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トップコラムおじさんの眼第160回 66歳にして娘ができる!?

60回 66歳にして娘ができる!?

第160回 66歳にして娘ができる!?

2011.08.03

 さてこの「おじさんの眼」もなんだかんだ160回。途中1年ぐらいの休みがあって再開したから、トータルで200回以上のはず。私はもう、17年近くこのコラムを書き続けていることになる。「まあ、なんと気が長いことよ」と思うと同時に、ロフトプロジェクトの機関誌『ROOFTOP』が、絶えることなく40年近く続いているのが、どこかうれしい。老舗、暖簾、伝統なんてロックやサブカルには不向きなのだが、よくも潰れずここまでやって来たもんだ、と自分ながら感無量だ。

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石巻の鹿立漁港。復旧作業が長期化する中で、とうとう漁にまでボランティアが駆り出されることに!(笑)

被災地からの中継そして脱原発デモ

 3月11日。世界最大級の地震と大津波と原発事故が東北地方を襲った。この事象は私の今までの生き方をあらゆる意味で問う結果になった。
 ちょうど66歳にして、「この先の老後をどう生きてゆくのか?」という命題に突き当たっていた私は、「今の自分に何ができるか? 被災地にできる限りのことをしよう」という結論に至った。私は、生まれて初めてボランティアに参加した。しかし年老いた腰痛持ちの私にとっては、現地でのボランティアはキツすぎた。
 東京に戻ってからは、被災地と他の地域を結ぶ活動に専念するようになった。石巻には、ロフトのスタッフを2人置いていた。現地にスタジオを設け、ボランティア目線でのUstream中継を行った。ロフト系ライブハウスでは、募金やチャリティイベントを目一杯開催し、被災地に送った義援金の額は800万を超えた。
 以前から取り組んでいた原発問題についてのイベントも、さらに積極的に行うようになった。放射能は金持ちにも貧乏人にも、右翼にも左翼にも平等に襲ってくる。もちろんこれも、Ustreamやニコニコ動画でも配信していった。4月には、脱原発を掲げて世田谷区長選挙に立候補した保坂展人氏を支援した。素人の乱と組み、高円寺、渋谷、新宿と大規模抗議デモに取り組んだ。我ながら「よくやった」と、自分とその周囲を誉めてやりたい気分。結局、東京にいてもヘトヘトになったが(笑)、充実感はあった。そうこうしているうちに、東北の雪も溶け夏になった。

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石巻市内、建物からの泥出しの様子。みんなヘドロまみれになりながら朝から晩まで一生懸命作業する。もちろん無償で

若者は政治や原発の話が嫌い?

 先日、友達からのメールに、「横丁で原発や政治的な話になると、若い客達が去っていく、ということで寂しい限り」とあった。
 これはちょっと悲しい。もう何十年も、日本の若者は現実の政治から逃避している。俺達は、これからの世代のために闘っている、という意識なのだが……。若者達にそっぽを向かれる「脱原発運動」ではいけないと思うのだが、「この問題は君達の切実な問題なんだ。頼むから逃げないでくれ」と、おじさん世代としてはお願いしたくもある。

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2011年7月8日に発行された『週間読書人』に私の書評が掲載された

復活するか!? 『週刊読書人』の書評

 もう7年以上前のことだ。私は2カ月に一度ぐらいの割合で、『週刊読書人』の書評を書いていた時期があった。その仕事が楽しく、名誉でもあって引き受けていたのだが、ある時、歌舞伎町交番の人情ある警察官物語の書評を依頼された。読んでみるとそれは、警察官のよいしょ話ばかりだった。なんだか腹が立った。当時、歌舞伎町では石原慎太郎の歌舞伎町浄化作戦により、警察の人権無視の強制的な職務質問がいたるところで行われていた。さらには風俗系取り締まり警官達の悪行の情報だってたくさんあった。私は、書評でその本をこき下ろしてしまった。それから依頼は全く来なくなった。
 そんな『週刊読書人』から、久々に書評の依頼が来た。『下北沢祝祭行』(大木雄高著/幻戯書房)だった。大木雄高は1975年、下北沢に今にも潰れそうな小さなジャズバー「レディジェーン」を開店させる。私が、1974年にロックのライブハウス「下北沢ロフト」を開店させたすぐ後だった。この二軒の誕生によって、演劇オンリーだった下北にロックやジャズ、ブルースなど、音楽文化が花開いて行った。私と大木は、その後、下北沢音楽祭など、色々なテーマに取り組んだ戦友なのである。しかし同年齢ということもあり、どこか変な近親憎悪みたいなところもあったように思う。近くて遠い関係になって、私は新宿に移り、大木は下北沢に土着化したのだった。

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プラスワンで行われたマキタの結婚式。みんな幸せそうな顔をしていた

マキタスポーツの結婚式で父親に!?

 5月頃だったか。たけし軍団最終兵器と言われている芸人のマキタスポーツから電話があった。「悠さん、ご存じの通り俺達夫婦は結婚して10年になります。子供も二人いて……だからこの今、俺、結婚式を挙げたいと思うんです」「そうか? それは良かった。希(マキタのカミさん)も喜んでいるに違いない。何とか出席するよ」「ありがとうございます。それで、一つお願いが……」「えっ?」「実は、希の父がすでに他界していまして。できましたら悠さんに希の父親役をやって欲しいのです」「!」
 希は、元プラスワンのアルバイトだった。1999年、私は旅の本を出すために、元祖バックパッカーの私と、現役クズパッカーのウクレレ(現ロフトプロジェクト店舗統括)、貧乏旅超初心者の大内希の三人で、東南アジア(タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス)の旅に出かけたことがある。だから彼女のことはよく知っているのだ。
 私の結婚式での役割は、彼女を連れてマキタに引き渡すだけだったのだが、初めての体験でもあり、面白かった。

 昨年同様の、暑い夏。もう原発のことは忘れたいと思っても、どうしてもこの現実が脳裏から離れない私がいる。大型台風が日本を襲うシーズンになった。今、いつすっ飛んでもおかしくない福島原発にこの台風が直撃したらどうなるか? と考えると、もういても立ってもいられない。外は激しい雨と風が吹いている。
 あの原発爆発事故以降、100日上経つのにまだ放射能流出が続いている。東北から関東では未曾有の放射能汚染が広まり、それが日本全国、さらには世界中にまき散らされている現実。野菜や乳牛、海洋汚染の心配、全てが解決の目処さえないのが悔しい。「命の問題」を無視して、未だ原発推進論を唱えている原子力村の連中や、利権にまみれている政界、労働組合、御用学者、マスコミが許せない。

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