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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】NICOTINE(2004年10月号)- 国境を超えた"SESSION"を経て、更なる世界標準へ──!! 

国境を超えた“SESSION”を経て、更なる世界標準へ──!! 

2004.10.01

 NICOTINEが、約2年振りとなるオリジナル・フル・アルバム『SESSION』を完成させた。アメリカ・パンク・シーンの重要バンド"THE VANDALS"のギタリスト、ウォーレン・フィッツジェラルドをプロデュースに起用、LAでレコーディングされた本作はまさに世界標準、バカみたいな言い方だが、"うわ、これって洋楽じゃん! アメリカの音じゃん!"と叫びたくなるような仕上がり。三線を取り入れた「太陽〈ティダ〉の樹の下で~THE TREE OF THE SUN」、先行シングルとしてリリースされた「PREJUDICE」に加え、「REMEMBER」「ENJOY PUNK ROCK」「PUNK ROCK RADIO」などの人気曲を収録、さらに初回盤は彼らの全PVを収録したDVD付き。めちゃくちゃゴージャスなこのアイテムによって、NICOTINEはさらに活動のペースをスピード・アップさせることになりそうだ。パンク・ロックへの限りない愛と質の高いサウンド・メイキングは、まさに全ロック・ファン必聴!(interview:森 朋之)

LAで痛感したレコーディング作業の差異

──今回のアルバムはLAでレコーディングされたということですが。
 
YASU(Gt):そうですね。4月と5月の2ヶ月、アメリカに行ってました。
 
──そもそも向こうで録ろうと思ったのは、どうしてですか?
 
HOWIE(Vo):理由はふたつあって。ひとつは、ホントにそういう音…NICOTINEとしての作品をアメリカの音で録りたいってこと。もうひとつは、向こうのやり方を盗みたいってことですね。過去に1回、アメリカ録音してるんだけど、その時に比べて機材とかも進歩してるからね。
 
──機材とかも違うんですか?
 
HOWIE:違いますね。もちろん同じものもあるけど。ヤマハの10M(ヤマハのスピーカーNS-10M)もあるしね。ヤマハの10Mって、環境問題で生産中止になって(註:材料の特殊パルプ材料が環境問題で入手困難になった)、日本ではヤフオクでも手に入らないんですよ。機材だけじゃなくて、録音の方法も日本とはかなり違うし。
 
YASU:1日スタジオに居るだけで、凄く勉強になるよね。
 
──なるほど。でも、ホントに音がいいですよね、このアルバム。「うわぁ、外国のバンドの音だぁ!」って思いました。なんかバカみたいな感想ですが。
 
YASU:(笑)。でも、音はいいよね。向こうでレコーディングして良かったな、と。
 
HOWIE:スタッフが全員あっちの人だから。たとえばドラムのチューナーも、GREEN DAYとかBLINK182とかやってる人だから、当然、そういう音にチューニングされるし。
 
NAOKI(Dr):新たな発見がたくさんありましたね。“こういうチューニングにすれば、こういう音がするんだ!”っていう。向こうの人のやり方を学びつつ、今度は自分達でも工夫しながら取り入れて。チューニングだけじゃなくて、たとえば、スネアの上に紙を1枚置いて…
 
HOWIE:おっと、それ以上は極秘だね(笑)。
 
NAOKI:(笑)。じゃあ、ここまでで。でも、ホントにちょっとしたことで、大きく変わるんですよ。凄い微妙なことなんですけどね。
 
HOWIE:それが知りたい人は、SKY RECORDSまでデモ・テープを送って下さい。ウチでアルバムを作れることになれば、その技術が判ります。
 
YASU:ハハハハハ!
 
NAOKI:でも、ホントに勉強になりましたね。マイクの立て方にしても…
 
HOWIE:ただ、普通のレコーディングしかやってない人は、受け入れられないかもしれない。日本だと“絶対やっちゃダメ”ってこともやってるから。それをバンドが受け入れられないと、向こうでレコーディングしても、結局は日本の音になっちゃうんだよね。それほど革新的だと思うよ、アメリカのレコーディングは。タムのなかに水を溜めて、パンパンにしてから叩く……って、そんなことはやらないけど(笑)、それくらい、“え、そんなことやっちゃうの?”ってことばかりだから。
 
──今までのアルバムの音には、満足してなかった?
 
