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l.22「ア・サートゥン・レイシオ」

vol.22「ア・サートゥン・レイシオ」

2014.10.22

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 絶賛レコ発ツアー中のスターベムズ、おかげ様でEMOく楽しく全国行脚中! アナタの街で会いましょう。とはいえ四十路のリーダー率いる三十路メンバーたちのバンドゆえ、他の仕事やプライベートもバタバタしがちで、演奏しては帰り、用事を済ませてはまたLIVEしに行く日々……初日には何とGt.アツシが可愛い女の子のパパになったりもして! オッサンBANDなりにLIVEで全国を飛び回れる喜びを噛み締めていますが、広い世界を見渡してみると……何と、20年越しのアメリカ公演を行なったバンドもいるとなっ!? 何事も続けてみないと分からないもんだ!
 80年代の英国ニュー・ウェーブの口火を切ったジョイ・ディビジョン(その後のニュー・オーダーも含め)の影に隠れてしまいながらも、当時の所属レーベルFactory Recordsの内幕を描いた映画『24アワー・パーティー・ピープル』でも音楽監修に携わったり、何より現代のディスコPUNKや、あまたいるインストBANDの先駆け的なサウンドを演奏していた、あまりにも早過ぎて過小評価な天才集団が、ア・サートゥン・レイシオ。バンド名の言いにくさも日本での知名度を下げた原因かも?
 当時あまりにも肥大化して商業的になり始めてしまったROCKやPUNKの復権をかけて、ニュー・ウェーブのバンドたちはそれぞれ各自、独創的なサウンドを構築していたのですが、サートゥン・レイシオは通称「コールド・ファンク」と呼ばれる独特の楽曲を演奏していました……文字通り、ファンキーなのに冷たく無機質なのです。たとえばピストルズのジョン・ライドン率いるPILや、その後のDUBレゲエの発展に影響を与えたPOP GROUP等は、あえて「踊れない」ような分断されたサウンドで逆説的にトンガッたサウンドでしたが、サートゥン・レイシオはあくまでも踊れるリズムにこだわり、上物にトリッキーなホーン・セクションや反復的なフレーズ、Vo.を多用することでテクノの先陣を切り、逆に21世紀の今、クラブでプレイされても全く違和感のない完成度!
 しかしあまりにも早過ぎた才能は国内のマニアだけの評価に留まり、アルバムもいつも廃盤状態……オリジナル・メンバーももはや1人しか残っていませんが、現在でも細々と活動は続いており、何と初の米国ツアーを行なった1985年以来、実に21年ぶりの2008年、フェス出演のために渡米。2010年代は世界中のニュー・ウェーブ・マニアの再評価の気運に乗り、ヨーロッパを始め各国のフェスにも引っ張りだこ。ここ日本でも「生ける伝説」と化しているア・サートゥン・レイシオの動く姿を観てみたい!
 

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ヒダカトオル
 1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
 1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
 2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
 そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!

http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/

 
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THE STARBEMS
ULTRA RENEGADES E.P.

KISS FACTORY RECORDS HICC-3869
定価:1,000円+税/2014年6月4日(水)発売

【収録曲】
01. LET LIGHTS SHINE
02. PITFALLS
03. BOYZ OF NATIONZ
04. King Kong Five(Mano Negraカバー曲)

LIVE INFOライブ情報

ULTRA OPERATION TOUR 2014 7月10日(木)高崎SUN BURST 7月12日(土)長野LIVE HOUSE J 7月13日(日)新代田FEVER ★全公演 前売り3,100円(ドリンク代別)

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