求められているのは単純明快な判りやすさ
──レコーディングの過程でKeyossieさんから受けた具体的なアドバイスは?
SHINY@:“常に聴く人のことを考えろ”ってことを話してくれましたね。自分達がもっとコアな方向に行きたいと思っても、“それよりお客さんはもっとヴォーカルを聴きたいだろう”とか“もっと明るいほうがいいだろう”っていう部分には凄くこだわっていて、的確に流れを作ってくれましたね。
SAE:あと、“この曲はちょっと長いだろう”とかね。
──やりますね、敏腕プロデューサー。
SHINY@:あとは……“牛乳を飲め!”って言われましたね。
──はい?(笑)
SHINY@:僕は昔から全然飲めなかったんですけど、Keyossieに“ちょっと飲んでみろよ”って言われて飲んだらこれがなかなかイケたんですよ。それから毎日牛乳飲んでますから(笑)。
──(笑)。こうしてアルバムが仕上がると、“次作はもっとこうしたい”とか欲が自ずと出てきますよね。
SHINY@:そうですね。改めて完成したアルバムを聴いてみると、“もっとこうしたらイイんじゃないか?”とか思うところが出てきたりして、イメージが膨らみますね。余り難しい方向には行かないように…っていうのは変わらないんですけど。INSK@UTを聴いてくれる人が求めているのは、単純明快な判りやすさだと思ってるんですよ。ライヴで言えば“ここで手を挙げるように見せかけて…”みたいなのは絶対にないんで。ここで手を挙げるぞと思ったら必ず手を挙げるようなライヴをやってるつもりですから。裏切りはナシ、っていう。
SAE:思う存分、手を挙げてほしいよね。違ったポイントで手を挙げてくれても一向に構わないので。このアルバムも、カセットに録音してそれを車のなかで聴いてもらえるのでも何でもいいので、シチュエーションに合わせてたくさんの人に聴いてほしいんですよね。
──アルバムを聴くとライヴを観たくなりますね。スピード感満載で躍動感にも溢れていて。
SHINY@:ありがとうございます。そう言われるのは凄く嬉しいですよ。
──これもやっぱりプロデューサーの手腕でしょうか?
SHINY@:いや、それは恐らく……自分達の手腕ですね(笑)。
──実際には、DOMINO88というバンドに対してどんな思いを抱いてますか?
SHINY@:それはもう、偉大な存在ですね。素直に思いますよ。バンドの結成から8年経ってもああいう音楽の最前線をずっと走ってるわけですから、何やかんや言ってもやっぱり尊敬してますよ。同じバンドマンだからこそDOMINO88の凄さが判るっていう部分もありますしね。きっとその思いはこれからもずっと変わらないと思います。
SAE:私は昔、ファンとして普通にライヴを観てましたからね。それが今や一緒に仕事をできるようになって、素直に嬉しいですよ。
──でも、まさか牛乳を勧めるような人だとは思わなかった、と(笑)。
SHINY@:思ってたよりはカリスマ性がなかったかなぁ、なんて(笑)。
SAE:いい意味でね(笑)。ホント親しみやすいキャラクターですから。
──今後の展望を聞かせて下さい。
SHINY@:P.O.Sでお世話になることが決まった時に、“フル・アルバムまでを見据えて勝負しよう”ってKeyossieに言われたんですよ。P.O.Sのオムニバス(『P.O.S COMPILATION』)があって、SUNNY SIDE UPとAll about ska perfomersとのスプリット・アルバム(『NEW S.O.S』)があって、その流れで今回の『GET HAPPY』があって。まずはこのミニ・アルバムをINSK@UTの名刺代わりとして全国のみなさんに知ってもらうようにして、次はフル・アルバムでこのバンドの答えを提示したいと今は思ってます。
SAE:自分達で企画するライヴも今後定期的にやっていきたいですね。
──年末にかけてのレコ発ツアーが実に24本。長くて大変じゃないですか。
SHINY@:Keyossieに騙されたんですよ。“ツアーっていうのは普通 40本は廻るもんだぜ”って言われて、“これくらい廻るのが普通なんだなぁ、俺達はちょっと少なめだけど頑張ろうよ”なんて言って(笑)。そしたら世間一般 ではかなりの量らしいことを後で知りました(笑)。
──まんまとプロデューサーの策略にハメられましたね。
SAE:私達、本当に何も知らないんで。言えば黙って付いていく子供のような(笑)。
SHINY@:まぁでも、騙しながらも今のところはいい方向へ導いてくれてますからね。
──最後はキッチリ立てますねぇ(笑)。
SHINY@:今の部分は必ず使っておいて下さい(笑)。でも今度のツアーはホント楽しみなんですよ。全国の人に僕達の“楽しい!”って気持ちを伝えることができると思うと。