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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】FULL MONTY(2005年2月号)- PxBxR=PUNKxBRASSxROCK!! さあ足を鳴らせ たった一つの自分である為に

PxBxR=PUNKxBRASSxROCK!! さあ足を鳴らせ たった一つの自分である為に

2005.02.01

FULL MONTY結成以来6枚目となるアルバム『PxBxR』は、"PUNK×BRASS×ROCK"という彼らの唯一無二の音楽性をストレートにタイトルに冠した堂々の自信作である。パンク/ロックを主体に独自のホーン・アレンジを加味した剥き出しのサウンド・メイクはさらに凄味を増し、7年間に及ぶバンド活動の集大成的作品と断言できる。  だがしかし、彼らの本質は、あたかもカレンダーの升目を真っ黒に埋めるかの如く続けられるライヴにこそある。現状に決して甘んじることなく、極めて完成度の高いこの『PxBxR』すらもひとつの通 過点として、彼らは今日も全国のどこかで行われているライヴに全力を賭け、歩を進め足を鳴らしているのだ。ぜひ一度、理屈抜きで楽しめるFULL MONTYのライヴを体感して欲しい。「LIVE HOUSEの夜」の歌詞にある通り、退屈な夜を吹き飛ばし、あなたの乾いた心を必ずや満たしてくれるだろう。  ツアーの合間の忙しない時間を縫い、ヴォーカル&ギターのKEITAROに話を訊くことができた。(interview:椎名宗之)

『PxBxR』の芯を成す「足を鳴らせ」

──まず、昨年、独自のレーベル“GATE”を立ち上げた経緯から教えて下さい。
 
KEITARO:僕らはメジャーもインディーズも両方経験をさせて頂きまして、お互いの良いところ、悪いところを僕達なりに感じて、たくさん勉強になりました。インディーズとメジャーのそれぞれ良いところをうまく一緒にできないか? そのなかで自分達が現時点でやるべきことは何なのか? スタンスは? …と考えていくうちに、今後は自分達を自分達がしっかりプロデュースできなきゃと思い、だったら自分達の責任でやることが一番近いんじゃないかと思いまして、このレーベルを立ち上げたんです。昔からやってみたかったというのもあったし、いろんなタイミングを含め、そういう時期だったということもあると思います。
 
──“GATE”(門)というネーミングは、バンドとファンを繋ぐ出入り口にしたい…という意味から取られたのでしょうか?
 
KEITARO:するどい!! そうですね、出入り口、門出、この門をくぐって!! みたいな感じで“GATE”に決めました。いろんな人との出会いがある場所であって欲しいし、今後FULL MONTYに限らず、他のバンドのリリースなんかもやりたいと思っています。その時に“GATE”から出ていくバンド、そういうのが増えてくれたら嬉しいですね。この“GATE”がいろんな音楽、バンドの一つの選択肢にもなっていきたい。メジャーを選ぶバンド、インディーズを選ぶバンド、そして“GATE”を選ぶバンド…そういうことになればもっと“GATE”も楽しくなってくると思うし、そうなっていけるようにメンバーとスタッフで盛り上げていきたいです。
 
──昨年秋にライヴ会場とオフィシャル・ウェブ・ショップのみで限定発売されたマキシ・シングル『足を鳴らせ』は、スピード感溢れるサウンドに乗せて「さあ足を鳴らせ/もっともっと描いてる 世界はあるはずさ/たった一つの自分である為に」と前向きに唄いかける力強いナンバーでしたが、何か吹っ切れたものを感じたんです。やはり“GATE”設立がひとつの転機となるような出来事だったんでしょうか?
 
KEITARO:まさにそういうことですね。自分達のなかで吹っ切れたこと、しかしそのなかでも僅かながら不安もあり、人の意見との交差、流れ、けど怖くてもやんなきゃ始まんね~じゃん!! みたいな気持ち、叶うかどうか判らないけど、結果が出る前に諦めてしまうのは嫌だな~と思いました。全国のバンドマン、仕事をやってる人、学生、誰でもそういう時ってあると思うんです、自分の人生の分岐点が見えてきたりすると。そういう時だからこそ、足を鳴らし、しっかりと見つめていこうぜ!! っ感じで書きました。僕ら自身にも当てはまることだし、この曲を作った以上、とめれない、やめられないってプレッシャーもありますね。
 
──自らレーベルを興すことで、FULL MONTYとしての活動の焦点がこれまで以上により明確に絞れてきたと思うんですが、ご自身としてはどうですか?
 
KEITARO:やりたいことなどは、昔からあまり変わらないし、自主になったからと言って、それができるかどうかは判りません。実際メジャーにしかできないこと、インディーズにしかできないことってたくさんあるし、FULL MONTYとしてやりたいことはたくさんありますね。だからと言ってどっちにこだわるってよりか、活動に関しては柔軟にやっていきたいと思っています。単純に言うと、ライヴハウスももちろん大事だけど、ホールなどでもやってみたいとか、自分達をアピールできる場所はどこでも構わない。そのなかでどれだけFULL MONTYを表現できるかってことを重要にしていきたいです。けど、そのなかで、FULL MONTY的にカッコいいこと、悪いことは、しっかりと持っていきたいですね。
 
──『足を鳴らせ』で得た確かな手応えが、本作『PxBxR』にも脈打っていると思います。それだけ、今のFULL MONTYにとって『足を鳴らせ』は非常に重要な曲じゃないかと思うんですが。
 
