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l.08「経験が役に立つとき〜何気ない毎日の生活を告白するということ」

vol.08「経験が役に立つとき〜何気ない毎日の生活を告白するということ」

2019.10.11

ここ数日間ずっと頭が痛い。脳みその“みそ”の部分(ぐるぐるしたところ)をぎゅっと強く握り絞められている、そんな感じがする。これを地下牢住人に伝えると「季節の変わり目ですからね!」と。今まで頭痛に悩んだことのない人生を過ごし「わたし、偏頭痛もちなんだよね。」という友だちがなんだか格好良く思えていて(偏頭痛という漢字とヘンズツウという言葉の響きが、ね)少し、羨ましくも思ったことがあったんだけど…いざ、自分が頭痛に悩まされると“ただ、辛い。”その一言につきる。


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昨年、2018年の冬頃から地味にnoteというモノをはじめていた。(https://rooftop.cc/column/hontoshiori/190426151825.php)noteの存在を知ったのはいつもお世話になっているハヤカワ五味さんのSNS。そこから“(機械音痴なわたしでも)気軽に始められそうだし、どんなモノなのかとりあえず経験をしてみよう”くらいの軽い気持ちでかなりマイペースな更新を…一応、今もしている。

投稿を始めてすぐの頃に“誰も読んでないだろうからちょっと自分の話を書いてみよう!”と思い、初めて円形脱毛症になったとき、見つけたときの話を書いたことがあった。Twitterアカウントとは連動させてなく、誰の目にも止まらない全く無意味で自慰行為的な投稿を。
“いつかまたハゲ(円形脱毛症)ができたらTwitterにも掲載してみよう!”と思いつつ…いつものことながら(ズボラな性格)すっかり忘れていて、先日ようやくnoteの存在を思い出し、“よし!ついにきた!”と思い、その記事をTwitterへ投稿してみたら意外にも反響があって、滅多につかない“いいね!”はもちろん、わざわざ読んだ内容に対する感想を書いて送ってくれたり、全く知らない方からもメッセージを頂いたりして…とにかく驚いた。(送ってくださった方々、ありがとうございます。)

今、わたし自身は“円形脱毛症”について、もう悩むことなんて全くなくて、むしろハゲていないときの方が断然に少ないので、最近はハゲていないと少し不安になる(笑)。
決して、有名人でもなければ、表舞台に立つ側でもない。ただのごくごく普通の一般人であるわたしが書いた日常の出来事が誰かの心を少し軽くできたり、悩んでいるのは自分だけじゃないんだと思えてもらえたことが、有難く、嬉しく、なんだかんだ少し意味があるモノ(noteの投稿)なんだと思えたので…本当に読んでくださった皆さんありがとう!!!
ハゲていてもいいじゃないか!! 最近は本当に500円玉くらいの地肌が見えると無性に地肌を可愛いと思ってしまうところまできた。(どんなところ?(笑))もし、円形脱毛症で悩んでいる方がいたら…大丈夫。生えるから。自然と生える。気にしていても皮膚科のお薬を塗ったり、飲んだりしてもハゲるときはハゲるし、生えるときは生える。円形脱毛症はそのうち生えてくる。(わたしの場合)
ここ数年はハゲ(円形脱毛症)で皮膚科に行くこともやめ、たまに別の用事で皮膚科に行くと先生に「最近、ハゲはどうだ?」とわたしの性格を知っているから明るく笑いながら声をかけてくれる先生にも出会え、たまに近況のハゲ出没情報を教えたりしている。

そう。こうして普通の生活では他人に言えないこと、書けないことを公開しても平気なのは(他人の目を気にしない)根本的な性格もあるけれど、星野源さんの存在も大きく影響をしている。以前、掲載をした「まいにちのちいさなしあわせのみつけかた」(https://rooftop.cc/column/hontoshiori/190617143341.php)でも紹介をしている星野源さん。今回は今月9月に文庫版として新しく発売された書籍を紹介したい。

みんな“変態”で“エロい”生きもの
そして、赤裸々に綴られる死の淵からの生還

よみがえる変態
文春文庫 / ¥600+tax


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以前、紹介した「そして、生活はつづく」とほぼ同時期に手にした作品でもあり元々は“GINZA”という女性向け雑誌の連載エッセイでの掲載のみだった内容が2014年にマガジンハウスより「蘇える変態」として出版され、今回は文庫版となり出版された。

