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二回 どれが元祖? 知られざるとんかつ&かつ丼ヒストリー

第十二回 どれが元祖? 知られざるとんかつ&かつ丼ヒストリー

2019.04.04

 あいー、どうも。この連載も2年目、前の城連載からすると5年目ですか! そろそろ本になってもいい分量じゃないですか!? ねぇ!(目を¥マークに、両手の人差し指と親指で○を作りながら) ほら、今月はまさかの表紙に俺いるし!
 とまぁ、こんな調子で今回も食にまつわる歴史、いってみましょう!
 
 ええ、私、ここ2年ほど「とんかつ」にハマってまして(インスタで「#とんフレ」と検索してみてください)、その「とんかつ」をディグってみましょう。
 
 明治になってから西洋の料理も日本に入ってくるようになり、その中のひとつがカツレツでして、それは牛肉を叩いて延ばし、衣をつけてバターや油で揚げ焼きにしたものです。それを銀座にある「煉瓦亭」が1800年代の終わりらへんに豚肉で代用し、さらに大量の油で揚げたものを「ポークカツレツ」として提供しだしたみたいです。元祖ですね。そう言えば、とんかつにキャベツの千切りをやり始めたのもこの店みたいです。
 
 当初、ポークカツレツには数種類の温野菜が供されていたみたいです。が、1904年に勃発した日露戦争で大勢の若者が戦地に向かいます。その中には煉瓦亭の若いコックもいたようで、厨房が人手不足に陥ったと。そん時に手間のかかる温野菜の代用として思いついたのがキャベツの千切りだったと。油で揚げるカツレツにはキャベツの千切りのサッパリ感がハマっちゃって、「逆にキャベツ正解じゃね!?」と定番化して世に広まります。たまたまだとは思いますが、キャベツには整腸作用もあり、一石三丁だと。
 この煉瓦亭はまだまだ元祖がありまして、オムライスや、ウスターソースをカツにかけるってのもここからみたいです。現在も営業してるので銀座に行ったら老舗の洋食を楽しめます。
 余談ですが『鬼平犯科帳』でお馴染み、食通の文豪、池波正太郎もこのお店に若い頃から晩年まで通っていたらしく、入店すると瓶ビールと大カツレツをオーダーしてペロリ。たまに2、3枚大カツレツを食べてからオムライスやハムライスを食していたそうな。めっちゃ食うじゃん!
 
 はい。じゃあどこで「ポークカツレツ」から「とんかつ」になったか。
 明治が終わり大正になって、いろんな料理が日本中に広まります。当時はどうしても情報や記録が曖昧な時代。そんな中で1921年創業、新宿の「王ろじ」が「とんかつ」という名称で売り出した説があります。ここは「とん丼」という名でカツカレー的なものを出した元祖とも言われていて、現在も食べることができます。
 
 いや、カツカレーの元祖は違うだろう! と言われそうですが、はっきりしたもんはないんですなぁ。「河金」というお店が出した「河金丼」もとんかつにカレーがかかったものを大正時代に出していたみたいですし(現在も暖簾分けされた入谷と千束のお店で食べれるようです)、元祖! を名乗るお店もいっぱいありますね。
 
 銀座の「グリルスイス」もカツカレー発祥の店として有名ですね。ここはエピソードもはっきりありまして、戦後の1948年(昭和23年)に東京読売巨人軍の千葉選手という方がグリルスイスの常連さんだったみたいで、よくとんかつとカレーを頼んでいたと。ある日、別々に食べるのが面倒になったのか「カレーの上にカツのせてくれ!」とオーダーかまして、それを出したら好評だったと。んでそれ以降、「カツカレー」としてメニューになったというエピソードです。もしかしたら「カツカレー」というワードが元祖なのかもしれませんね。今も銀座で営業していて、「千葉さんのカツカレー」とオーダーすると当時のものが出てくるようですよ。
 元祖カツカレーを謳う店は他にも神保町「キッチン南海」や、大阪難波の「元祖とんかつカレー カツヤ」がありますが、グリルスイスの千葉さんのカツカレーは食べたことないんで今度食べに行きたいです!
 
 と、超個人的な感想で「とんかつ」ヒストリーを曖昧に終わりたいと思います!
 あ! とんかつと言えばかつ丼もあるな!
 かつ丼もこれまたいろんな説がありますが、有名なとこでは早稲田の蕎麦屋「三朝庵」。大正時代に宴会で余ったかつを玉子丼に入れてみよう! と作ったのがきっかけで、うめぇ! と全国に広がった説。ここはカレー南蛮も元祖みたいですよ。今でも元祖かつ丼の店として有名になってしまって、来る客が過度に期待してしまうので「うちのかつ丼は普通のかつ丼です」と張り紙がしてあるみたいです。って今調べたら、昨年2018年の夏に閉店してしまったとのこと…。
 
 と、残念なお知らせで時代の移ろいを感じつつ、今度こそ平成最後の『歴史のふし穴』終了! みなさんも「元祖」の店に行ってみて往年の歴史の味を感じてみてはいかがでせうか。
 
 
 
挿絵:西 のぼる 協力:新潮社
 
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