KEITARO:そう言って頂けると嬉しいです!! 『足を鳴らせ』は、FULL MONTYのスタンダードな曲になっていくと思うし、『PxBxR』に収めた個性的な曲のなかでも、芯を持った曲になったと思っています。もっともっと皆に浸透してくれると嬉しいし、それができるかどうかは、皆の力であったり、何より自分達のライヴが大切になってくると思います。プレッシャーなんだけど、プレッシャーと向き合いつつも、それを感じなくなるぐらい、もっともっと自分達のモノにしていかないと、『足を鳴らせ』が可哀想だと思っています。もちろん他の曲もそうなんですけどね。自分達のなかでも、見えてきたものはメンバーそれぞれあると思います。
 

パワー感、スピード感、グルーヴ感の著しい成長

──タイトルの『PxBxR』は“PUNK×BRASS×ROCK”という、まさにFULL MONTYの音楽性を集約した言葉ですが、このストレートで潔いタイトルからも、本作への並々ならぬ 自信が窺えますね。
 
KEITARO:まさにそう言って頂けると!! 皆が聴いた瞬間に、パワーを持ったアルバムが作りたかったんですね。ロックやパンクが判らない人達でも、再生した瞬間に、何だか判らないけどカッコいいね~みたいなアルバム、あっなるほど!! これがパンク・ブラス・ロックね!! って納得してくれる、判りやすいアルバムを作りたかったんです。自分達でも自信のあるアルバムが出来ました。パワー感に限らず、スピード感、グルーヴ感、いろんな感覚が成長できたと思っています。毎回そうなんですが、不安なモノを皆に届けたくはないし、皆からは入り口が広く感じられるけど、FULL MONTYの音楽が判りやすく出たアルバムだと思います。
 
──アルバムを制作するにあたってのコンセプトは?
 
KEITARO:やっぱ初期衝動というか、昔先輩の影響でピストルズやクラッシュやラモーンズ、ストレイ・キャッツのアルバムを聴いた時、クソガキだった僕は聴いた瞬間に良い意味でやられたんですね。今考えると音は悪いし、かなりウマいとも言えないし、しかし理屈じゃなく単純にカッコいい!! って思ったし、凄く力を持ったアルバムだ!! バンドだ!! って思ったんですよ。そこからバンドにのめり込んだというか、ロックやパンクを知ったというか。そしてザ・モッズ、ルースターズ、ARB、シーナ&ザ・ロケッツ、ロッカーズなどを先輩に教えてもらい、やはりその方々もスゲ~パワーあったんですね。ジャンルは違うかもしれないけど、そういうのを目指したくて、作りたくて。
 
──制作期間はどのくらいだったんですか?
 
KEITARO:レコーディングに1週間、ミックスに1週間ぐらいです。
 
──また随分と早いですね。あえてその短期間で仕上げようとしたんですか?
 
KEITARO:あえて短くってわけではないんですよ。ただ、不安なままでレコーディングに入りたくなくて、レコーディングに入る時は、こうやるってのをあらかじめ決めて入るんですね。だからそれを形にするのには、あまり時間がかからないというか。それ以前の曲作りやリハで考えてることを形にして、迷いがなくなったらレコーディングするって感じです。時間があれば良いってもんでもないし、時間があるレコーディングをしたことがないので、それもやってみたいですけどね。
 
──「LIVE HOUSEの夜」では、バンジョーにPRINCE ALBERTの野口忠孝氏、マンドリンにJim JamのBIN氏、コーラスにUNSCANDALのメンバー、「迷い道」ではギターにTHE PANの荻原 剛氏が参加するなど、ゲスト・ミュージシャンも多彩ですね。
 
KEITARO:『LIVE HOUSEの夜』は、実は本来あの形でやってみたかった曲で、アコーディオンなども入れたかったんですが、ちょっと事情がありまして、しかしいい感じで表現できたと思っています。僕はいつもアコースティック・ギターで曲を作るので、あれが理想的というか、ヘッドロックの『パンクロック・バトルロイヤル2』に参加したヴァージョンは、逆にFULL MONTY用にアレンジした感じです。声を掛けたら気軽に皆参加してくれたし、遊びに来たついでに!? みたいなノリもありましたしね。楽しかったし、参加してくれた皆には感謝してます!!
 
──『足を鳴らせ』リリース後に全国57ヵ所のツアーを精力的に廻るなかで、よくこれだけの充実作が完成しましたね。長期ツアーを通 じて得た経験は、このアルバムにも反映されていますか?
 
KEITARO:もちろんツアーでの経験は反映されてると思います。当然そうでなければツアーをやる意味も薄れてくると思うんですね。詩にしても、曲にしても、絶対にツアーの出来事などが絡んでくるのは当然あります。ライヴをやる度に、地元のバンド、お客さん、スタッフ、いろんな人と接すれば接する程、いろんなことを教わるし、それで皆こんなこと思ってるんだね~ってそれを詩にしたり、自分達のライヴをビデオなどで振り返ってみると、弱点というか、もっとこうやろう!! みたいなのが出てきて、それを次回作には見直して取り入れて…って感じですね。ツアーじゃなく、レコーディングの時ですが、アメリカに行った時に感じた詩が、1曲目の『カリフォルニアの夕日』だったり、割と単純ですね。
 
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