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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】くるり(2002年3月号)- 2002年型くるりの真髄は"豆腐エレクトロ"にあり!

2002年型くるりの真髄は“豆腐エレクトロ”にあり!

2002.03.27

 ギターに大村達身が正式加入して初のシングル「ワールズエンド・スーパーノヴァ」に続き、今月20日には4thアルバム『THE WORLD IS MINE』を発表するくるり。新作中心の話を訊こうと思いきや、いつの間にか全国津々浦々の食い倒れ与太話に終始した腹八分目インタビューを奪取した! 何度もおかわりしたくなる充実作を携えて、34ヵ所38公演にも及ぶツアーも間もなく開始、はらぺこの五感で臨んでもお腹いっぱいに満たしてくれるごっつぉライヴになること間違いなしだ! [interview:椎名宗之+樋口寛子]

わかりやすいものを如何に判りやすく伝えるか

──大村さんがくるりに加入されたことで、バンド内の化学変化はどんな具合に起こってますか?

岸田繁(Vo&G):彼は割とブレーン的な役割も担ってるんで、アイデアなり曲の主観が増えるわけですから、そこで方向性みたいなものを定めたり、評価したりする部分で変わってきましたね。

──大村さんはくるり加入前にご自分のバンド活動を?

大村達身(G):そうですね、細々とちょこちょこやってました。彼らとは元々大学の同じサークルで、学年は俺が1つ上になるんですよ。

──今度のアルバムはポップ度がうんと増して、大村さんのギターががっつりハマって全体的に曲が引き締まってる感じがしたんですけど。

岸田今まではギターが入ってる曲やったら全部俺がダビングして重ねてましたから。喩えるなら、全部肉ばっかりのところに、肉と相性のいい茄子がうまく絡み合ったというか…(大村氏を見て)本当に茄子みたいな頭してるし(笑)。茄子が肉の本来持ってる旨味を引き出したというか、その逆もあったり、聴こえへん音が聴こえてきたりとか。

──大村さんが触媒になったことで活性化された部分が音にも表れてますよね。

岸田彼と違うタイプのギタリストが入ってきてたら、また全然違ったかも判らへんけど…なかなかバンドの根元の部分にまで入ってくるのは難しいと思うんですけども、そこが彼は凄く合ってたから。

大村くるりに入ってやりづらいことは全然ないです。ギターもリズムっぽいこととか、できへんことをやってくれるから。音楽的な面での苦労はないですね。個人的な技術の上達とかでの苦労はあるけど。結構、くるりって音楽的に判りやすいバンドだと思うんですよ。だから、“判りやすいものを如何に判りやすく伝えるか”ってことをちゃんとしてたら全然大丈夫。

岸田流れに逆らわずというか、自然発生的に生まれたものをやってたら絶対判りやすいはずだと思うんですよ。それをパッケージしていくというのは、その過程で何人もの思惑が絡んでくるわけやから、どうしても拡散してしまったりするんですよね。そのなかでどれだけ判りやすいものを作っていくかってところが、凄い大事。

──難解に作り込んだほうがずっと簡単ですよね。足し算でいいわけだから。

大村 “簡単”ってことと“判りやすい”ってことは全然違うと思うし。簡単なことばかりやってると、かえって判りにくくなる。例えば相手に想いを伝える時でも、「好き」ってありふれた言葉やから余り響いてこない。どういう風に「好き」か色々工夫して伝えるようにして、最終的にシンプルなところに持っていく。シンプルやけど在るべきところには伝わる。ただ、それには凄い集中力が要る。

岸田そう、集中力が一番やっぱり必要な要素やったりしますね。要はその集中力の持っていきどころだと思うんですけど。その作業がしんどければしんどいほど、やってる時間はあったりしますから。ただ、それを履き違えるとプログレになってしまう。難解になって、余り意味がなかったりする。

──今度のアルバムはイギリスでレコーディングされたそうですが。

岸田半分くらいをロンドン近郊の田舎で録りました。ホップを乾燥させるサイロを改造して作ったスタジオで。スタジオが絵本チックというか、結構かわいい建物なんですよ。こんな所でプロポーズしたら皆落ちる、みたいな。

森信行(Ds):落ちるよ、あれは~(笑)。

佐藤征史(B):エンジニアさんが完璧に改造してスタジオにしてるから、隅々まで知り尽くしてはって、作業がやりやすかったです。岸田 だけど、「こんなメルヘンな所になんで野郎4人でおらなあかんねん!?」って思ったな。

一同:(爆笑)

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