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トップコラムおじさんの眼第170回「猛暑の夏......生きているって言ってみろ!」

70回「猛暑の夏......生きているって言ってみろ!」

第170回「猛暑の夏......生きているって言ってみろ!」

2012.09.12

いつわりの〝原発収束〟宣言

 3カ月ぶりのこのエッセイだが、またまた脱原発の話になる。世間は不景気だし、野田アホ内閣による、消費税値上げだ、オスプレイだ、領土問題だって大変だけれど、原発のヤバさは一番だ。これは地球上の、全生命に関わる問題だからだ。しかも一代のみならず、遺伝子を通じて自分の子孫代々まで繋がってゆくのだ。

 あの忌まわしい爆発事故から約1年半が過ぎようとしているが、私は今もなお、フクシマで起こっていることを注意深く見守らねばならないと思っている。フクシマは見捨てられようとしている。今も放射線の高い地域で住むことを余儀なくされている人々が大勢いる。

 フクシマの原発事故によって、放射性物質が広範囲で日本中に拡散した。そしてこれから日本を襲ってくると予想される放射線被害のことはチェルノブイリの事例を見ればわかることである。いや、フクシマはチェルノブイリよりも被害が深刻だとも言われているのだ。

 政府の原発終息宣言で一段落した、と思っている人も多いかもしれないが、活断層だらけの日本で、まだ各地に原発は立地している。何かあればもう日本には住めなくなる、ということを原発推進派はわかっているのだろうか?

 彼らの意見は「エネルギーの確保が必要」の一辺倒だ。しかし、エネルギーの確保と、日本国が終わってしまう(=住むことすらできない)ことを引き替えにできるものだろうか?

住めなくなればエネルギーもなにもないもんだ。

 私はとにかく、「原発と放射性物質は、地球に生きる全ての生命にとって敵である」と思い続けている。なんとか、この将来に禍根を残す原発を止めなければ死ねない、と思う。戦後60数年経つのに、いまだ広島・長崎の原爆投下による放射能被害で苦しんでいる人だっている。本当に日本に原発は必要なのか? なんとも出口のない、辛い夏だ。

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国会前が解放区になった。歴史的瞬間だ。(脱原発首相官邸包囲デモ)

そして官邸包囲デモは続く

 4月から始まった「首都圏反原発連合」の「首相官邸包囲デモ」は、野田政権が「大飯原発再稼働」を決定した7月頃から、日を追うごとに参加者は増え続けている。ロフトも一員として加盟しているが、旗振り役は、首都圏で原発反対のデモなどに参加するグループや個人が集まり、昨年9月に立ち上がったネットワークだ。

 この運動が掲げるのは「原発反対」というシングルイシューだけ。「反原発」以外の政治的主張や政治団体や労組、左翼、右翼の幟を立てた団体の参加を認めないことだ。基本、リーダーはいない。警察と揉めることを回避する。参加市民は警察の嫌がらせや厳重すぎる規制にも逆らわず、何十万人もが黙々と官邸前に集まり、警察に意図的に分断されても、ただ「原発反対」「再稼働反対」と叫ぶ。そして20時になったら、どんなに盛り上がっていてもさっさと飲みに行くか帰宅するかするのだ。

 これって凄いよ。革命的だよ。政府は「そのうち参加者はいなくなり消滅する」と思っていたらしいが、この運動は今も拡大再生産を続けている。さすがにこの運動を無視できなくなり、8月末には野田首相との会談も実現しそうだ。

 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏の意見が面白い。

「日本人が政治の不誠実さに対して声を上げるようになったことが、良い意味での日本の転換点になることを期待しています。重要なのは新聞やテレビなどの大メディアです。彼らは一方的に政府側の説明を垂れ流すのではなく、国民の声も公平にとりあげるべきです。声を上げる国民が欲しているのは正しい情報です。原発にしても消費税にしても、そして小沢一郎氏の資金問題にしても、権力側は不都合な情報を隠してきた。そうした問題の真実をメディアが国民に知らせることができるなら、この国民運動は日本を良い方向に変えていく力になると思うのです」

鈴木邦男誕生祭と多摩川自転車旅

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鈴木邦男誕生会(阿佐谷ロフト)

 8月4日、69歳になった鈴木邦男さんの記念イベントへ足を運ぶ。未だ講道館に稽古に行っているし、この人まだまだ死なないよ。本は1日1冊、映画も芝居も格闘技も見る。この日、森達也、斉藤貴男、青木理、植垣康博、中川祐介など、20名以上の出演者。後半は連合赤軍関係者も多数。折しも阿佐谷は七夕祭りの真っ最中。森達也は相変わらず飄々と、斉藤貴男は言論過激派? 青木理はレベルが高い。鈴木邦男さんはロフトのトークライブの宝だ。いつもありがとう、と心の中で感謝。

 酷暑の昼下がり、和泉多摩川駅あたりから、上流に向かって土手沿いの道をひたすらペタルを漕いだ。熟夏の多摩川の河原の緑の濃さと水の流れの美しさに感動。このクソ暑い夏のど真ん中、吹き抜ける川風に吹かれながら、ただ愚直にペタルを漕いだ。往復6時間、60キロも走っていた。10年ぐらい前に『オキナワ放浪宿ガイド120』(山と渓谷社)で、沖縄本島一周ママチャリの旅をやって以来の自転車長旅だ。まだ若いぞ。

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 一日だけのチャリダー(多摩川上流にて)

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