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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ギターウルフ×惑星(2005年2月号)-両者が惹き付け合ったのは必然だったのか

両者が惹き付け合ったのは必然だったのか

2005.02.01

黄金の40代

セイジ:イヤー、しかし岸田君ももう30代なんだ。
 
岸田:先月なったばっかなんですよ。セイジさんはどうでしたか、30になった時とか。
 
セイジ:28くらいの時に、現場の仕事やってたんだけど「…あと一年ちょっとで30か…」って思ったら愕然としたね。30っていったら、もうすごい大人じゃん。でも、29の時にアメリカ行って初めてライブやって、30代直前にアルバム出て、この10年間で八枚もアルバム出したから、結構よかったね。充実した30代だったよ。またこれから黄金の40代を過ごそうと思ってるけど。
 
岸田:ボクも最初はとまどいましたね。本当に初めてセイジさんたちのライブを最初に見た時くらいから音楽やってて、30になった今も音楽の事はホント好きで。…でも、なんか周りは皆知らないうちに普通 の顔して就職してたりして、いいパパになってたり、家庭作ったりしてて…時々「何やってんだろうな、オレ」って思ったりする、ちょうどそういう過渡期だったんで。でも就職してるヤツは就職してるヤツで「どうしようか」とか思ってたりするんですけどね。
 
セイジ:よく「30になった途端ガクッと体力が落ちた」とか言ってるヤツいるじゃない。ふざけんじゃないよって思うよね。そういうヤツは30っていう言葉を聞いただけで落ち込んでるんだよ。本当は関係ないからね。
 

世界五大エロパワー

岸田:そういえば、この間初めてセイジさんと飲みに行ったんですけど、その時「惑星はもっとメチャメチャやんなきゃダメなんだよ」って言ってましたよね。酔っぱらってたから覚えてないかもしれないですけど(笑)。
 
セイジ:オレはそんな失礼なこと言わないよ。
 
岸田:イヤイヤ(笑)。でも確かにそれはすごい思うんですよね。ボクの場合、半分音楽をリスナーとして冷静に見ちゃってる部分があるんですよ。もっと音楽が好きだっていう感情を剥き出しにしてやりたいんですけどね。
 
セイジ:そういう時はアメリカツアーとかやるといいと思うよ。長いツアーをやってるとバンド自体がタイトになるというか、研ぎ澄まされていくからね。惑星は海外でやらないの?
 
岸田:イギリスとかに行きたいとは思ってるんですけどね。ボクら2003年にイギリスのCHERRY REDというレーベルからリリースしてるんですよ。ギターウルフって本当に世界でしっかり音楽やっててすごいと思いますよ。セイジさんは海外とのやりとりってどうやってるんですか。英語結構しゃべれるんですか。
 
セイジ:オフコース!(笑)…でも、もちろん最初は全然わかんなくって、行ったはいいけど誰も英語なんてしゃべれないから。でも、オレがなんとか交渉するしかないじゃん。それで「プリーズ!」とか「アイウォント!」とか言ってやってるうちに、ある程度その辺の交渉に困らないくらいにはなったよね。今ではツアー行く時は、各地方の友達に連絡したり、でっかいブッキングエージェントに交渉して行くこともあるし。
 
岸田:最初は本当に自分たちで行って交渉してライブやったっていう感じなんですか。 
 
セイジ:最初に言った時は、THE 5.6.7.8'sのよっちゃん(YOSHIKO)が「ガレージショックっていうイベントがシアトルであるんだけど、空きがあるから出てみないか」って言ってくれて。
 
岸田:その一本のために行ったんですか。 セイジ とりあえずはそれに出て、後はどっかのライブハウスを見つけて、ドーンってドア開けて「たのもーうッ!」…とかやろうと思ってたんだけど(笑)。でも、その一本出たら「シカゴでやらないか」とか「メンフィスでやらないか」とかみんなが声かけてくれて。結局6、7本出来たんじゃないかな。その時に生まれて初めて連続でライブやるっていう事を経験したね。
 
