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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】バルザック(2005年2月号)- さらに己の道を突き進む、孤高のホラー・パンク・バンド!

さらに己の道を突き進む、孤高のホラー・パンク・バンド!

2005.02.01

 初回限定生産先行シングルと初のショート・ホラー・ムービーが収録されたCD&DVDの2枚組となる『D.A.R.K』、そして1,666円という金額設定が彼ららしく、丸尾末広氏の書き下ろしジャケットも話題の7曲入りミニ・アルバム『DARK-ISM』と2タイトル2ヵ月連続リリースを行うバルザック。昨年の夏には、33ヵ所にも及ぶヨーロッパ・ツアーを成功させ、海外でも熱狂的ファンを増殖させ、海外ツアーでさらにスケール・アップし、よりバンド感の出たサウンドへと成長を遂げた作品に仕上がっている。そして、今や入手困難である幻の1stアルバム『THE LAST MEN ON EARTH』から今年で10年を迎えた彼ら、HIROSUKE(Vo)、ATSUSHI(G)、AKIO(B)、TAKAYUKI(Dr)の4人に話を訊いた。(interview:村田伯史)

常に何か新しいことをやっていきたい

──まず、先行シングル&DVDである『D.A.R.K』がリリースされましたね。今回のフォーマットは、シングルとDVDのセットになり、DVDにはバルザック初のショート・ムービーが収録されていますが、どういったコンセプトでこのような形態でのリリースに至ったんですか?
 
HIROSUKE:もともとこのシングルは、昨年の夏に1ヵ月半ぐらいかけて行ったヨーロッパ・ツアーに行く前から、シングルを1枚出したいと漠然とした話をしていたんですよ。それからせっかくヨーロッパに行くんだから、何か日本と違うシチュエーションでライヴの映像を撮るだけではなく、違う映像も撮りたいなと思っていて。ヨーロッパで『CAME OUT OF THE GRAVE』を出してくれることになったG-FORCE RECORDSがドイツのレーベルなんですが、ドイツには古城がたくさんあるだろうと思ったんで、古城を撮らせてくれないかとレーベルに相談したら、“貸し切って撮影させてやる”ってことになって。僕らのPVやライヴの映像を撮ってくれている監督の山田さんと一度違う映像作品をやりたいなぁという話をしていたので、古城で行き当たりばったりでもいいから撮れるものは撮ろうという話になったんです。そういう経緯で、ヨーロッパ・ツアーが始まる1週間程前に前乗りして撮影することになりました。古城は好きに使っても構わないとのことで、なおさら面 白いものが撮れるかもしれないなぁと。実際行ってみて、これまでのPVとは違うような映像を撮れるなと。僕らは、バルザックの持っているイメージが映像となればいいなと思ったし、監督は、PVともライヴとも違った映像作品を撮りたいと思って撮影をして。そして、日本に帰ってきて、すぐにマキシのレコーディングが控えていたので、そのマキシの新曲とその古城で撮影した映像とをCDとDVDとでセットにして出せればいいなということで、今回のリリースに至りました。
 
──そのショート・ムービーは、今までのバルザックの映像とは違うものですよね。
 
HIROSUKE:PVだと先に曲があって、その曲の映像感から進んでいくことが多いんですけど、今回はそこは無視して、漠然としたストーリーというかコンセプトをもとにドイツで撮影した映像に音を後から付けたので、制作の成り立ちがこれまでとは逆ですよね。だからこの映像は、今までとは明らかに違うものですね。
 
──ストーリーや構成はHIROSUKEさんが?
 
HIROSUKE:監督とカメラマンと3人でああだこうだと言いながら......。ホント現地で、ここであれができるとか、ただひたすら追いかけられてみようとか、そういうノリですけどね。向こうに行って、その直感で思ったことを実際やろうという感じでした。
 
──撮影自体はどれくらいかかったんですか?
 
