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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】MURDER STYLE(2004年11月号)- 俺らがロックンロールの真髄を示していくしかない

俺らがロックンロールの真髄を示していくしかない

2004.11.01

 ロックンロールの真髄とは何か? MURDER STYLEはその問いに全身全霊を傾けて対峙し、一切の妥協をせずに体現し続ける唯一無二のロックンロール・バンドである。イカサマで薄っぺらいロック・バンドが跋扈するなかで、その飽くなきロックへの真摯な姿勢ゆえに異色のバンドとして逆に浮き立って見えてしまうのは不幸なことだ。彼らが如何に特異な存在であるかは、結成から12年を経ても明確なフォロワーが現れないことからもよく判る。「適当っていうのを許さへんから、絶対に。適当っていうのがロックンロールや言うんやったら、俺はそんなロックンロールなんて要らんから」と喝破するMURDER STYLEのブレイン、KAZUNARIにニュー・マキシ・シングル『ROSE』と新宿ロフトでのワンマンについて話を訊いた。(interview:椎名宗之)

俺らはロックンロールしか知らへんし、聴かへんし、しいひん

──昨年の3月にリリースしたファースト・アルバム『ROOT CONNECTION』以来の音源となるマキシ・シングル『ROSE』が発表されたわけですが、去年1年間は曲作りに専念していたんですか?
 
KAZUNARI:うん、ずっと曲を作ってた。まぁ、曲は毎日のように作ってるんやけど……この12~13年間はツアーばかり繰り返しやってきたんで、たまにはツアーもサボったろと思って(笑)。ずっとツアーしてるバンドやから、たまに休んでも誰も怒らへんやろ? って。
 
──今回のマキシ・シングルに収められた曲は、その曲作りのなかの一部なわけですね。
 
KAZUNARI:ほんの一部。ほんの一部やけど、いくらこっちが“俺達ロックンロールだぜ!”言うても伝わらへんから、もう。だからこっちから垣根をなくしてアプローチしようかな思うて。俺らにしてみれば冒険してみようかな、って。
 
──MURDER STYLEを妙な固定観念で見ている人が驚く程のポップでキャッチーな曲が揃いましたね。
 
KAZUNARI:元々ポップでキャッチーなバンドなんやわ。そやけど、どういう訳かイメージ先行で凄いおっかな恐いバンドみたいに思われてるけど、純粋なMURDERのファンの子とか俺達のことをよく知ってる人達はこういうバンドだってことを判ってるから、誰も文句言わへんと思うんやけどな。
 
──そもそも、ルーツとしてあるのがHANOI ROCKSとかNEW YORK DOLLSとかですもんね。
 
KAZUNARI:HANOI ROCKSっちゅうのは俺にとっては青春やし、MURDER STYLEはそういう音楽が好きで始めたバンドやからね。ただ、関西でMURDERをやり始めた当時は受け皿がなかったから…どうしても人間がこうやから(笑)、過激な行動とかでイメージが先行してしまったと思うけど。別 にそれに対しては何とも思ってないし、まぁ、身に覚えはあるけどな(笑)。
 
──今回のシングルではプロデューサーとして元はちみつぱいの和田博巳さんを迎えて制作されましたが、和田さんとは元々交流があったんですか?
 
KAZUNARI:いや、知り合いではなかったんやけど、レーベルの方や関係者が和田さんにやってもらおうって話になって。
 
──和田さんとのコラボレーションは如何でしたか?
 
KAZUNARI:向こうはプロフェッショナルやからね。レコーディングは面白かったよ。
 
──1曲目の「TOKYO ROSE」は、東京という“流れ者の街”で生き抜く生活者の迷いや葛藤を赤裸々に唄ったナンバーですね。
 
KAZUNARI:そういう捉え方をしてもらってもええと思うんやけど、「TOKYO ROSE」と「現実」の2曲は“やっぱ東京って大変やな”っていうか(笑)。特に俺みたいな関西人にとってはね。でもそれを否定せんと、東京へ来て1年やそこらで潰れていく人が多いなかで、関西でずっと一線でやって来て、東京へ来ても常に一線でやってる俺ら生き証人から見た東京っちゅうのを唄ってるつもりなんやけど。
 
──“目一杯羽ばたきたいだけ”“私は生き抜いてみせる”というフレーズに一縷の希望がありますね。
 
KAZUNARI:まぁ、好き勝手に生きたいしな。悔いを残したくないから。ただ勿論、好き勝手生きる上でのリスクも背負ってるよ。
 
──2曲目の「現実」は、夢と現の狭間で藻掻きながらも前へ向いていこうとするハードな曲ですね。
 
KAZUNARI:「TOKYO ROSE」も「現実」も、同じ時期に書いた曲なんやわ。だからテーマは似てるかもしれん。これも俺らのロックンロールのほんの一部やけどな。勿論、作品を発表するいうことはそういうことなんやけど。この2曲を背負っていく気はあるよ。だからこそシングルとして出したし、自信ある曲やし。今までのファンの子だけやなくて、MURDERに興味を持ってくれてる子にも強く訴えかけていけると思うてるから。俺らはロックンロールしか知らへんし、ロックンロールしか聴かへんし、ロックンロールしかしいひんし。
 
──3曲目のRONETTESのカヴァー「BE MY BABY」は意外な選曲だと思ったんですが。
 
KAZUNARI:和田さんの薦めでね。意外に思われるかもしれへんけど、この曲は俺らが結成当時からやってる曲なんやわ。「BE MY BABY」をカヴァーしてるアーティストって多いやん? そやけど、MIIKOがカヴァーやったらホンマに誰もかなわへんで。あいつはとにかく凄いヴォーカリストやからね。
 
──ええ、まさにロニー・スペクターを彷彿とさせますよね。しかも、アレンジはあくまで原曲に忠実で。
 
KAZUNARI:「BE MY BABY」のテンポを早くするとか、ゴチャゴチャさせるっていうのは、俺らから言うたら邪道も邪道、冒涜に近い。あの“ダッ、ダ、ダ、ダッ”てテンポでロニー・スペクターが唄うから…勿論そこにはプロデューサーのフィル・スペクターもいて、だからこそああいうマジックが起きて、世界の人が救われてると思うからね。それに、「BE MY BABY」の気に入ったカヴァーをしてるミュージシャンがこれまでいいひんかったっていうのがあった。ここでやっぱり俺らが示しといたろか? っていう。
 
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