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トップコラム石丸元章「半径168センチの大問題」第6回「字が小さくてもう大変! 目指せ本文4級蟻の幼虫...のまき。」

回「字が小さくてもう大変! 目指せ本文4級蟻の幼虫...のまき。」

第6回「字が小さくてもう大変! 目指せ本文4級蟻の幼虫...のまき。」

2019.01.08

 

菊地成孔さんとパチリ.jpg

菊地成孔さんとパチリ

 俺は脳出血だああああああ! うう、死ぬ~。と騒いでみても、退院して今日で10日しか経っていないのに、すでに毎日頭の中は日常のことでいっぱい。今日も朝からあたふたと、ドトールのWi-Fiでこれを書いている。

 脳卒中は生き死に関わる病気ではあるけれど、気にするのは夜中に独りでいる時にしてよ。それよか今、大切なのは、今夜出演するイベントのこととか、次の単行本のこととか、午後の歯医者どうするかってことで、いつまでものんびり脳卒中気分にひたられても困るし。

 ――と、世間の声が聴こえてきそう。

 本誌『Rooftop』のこの原稿にしたって、入院中は、「いよいよ俺もおしまいだ」と思ってるから、字数を気にせず、「どうせ死ぬし」と書きたいだけ書いてたら毎号大幅に字数がオーバーしちゃってて、ネットで読んでる人には関係ないけど、気づくと本誌紙版の文字の大きさが5級ですよ! 5級て、雑誌でいえばキャプション(写真の下についてる字)以下の小ささで、虫になら蟻の幼虫よりも小さいという。

 「そうか。死に瀕した自分の字は蟻の幼虫か…」 

 年末の新宿で、昆虫の幼虫と人間の命のはざまにある不思議な関係に想いを寄せていると、「最近の文字は小さすぎて読めなーい!」と、ハズキルーペの声がする。驚いて目をやると、目の前にハズキルーペをした渡辺謙が立っている。

「わ、渡辺謙! なぜかハズキルーペの!」と、本当にのけぞって驚いたのだが、しかしよく見るとそれは渡辺謙ではなく、ハズキルーペをかけた渡辺謙に激似のバングラディッシュ人だった。なるほど、言われてみればイントネーションもちがうし、肌も黒い。しかし似ている。どう見ても本人だ。そうか渡辺謙というのは、そもそもインドネシア顔なのだな。

 「Do you know Ken Watanabe ?」聞いてみると、観光で新宿へ来てるのだという。観光旅行だあ? 結構なご身分じゃないか。こっちが入院している間に楽しくやりやがってこの野郎。瞬間的にムカッと来た。はっ! これはやばい…先生わたくし“脳卒中をやって以来、人の幸せが憎い”んです。

 

自称桑名正博の息子、探してます.jpg

自称桑名正博の息子、探してます

 それはいいとしてーー

 なんでハズキルーペなのよ。聞くと、インドネシアで凄く流行っているんだって。ほんとかよ? 疑ったが黒い渡辺謙は、赤と新色の白のもリュックの中から出してきた。お土産にビックロで買ったんだって。で、買ったばかりのハズキルーペをかけて街を歩いてるらしい。バカだ。でも気持ちはわからなくもない。欲しいものを買ったときってそういうものだ。うらやましい。そういえばテレビCMであんなに見てるのに、本物を見たのは自分も初めてだ。

 いいなあ。小さすぎて読めな~い! バングラディッシュ人ははしゃいるのだが、そうだ! こんなことを書いてる場合じゃない――!

 新年2019年1月9日(水)から、新宿歌舞伎町の「ROCK CAFE LOFT」(@rockcafeloft)で新レギュラーイベントを始めます。

 

【新年から水曜日は不謹慎⁉】

「水曜日は脳卒中! 生きるか死ぬかキメるのはあなた。麻痺って正直気持ちいいんです」

ナビゲーター:石丸元章(作家)、武富元太郎(編集者)

 「映画秘宝」「Tocana」「バーストジェネレーション」「ブブカ」などサブカルメディアで活躍する二人が、音楽とトークであなたのお相手仕り候! 第一回目のテーマは「脳卒中とミュージック」てことでーー 星野源、どんと(ボガンボス)、ドヴォルザーク、SACHIKO (DOUBLE)、桜井和寿、KEIKO(globe) ……などなど、みーんな脳卒中経験者なのだった。ねえ、身近な病気なんですよ。脳卒中は5年後の再発率35%。うーん大きい! ALLMOST DEAD! はたして脳卒中は音楽活動(創作活動)に影響を与えるのか? その後の人生を皆はどう生きているのか? 当事者感覚の上に立って“脳卒中と音楽”を語っていこう。  

新イベントの相棒は有名編集者ガリガリ君.jpg

新イベントの相棒は有名編集者ガリガリ君

 良いイベントじゃないか。うー痺れる! ……と、こんなことを書いている間も、バングラディッシュ人は目の前で英語かなんか喋りながら、ビルが並ぶ新宿の景色を見て喜んでいる。ちょっと自分にもかけさせて!

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メガネの上からハズキルーペ

 ハズキルーペをかけさせてもらった。しかし、おお、別にドーってことないわけ。かけてる姿を外側から見ると「ハズキルーペ!」と面白いんだけど、自分がしても特別な感動がないという。不思議な商品だ。10秒で飽きそうになったのだが、ちがう! 景色じゃないんだ。小さい文字を見るんだよ。えーとえーと小さい字は……。これだ! これしかない。本文活字が掟破りの5級で組んであるという、大きさは蟻の幼虫なみ、現代日本で最少の文字が目に染みるコラムといえば、これしかない。

 ――というわけで皆さま、2019年もよろしくどうぞ。ネットの人で読んでる人にはわからないだろうけど、字が小さいので有名なフリーペーパー本誌『Rooftop』(紙版)の中でも特に字が小さいのはこのコラム。今年はさらに4級3級とギネス級目指して縮小していきたいと思います。当然ながらハズキルーペ推奨~。

このアルバム探してます!.jpg

このアルバム探してます!

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LIVE INFOライブ情報

2019年1月9日(水)「水曜日は脳卒中! 〜生きるか死ぬか倒れるか。キメるのはあなた〜」

ロックカフェロフト

ご予約はこちら

https://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/106862

PEN 19:00 / START 19:30
前売(Web予約)¥1,500/当日¥2,000(+要1オーダー)
 
【ナビゲーター】石丸元章(GONZO作家)、武富元太郎(編集者)
 
復活! 2019年 石丸元章が高次脳機能障害に生まれ変わって帰ってきた。「ぜんぜん変わってないじゃん」との一部非難を受け流し杖をついて登場。& 新相棒『投稿写真』の名物編集者ガリガリ君が登場。「映画秘宝」「ブブカ」「トカナ」「バーストジェネレーション」などサブカルメディアを生き抜く2人が、あなたのお相手仕り候。脳卒中歴の人一杯サービス。
第一回目音楽テーマは、脳卒中とミュージック。星野源、どんと、ドヴォルザーク、SACHIKO(DOUBLE)、桜井和寿、KEIKO(globe)みーんな脳卒中経験者なのだった

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