アルバム制作やライブ、ドラマ撮影に執筆。

やりたかったことは次々と仕事になったが、片時も休まる暇がない。

自分がなりたいと思う姿を追いかけるほどに消耗していく中、突然の病に襲われた。

……まだ死ねない。

これから飛び上がるほど嬉しいことが起こるはずなんだ。

死の淵から蘇った3年間をエロも哲学も垣根なしに綴る。
―作品あらすじより

文庫本はいい。とても軽いし、どこへでも一緒に連れていける。いつもデートのような気持ちになる。“今日はどの本と一緒に出掛けようか”と。
すぐに手に入れた「よみがえる変態」と一緒に喫茶店へ行き、珈琲を待つ間ページを捲る。読みはじめてすぐに飛び込んでくる“おっぱい”の文字。ラジオ(星野源のオールナイトニッポン)を拝聴し始めてからはすっかり星野さんの下ネタにも免疫がつき、リスナーからは“童貞顔”としていじられる星野さん…いや、源さんと呼ばせて頂こう。そう、そんなド変態な源さんを知っているが、純粋に音楽だけが好きな友達にこの話をしたら…とても驚いていた(笑)。そして、「星野源がエロいってすごくいいよね…。」と顔を赤らめながらぽつりと言葉をもらした。…ズルい。ズルい!ズルすぎるぞ、星野源!!! どこまでも魅力的なんだから。
ただ、そんな源さんは今ではたくさんのテレビ出演を果たし、音楽だけではなく、役者さんとしてのドラマや映画にも出演し、その主題歌を歌うなどと幅広く活動をし、いろんな才能を開花させ順風満帆、恵まれた人生の謳歌をしているように見えるが…実際は真逆のような人生。芸能界で今、活躍している人たちも様々な環境の中からもがき、苦しみ華々しく舞台に立つ人ももちろんいると思うし、実際にいる。ただ、死の淵に立たされたことはあるだろうか?一回だけではなく、二回も。源さんは人生で二回も死の淵から蘇えってきているのだ。その“死の淵”について、赤裸々に綴られているのか“よみがえる変態”である。

…なんだろうな。なんて書けば伝わるんだろうか。
源さんの表現、言い回し? 伝え方? で優しさや少しでもポジティブに物事を捉え、“現状を楽しもう”という気持ちが手に取るように伝わってくる。そう、伝わってくるんですよ。源さんの文字って。不思議だよね。文字なのに感情が伝わってくるんですよ。伝わってくるからこそ、闘病生活が痛くて…。怖くて。想像ができるんです。いろいろと、ね。
だけど、そんな真っ白な紙をボールペンで黒く全部を塗りつぶすような感情の中でも“面白いことを!”、“楽しいことを!”と考えて生きている姿が読み取れて、源さんにとっては日常の出来事だけど、その出来事をこうして源さんが書き綴ることで少なからずわたし自身はもっと人生を楽しんで生きていたいし、ワクワクする気持ちがより一層強くなったのである。その気持ちをもし、わたし自身の経験を通してなにか誰か(これを今、読んでいるあなた)が前向きな気持ちになれたり、自分だけじゃないんだなって仲間みたいに思ってもらえたらいいな、って思う。

本当に源さんの日常での思ったことや出来事を読んでいると、とても穏やかで清々しい気持ちになれるんですよ。男性でいうところの“一発抜いたときの感覚”ですね。きっと。そのくらい清々しい。自身の哲学はハッキリとしていて、“こう思う”などの気持ちも綴っているのに、決して押し付けではないところにも優しさを感じる。そして、とてもくだらない。くだらなくて、くだらなすぎて笑えてきて、さっきまで悩んでいたことがどうでもよく思えてしまう(笑)。

個人的に大好きで“実践していきたい!”と強く思った内容を。

「死にたいと思ったときに『おっぱい揉みたい』と声に出して言うと、少し幸せな気持ちになりますよ」
嫌なことがあって落ち込んだり、怒っている人がいたりすると、人は「死にたい」とか誰か特定の人を指さして、「死ねばいいのに」とか、つい言ってしまうものだけど、そんな時「おっぱい揉みたい」と声に出すだけですべてがどうでもよくなり、気持ちが楽になるということらしい。

―よみがえる変態 おっぱいp9

これは源さんがJ-WAVEにて放送をしていた『RADIPEDIA』というラジオ番組にリスナーからのメール。源さんが“感心した”というお話の一部である。
もう、最高じゃないか!(笑)と読みながら笑ってしまった。わたしはいつも剣山のようにイライラの棘がたくさん出てくると(頭の中のイメージ、ね。)「一生、奥歯が臭くなれ!(念)」や「飲みに行った先がお座敷席なんにつま先の部分が多く穴空いて恥ずかしい思いをしちゃえ!(念)」とか相手に対しての害を少なからず考えてしまう。なのに、“おっぱい揉みたい”って。誰も傷つけないし、実際に声に出してみると…言ったあとにちょっとにやけちゃうんですよ。(笑)さらに、「おっぱい揉みたい!」と怒りに任せて大声で叫び、その後“おっぱい揉み揉みポーズ”をすると、もう本当に怒っていたことや悩んでいたことも全てがどうでもよくなってしまうので、とてもオススメです。(やってみてください。)
ぷんすかしていて不細工な自分が本当にしょうもなく思えてきて、笑って人生楽しんだ方が最高じゃん! って、思えちゃうんですよね。

久しぶりに文字を書いているせいが内容が点々バラバラな感じがすごいんだけど…ま、いっか! とりあえず、源さんがこうして赤裸々にラジオでお話をしたり、文字にして、残るものとして源さんが経験してきたことを発信してくれることで、少しの親近感や“あ、わたしも同じ気持ち”って、なんだか身近に感じられて…そういうことが、ただの一般人にもできたらいいな、と思う今日この頃。なんかさ、自分に正直で真っ直ぐな人ってステキだよね。

文章:おくはらしおり SNS:https://pomu.me/okuhara1990/
サムネイル:さの さくら SNS:Twitter @sacla07

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