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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】CUBISMO GRAFICO FIVE(2005年1月号)- いつだって満足できる至福のポップ・ミュージック

いつだって満足できる至福のポップ・ミュージック

2005.01.01

僕のなかでCGFのテーマは“出会い”なんです

──松田さんは自分の内面を赤裸々に吐露するタイプのアーティストではないと思うんですが、このアルバムには「I'll become honest with true myself/いつも本当の自分に正直にいよう」(「SURPRISE DISENCHANTED」)、「EVERY TIME WE COULD BE SATISFIED/いつだって満足できるんだよ」(「SUNWORSHIP」)といった歌詞にご自身のテーマみたいなものがまぶされているように思えたんですけれども。
 
松田:そうですね。今回はその時々に思った気持ちを素直に出しちゃおうと思ったんですよ。歌詞を書くのは意外に好きなんですけど…そうですね、今回は結構ストレートに出してるかもしれないですね。こういうバンドだからこそ、酔っ払ってグダグダ考えてるようなことをそのまま書いちゃおうと。英語なのであからさますぎないですしね。日本語だと恥ずかしくて唄えないんですよ(笑)。それはそれで良しとしてもらおうと最近は思ってます。
 
──ブックレットにある歌詞はよく読んだほうがいいですよね。
 
松田:「SKANK BOOPS」という曲の最後、「I would be bought a drink if ms. Gomes comes ya!」という歌詞の訳は“中込さんが来たら、一杯おごってもらおうぜ!”ですから(笑)。音楽ライターの中込智子さんが“ms. Gomes”という(笑)。 田上君と恒ちゃんと中込さんと4人で呑む機会がありまして、最終的に朝の4時くらいまで僕の家で呑むことになって(笑)。勿論、中込さんの文章は読んだこともありましたけど、今までの僕の音楽人生ではなかなか交わることのないライターさんだったんですよね。それがお会いする機会を得て、自分のことを知ってもらえたのが嬉しかったんですよ。で、こんなジョークもアリかなと思いまして(笑)。“中込”って英語で言いにくかったから、“Gomes”でも意外とアリかな、なんて(笑)。まぁ、前のアルバムには敢えて歌詞を載せなかったので、今度のはじっくり読んでほしいですね。
 
──この作品にテーマがあるとするならば、「SUNWORSHIP」の歌詞にもありますが“部屋に閉じこもってないで町へ出ておいでよ”っていう部分でしょうか。
 
松田:うん、そうですね。僕自身、いろんな所に出向いて、いろんな人達と知り合えて今の自分があるんです。そういう“出会い”が凄く大事だなと今になって改めて思うんですよ。僕のなかでCGFのテーマとしてずっとあるのは“出会い”なんですよね。今の顔ぶれでこのバンドをやれる“出会い”には感謝しているし、単純に凄いことだと思うんですよ。人生においてつまらない“出会い”はないと思うし、だからこそ部屋にこもってちゃダメだっていうか。外に出れば楽しいことが色々とあるじゃないですか。表に一歩踏み出さなければ何も始まらないよ、っていう。
 
──松田さんの音楽人生においても、この『SEEDY』はとても重要な作品ですよね。
 
松田:ええ、間違いなく。色々と試行錯誤して、ここ何年かやってきたことの集大成ではあるのかもしれませんね。到達点では全くないですけど。前のアルバムより自信もありますし…自信があるというよりは、このメンバーで凄くいい作品が出来たことが単純に嬉しいんです。今の顔ぶれが集ったこと自体、僕にしてみれば奇跡みたいなことなんですよ。ずっと一緒にプレイしてみたかった人達と音を出せるなんて、幸せすぎちゃうっていうか。レコーディングの時とかも、やってて感動しちゃうんですよね(笑)。このメンバーがみんな“いいものが出来たね”って思えたっていうのが凄い収穫ですよ。
 
──CUBISMO GRAFICOとして“FIVE”“TRIO”“SOLO”の3本柱で活動していくのは今後も変わらないですか?
 
松田:はい。ただ、このアルバムが出来た時は“当分ソロは作らなくてもいいかな”なんて思ったりもしたんです。というか、考えられなかったですね。でも、DJとしてのライフワーク的なものがあるんで、その現場で“こういうオケを作ってこんな場所でかけたい”とか欲求は常にあるから、また作るとは思いますけどね。とにかく、このバンドでここまでできたんで、また曲を持ち寄ったりできればいいなと思ってます。
 
──『SEEDY』のリミックス集を出す構想もあるそうですね。
 
松田:そうなんです。『SEEDY』の曲を再構築したいと思ってるんですよ。例えばアルバムのオケをそのまま使って、僕の歌の代わりにラッパーを入れてみたりとか。別 曲として聴かせられるだけのクオリティが出来るメドが立ったら、一気に取り組んでみたいと思ってます。そもそもリミックス盤を出したいと思ったのは、このジャケのヴァリエーションを作りたいと考えたからなんですよ。
 
──スレンダーな女性と松田さんのギターが象徴的に配された、妙にエロティックなジャケットですよね(笑)。
 
松田:そう、ギターと女の子を組み合わせたジャケっていうのは何だか妙にそそるものがありますよね(笑)。90年代の初期にはピチカート・ファイヴとか、この手のジャケがよくあったんですよ。最近はグラフィック・デザインが多いし、こういう写真1枚で見せるジャケをやりたいと思ったんです。これだけ充実した中身に見合うだけのジャケを作らないとダメだって思って。見ず知らずの人にも手に取ってもらいたいですからね。
 
──この強力な面子が一堂に会すところを生で観たいと思うのが人情というものですが、来たる1月28日、29日の両日にわたり下北沢シェルターにてワンマンが控えております。偶然にもシェルターも頭文字“S”ですね(笑)。
 
松田:確かに(笑)。ワンマンに向けては目下練習中です。2日間あるので色々とメニューも考えてますよ。一見、僕とシェルターのイメージが重なり合わないって思う人がいるかもしれませんけど、シェルターへはSCAFULL KINGやドーパンが自主企画をやってたのを観に行ってたので、足を運ぶという意味ではもの凄く身近なんですよ。うまく言えないけど、好きなライヴハウスのひとつなんです。語弊があるかもしれないですけど、シェルターは気持ちが重くなくてもライヴに取り組めるっていうか、今自分達ができることを背伸びせずにしっかりやれるっていうイメージがありますね。
 
──正装して決め込むのではなく、割と普段着感覚でいられるというか。
 
松田:そうですね。お客さんもそんな感じで今度のワンマンを楽しんでもらえたらいいなと。必ず底抜けに楽しいライヴになるはずですから。まぁ、CGFのメンバー各人は凄い人達ですけど、バンドとしてはメンバーも替わってまだまだ1年生みたいなものなので、足元を見ながらしっかりとやっていきたいですね。
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