──日本でもツアーみたいな経験ってなかったんですか。
 
セイジ:なかったね。二日連続でライブやるなんて信じられなかったもん。まあそれで、メンフィスでテープを渡したら、それがファーストの「WOLF ROCK」っていう形になって日本に送り返されて来て。それが出たら「MAXIMUM ROCK'N ROLL」の表紙になったりして…。それからは、ちゃんとアメリカツアー出来るようになったのかな。でも、やっぱり最初は組んでもらってライブをやらせてもらうっていう立場だったから「サンキューサンキュー」って頭下げてばっかりだったんだよ、…でもいい加減イヤんなってさぁ(笑)。オレは絶対に向こうから「よく来てくれました」って頭下げられるようなバンドになりたいって思って。何度も廻ってる内に、今はようやくあっちから「サンキュー」って言ってくれるようになったけどね。
 
岸田:海外でちゃんと認められて、あっちで出したアルバムが逆に日本に入ってきて、こっちでも評価されてるっていうのは本当にすごいですよね。そういえば、カリフォルニアでのライブのビデオをこの間観てたんですけど、セイジさんが絡まったコード引っ張ったらJC(ギターアンプ)がグルーッて縦に一回転してて(笑)「アメリカってすごいな」って思いましたねー。
 
セイジ:それは、ライブ中になんか怒ってたんじゃないの。ライブ中は世界五大パワーを使うんだけど、その中の一つに怒りパワーっていうのがあるんだよ。
 
岸田:怒りパワー…。他の四つは何があるんですか。 
 
セイジ:ピラミッドパワー、おばちゃんパワー、酒パワーとか色々あるんだけど。怒りパワーは、自分らの前に出たバンドが格好いいライブやってたり、自分たちの時に客が全然ノッてなくても、そこでシュンとするんじゃなくて、逆にとりあえず怒る。そしたらなんとかなるから。そういう時のライブって演奏はメチャクチャでテープなんか聴けたもんじゃないんだけど、自分の心にも客の心にもなんか強い物を残すことができるじゃない。状況を破壊しまくったら、メチャクチャな形にしてもどうにかなるもんだよ。…本当は「良いライブが出来たー」ってなれれば一番いいんだけどね。
 
岸田:なるほど! ロックの秘密が一つ明らかにされましたね。
 
セイジ:あとは、長いツアーとかでライブ中に体が疲れてる時に使うのはエロパワー。とりあえずいやらしい事考えると体が結構元気になってくるから。これマジ。自分の体で完璧に証明されてるからね。
 
岸田:セイジさんのエロパワーって、一体何を考えているのかすごい気になりますけどね。
 

ロックの秘密

岸田:セイジさんって、曲はどんどん出てくるタイプなんですか。
 
セイジ:イヤー…、出てくる時は出てくるけど、やっぱ苦しいよね、昔から。「オールナイトでぶっ飛ばせ!!」っていう曲を作った時には、もうこれ以上の曲は出てこないだろう…って思ってたんだけど「環七フィーバー」が出て来て、これでもうダメだ…って思ったら「ミサイルミー」が出て来て…、かろうじて続いてる感じだよね。
 
岸田:リリースとかがなくても、作らなきゃっていう意識はあるんですか。
 
セイジ:ツアーをいっぱいやってると、いい加減飽きてくるじゃない。なんか違う刺激が欲しくなるというか。だから、ツアーをいっぱいやって新しい物を欲しがるっていうのは必要なんじゃないかな。昔はレコード会社から「早く作れ、早く作れ」って言われるのも、ふざけんなとか思ってたけど、そのおかげで「狼惑星」「ジェット ジェネレーション」は出来たんで、そういうのがないとどんどん曲は出来ていかないんじゃないかな。
 
──わりと「曲を作ろう」と思って作るタイプなんですね。
 
セイジ:というか、日々常に曲の事を考えてるからね。色んな事をキャッチできるように。変な看板があったら「何!?」とか、気になる言葉があったら「ハッ」としたり。全てが曲のアイディアにつながってるから。メモとかはしないけどね。メモなんかしても無駄 だから。その時、強烈なイメージが来てたら興奮して絶対に覚えてるもんだから。メモをしないと覚えてないようなものは後から見てもイマイチだね。
 
岸田:ロックの秘密がまた一つ…(笑)。
 
──それじゃ最後にシェルターでの2バンに向けて一言。
 
岸田:とりあえず今度のシェルターは本当に楽しみです。…イヤー本当、感動させたいし、感動したいですね。
 
セイジ:シェルターはオレが日本で一番大好きなライブハウスの一つだし、シェルターでやること自体も楽しいし、惑星と2バンでやるっていうのも結構…今から緊張しています。
 
岸田:イヤイヤ(笑) 。セイジ エロパワーを使ってがんばるよ。皆も使うといいと思うよ!
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