HIROSUKE:丸2日半ぐらいです。朝から晩まで結構みっちり。ATSUSHIは“紙袋男”役をやりまして。AKIOは、名(迷?)アシスタント兼パシリっていう(笑)。そんな微妙な役割分担がそれぞれあって。音は、映像を編集している最中に、バルザックの楽曲を使うべきかどうか悩んでたんですけど、バルザックの音楽のなかにこれまでもノイズが入っていたりしているし、そういう音楽も今まで聴いていたんで、ノイズが合うんじゃないかという話になって。僕が持っていたノイズのレコードがちょうどあったんで、監督に“こういうのはどう?”と聴かせたら、“これは合いますね”という話になったんですよ。今、バルザックの打ち込みとかエディットとかプログラムは、TAKAYUKIがやっているんで、彼がノイズを一生懸命作りました。
 
TAKAYUKI:ホント、イメージなんですけど、低音がどうとか話をしながら、レコーディングと並行して作っていきました。
 
HIROSUKE:ノイズは面白くて、何ヘルツの音を聴くと頭痛がするらしいとか、そういう効果 があるんですよね(笑)。
 
TAKAYUKI:じゃあ、その辺の音を足していこうとか(笑)。
 
HIROSUKE:不愉快にさせるためにやっている訳ではないですけど、不愉快な映像だから不愉快になってもいいだろう、そのへんは正直に行こうということで(笑)。
 
──最後の最後でノイズが“ガーッ”ときて驚きましたけど(笑)。
 
HIROSUKE:子供騙しみたいな手法ですけど(笑)。B級以下のC級ホラー映画は、モロそんな感じですけどね。今回の映像にはセリフを言う俳優が出演する訳ではないし。古い無声ホラー映画のテイストがいいだろうという話をして。音はノイズですから、これが効果 音と言うのか、BGMに当たるのか、サウンドトラックになるのかは判らないですけど、そこまでは自分たちでやりたかったですね。
 
──バルザックの表現力がより一層広がった作品のように思えて、新鮮でしたよ。
 
HIROSUKE:自分たちもやっていて面白いなと思いましたね。今回これができたのも、ずっとライヴ映像を撮影して、PVも撮影してきた監督の想いが強かったと思いますし、僕らもライヴやPVだけの映像以外でも、バンドの持っているイメージやコンセプトを表現したいと思っていましたし。常に何か新しいことをやっていきたいという。
 
──バルザックにとっては、ヴィジュアルや映像が大きな表現のひとつだと思いますし、それがさらに突き進んだように思いましたよ。手作りとのことでしたが、作品を見るとそれを感じさせずに、非常に凝った作りでした。
 
HIROSUKE:ホント、環境がとても良かったんですよ。なんせ古城にある1000年前の当時のものを触ってもいいし、動かしてもいいし、それを使って撮影してもいいしと、何をやってもいいと言われたんで。ホラーとかゴシックというイメージで描いていたものが、うまく撮影できたと思います。この古城自体、本当に魔女狩りがあったと聞きましたし。何か細工しなくても、あるものあるものすべてがリアルでした。
 
──まさにバルザックで描かれているイメージと一致しますもんね。
 
HIROSUKE:そうですね。もう行って驚きましたけど、“これは!”って思えるような場所がたくさんあったんで、漠然と考えていたイメージと現地で見たものがあまりにもリアルにリンクして、撮影したいものがどんどん増えてきて、ホントにギリギリまで撮影していました。
 
──一方、同じDVDに収録されている「d.a.r.k」のPVは、ショート・ムービーとはガラッと違う雰囲気ですよね。
 
HIROSUKE:PVのほうは、従来からある表側の姿だと思うんですけど、ショート・ムービーのほうは、裏バルザックというか。表の部分と裏の部分が1枚に入っていたらいいなと。バルザックは、一体どっちだと言われたら、どっちもどっちだと思うんです。『d.a.r.k』のPVは“紙袋男”が138人出演しているんですけど、実際ファンクラブの人に手伝ってもらって、シェルターでやらせていただきました。本当はもっと怖くなる予定だったんですけど、集まるともの凄く滑稽で、可愛いんですよ(笑)。全然怖くなくて、面 白いってことになったんですけど、まぁいいかなと。でも、あれだけ集まると凄いものがありますよね。シェルター店長の西村さんにもスカルスーツを着てもらって、チケットをもぎってもらったりしました(笑)。みなさんに協力してもらって。カメラマンも万が一映っても構わないように(スーツを)着てますし、PAの人にも着てもらって。なかなか楽しくできました。ホント、シェルターで撮影できて良かったです。
 
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