HOWIE:や、それはないですね。出来上がった時は満足してるんだけど、すぐに“次は、こういう音で録りたい”っていうのが出てくるんですよ。『SESSION』の音にしても、もう既に満足はしてないです。それはナゼかというと、向こうで学んだことを自分達だけでやってみて、できちゃったから。自分達ではできない、っていうのがいいんですよね。できちゃうと、もう面白みがないっていうか。 
 

初めて外部プロデューサーを起用した意図

 ──なるほど。今回は、初めて外部のプロデューサー(ウォーレン・フィッツジェラルド/THE VANDALSのギタリスト、プロデューサーとして活躍中)を起用していますね。これは、演奏に専念したいと思ったから?
 
YASU:うん、それもありますね。
 
HOWIE:あとは、プロデューサーを立てることで、自分達の実力以上のものが出せるんじゃないかっていう期待、ですよね。ホントに期待以上のものができたので、満足してます。
 
YASU:なんかね、客観的に聴けるんですよ、今回のアルバム。他のバンドを聴いてるような感じの曲もあるし。エンジニアとかプロデューサーに任せた部分が大きかったからだと思うんですけど。
 
HOWIE:次の作品からは…っていうか、既にそうなってるけど、プロデューサー選びから始めることになると思う。自分達の好きな音で録ってくれるプロデューサーを選んで。
 
YASU:俺達は楽曲を用意するだけ。レコーディングもサクッと終わらせて、あとはプロデューサーのマジックで作品にしてもらうっていうか」
 
──それはもう、洋楽の作り方ですよね。
 
HOWIE:うん。レコーディングだけやって帰ってきて、向こうでTD(トラックダウン)とかやってるうちに、こっちで新しい曲を作る。そういうのがいいなって。
 
──恰好いいですね、そのやり方。今回のプロデューサーは、どういう経緯で起用することになったんですか?
 
YASU:もともと知り合いだったっていうか、“WARPED TOUR”に出た時、カナダでVANDALSが出てて。前回の(アルバム)『SCHOOL OF LIBERTY』をベースのジョーに送ったら、凄く気に入ってくれたんだよね。
 
HOWIE:で、ジョーに“プロデューサーを紹介してほしい”って言ったら、何人か候補を挙げてくれたんだけど、そのなかにウォーレンがいて。
 
──プロデューサーとのやり取りは、どんな感じだったんですか?
 
HOWIE:やり取りなんかないですよ。挨拶くらいかな。おはよーとか(笑)。なんていうか…彼の頭のなかには、作品のゴールがしっかり設定されてるんですよ。レコーディングしてる時には(その曲がどういう仕上がりになるかは)全然判らないんだけど、出来上がった時に、“あー、なるほど”って思う。だから最初の2~3日は、“こっちも言いたいことは言ったほうがいいよな”って思ってたんだけど、そのうちに“今日は何を食べようかな”とか、そういうことばっかり考えてました(笑)。心配してもしょうがない、最終的にはカッコ良くなるんだから、っていう。
 
FULL(Ba):こっちはただ、演奏するだけ。
 
YASU:あとは機材の写真をこっそり撮ったり(笑)。
 
HOWIE:感覚的には、映画作りに近いのかな。今撮ってるシーンが、最終的にどうなるかは判んないじゃないですか、出演者って。でも、全部撮り終わって、つながってみたら、“あー、なるほど”って思う。そういう感じですね。エディットも含めて、僕らがいないところで進んでたから。
 
YASU:最初は不安もあったけど、アメリカはやっぱりロックの本場だから。ラジオから普通 に音の太いロックが流れてるからね。それと同じクオリティのロックが作りたいって思うよ、やっぱり。日本に帰ってきて、こっちで流行ってるものを聴くと、なんか違和感があるんだよね。あっちで、低音がガーンと出てる音の太いロックを聴いてると。
 

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