)、そんなところにドンピシャでアーバンなアルバムが現れた。
 
──その“アーバン”っていうのを具体的に言うと?
 
SEIKI:凄い抽象的なんだけど、“都会でしか生まれ得ない音楽”ってニュアンス。物事を斜めから見ているような厭世観もあるんだけど、ちょっとした遊び心と言うかウィットに富んでいて、とぼけてるところもある。音はわりと固めな感じですね。
 
SAKHALIN TV:SEIKIさんはラーメンの麺も固めが好きですよね?(笑)
 
SEIKI:あ、今日はそうやってハズしていったほうがいいの?(笑) でも、アルバムは本当に凄く良かったんですよ。
 
SAKHALIN TV:SEIKIさんが俺のアルバムを気に入ってくれたらしいとシモさんから聞いた時は嬉しかったですね。SEIKIさんはパンク/ハードコアに限らず、普段からいろんな音楽を貪欲に聴いているので、そういう人に自分の音楽を受け容れてもらえたのは自信にもなりましたから。
 
──そんなSAKHALIN TVさんのミニ・アルバム『SLOW DOWN』が発売となったわけですが、SEIKIさんは「反乱天使」という曲にコーラスで参加されていて。この曲、ギターに竹林現動さん(現SPIRAL CHORD、元COWPERS)、ベースにあのShellacのボブ・ウェストンという凄まじい顔触れが脇を固めていますね。
 
SAKHALIN TV:現動さんにギターを弾いてもらいに札幌へ行ってきました。気持ちの半分は遊びに行くような感覚だったんですけど。その時にドラム録りまでお願いしまして、プロ・トゥールスを使ったレコーディングを初めて体験しました。ボブ・ウェストンはPassedOut Recordingsオーナーであるtinycar氏の紹介なんです。「ベースを弾いてくれないか?」と打診したら、ものの5秒でOKの返事がメールで来たみたいです(笑)。もともとShellacは好きでしたし、嬉しかったですね。ボブがシカゴで録ったデータをサーバを介してやり取りして…まさにレコーディング技術の進化の賜物ですね(笑)。
 
──今回、どんなコンセプトで制作を進めたんですか?
 
SAKHALIN TV:去年出したファースト・アルバムは、演奏、録音、ミックスを自分一人でやったんですけど、もうそういうのはいいかなと思いまして。今回はいろんな人にゲストで参加してもらって、音の広がりを持たせたいというのがありました。
 
──芯にあるのは歌心ですよね。宝箱をひっくり返したかのようなキラキラした極上のポップ・ソングが満載で。
 
SAKHALIN TV:そうですね。ひっくり返した感じもあり、その中でもちゃんと自分の個性を出せたとも思うし。曲が人を呼んでくれた気がしてるんです。今年の1月にnemoの企画でシェルターに出させてもらった時、スペシャル・ゲストがNAHTだったんですけど、SEIKIさんのヴォーカルの力に改めて圧倒されたんですよ。「反乱天使」のメロディが浮かんだ時に“このメロディには絶対にSEIKIさんの声が合う!”と直感的に思ったので、即効でSEIKIさんにコーラスをお願いしたんです。
 
SEIKI:その直後にネイキッドロフトで一緒にアコースティック・ライヴをやったんだよね。俺がエリオット・スミスの「Bottle Up And Explode」をカヴァーしたり、SAKHALIN TVがあぶらだこの「PARANOIA」をやったりして。そのライヴの終演後にゲスト参加の話を頂いて、快諾しました。ニック・ロウやエルヴィス・コステロを彷彿とさせる、凄くいい曲だったので。自分が何を求められているかは事前にミーティングもやって理解していたんですけど、唄うパートが結構難しかったんですよ。だから「アーバン、アーバン」とか言ってられないなと思って(笑)。でも、レコーディング自体は30分程度で終わったよね?
 
SAKHALIN TV:そうですね。レコーディングは俺のアパートでやっていたんですけど、SEIKIさんは歩いて数分のところに住んでいて、「今から行くから」と電話をくれた直後に来てくれまして。
 
SEIKI:同じ武蔵野市の住人だからね(笑)。
 
SAKHALIN TV:バシッと1テイクで決めてくれて、凄く早かったんですよ。
 
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