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十回「『炭坑節』をビシッと唄えるようになったら相当格好いい」

第七十回「『炭坑節』をビシッと唄えるようになったら相当格好いい」

2021.02.13

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 12月に、わたしの書いた小説、『さのよいよい』(新潮社)が出版されました。「さのよいよい」とは、皆様もご存知の通り、福岡県の民謡『炭坑節』のフレーズであります。「月が出た出たぁ〜」です。
 この小説は、わたしの祖母のことを題材に書きました。祖母は盆踊りが大好きで、毎年、夏になって盆踊り大会が行なわれると、真ん中の舞台に立って、お手本を踊る、盆踊り婆さんとして、ぐるぐるまわりながら踊っていました。
 
 それにしても、『炭坑節』というのは、本当に素敵な歌であります。とくに一番の歌詞が最高なのです。月が出ているのだけれど、煙突が高いから、煙たかろうと人間が月を心配しているのです。でも二番目からは、なんだか男と女の色っぽい感じの歌になっていきます。調べてみれば、この歌、昔は、春歌だそうなのです。春歌とは、つまりエロソングです。二番以降がしっぽりしている感じは、その影響なのかも知れません。
 
 この『炭坑節』は、いろんな人が唄ったり演奏したりしています。最近だと、民謡クルセダーズのブーガル調の『炭坑節』も相当格好良いです。ほかにも、イスラエル出身のQuarter to Africaというバンドの『TANKO BUSHI』も良いのです。あとは、フランク永井の『炭坑節』も良くて、演奏もイカしているのですが、フランクさんは、「さのよいよい」と唄っていません。「さのよいよい」のところを、「ぐりぐり」とか「さーぐりぐり」と唄っているのです。これは、いったいどういうことなのでしょう? どんな意味があるのかわかりませんが、相当、アーバンなアレンジなので「さのよいよいじゃあ、ダサいよ」となったのかな?
 そんなこんなで、金沢明子の『炭坑節』も王道で良いけど、やっぱ三橋美智也が良いのかと思っていたら、ドリフターズの『冗談炭坑節』というのもあって、これは、男と女の営みのことを唄っているので、ちょっと春歌っぽいのであります。
 
 とにかくおすすめの『炭坑節』ですが、もうどれをお勧めしたらいいのかわからなくなってきました。わたしはこのコーナーで以前、民謡クルセダーズを紹介していて、フランク永井もこの前、紹介しているので、今回のおすすめは、Quarter to Africaの『TANKO BUSHI』にしておきます。これはインストなので、皆様は、演奏に合わせて、『炭坑節』をビシッと唄えるようになったら相当格好いいと思いますよ。車でドライブデートなんかをしているとき、さりげなく『TANKO BUSHI』を流して唄いあげてみれば、隣に座った人は、目がハートになるか、キョトンとするか、どちらかでしょう。どうぞ試してみてください。そして、わたしの本『さのよいよい』も、よろしくお願いします。
 
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さのよいよい
戌井昭人 著

四六判/206ページ/1,980円(税込)
ISBN 978-4-10-317824-8
新潮社 刊
2020年12月21日発売

amazonで購入

ロケットマンがロス五輪の会場に降り立ち、「未来」が「現実」となった1984年の夏、世田谷では僧侶が伴侶を日本刀で斬りつけ、火が放たれ、盆踊りの終わった夜空を真っ赤に染めていた。32年前の放火殺人事件を探るうち、わたしは家族の秘めごとやおのれの不甲斐なさを思い知らされる。シリアスで、ちょっと熱めの長篇小説。

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