どもー、城ソムリエの槍玉揚男です。前回から引き続き城にまつわる伝説やこぼれ話、これは珍しい! ってやつを紹介してみましょう。
城って築城する時に伝説が生まれやすいんすよ。ほら、石垣積むのがうまくいかないとか、どうも作業がうまくいかない、って時に人柱やっちゃいがちじゃないすか。殿様が「うーん、うまくいかないな〜。埋めちゃおっか。生贄」的な。各地にありますよ、人柱伝説。
現存天守の松江城は天守台がうまく積めない、ってことで盆踊りをしてる可愛いギャルを拉致って天守台に埋めちゃったと。城は完成するんですけど、ギャルの祟りで殿様の変死や、御家断絶が続いたりしたみたいですよ。今でも松江の下町のほうでは盆踊りをしないって噂です。
も一つ現存天守でいくと福井県の丸岡城。柴田勝豊さんの城ですが、ここも築城が難航。てことで選ばれたんが息子と2人で貧乏暮らしをしてる片目のお静という婆さん。「人柱になってくれたら、息子を取り立てて侍にしてやっから」てことで人柱を引き受けたとか。でも柴田さんはすぐに滅びちゃって、息子は侍にもなれないまんま。その嘆きからか、毎年春雨でお堀が溢れる感じになっちゃって「お静の涙雨」なんて言われてたみたいっす。
ここで現存天守にこだわっちゃいましょう。姫路城は伝説いっぱいす。人柱伝説もあるし、疎まれてご主人に「おめぇ大事な10枚セットの皿、1枚割ったろ」と因縁をつけられたお菊さん、井戸に突き落とされて死んじゃったと。ほんでその井戸から夜な夜な「1まーい、2まーい、〜9まーい…やっぱり1枚足りな〜い」て聞こえるでお馴染みのお菊伝説になりました。このお菊井戸は今も城内にありますよ。
天守にまつわる話だと、最上階にはでっかい神棚があるんす。これは刑部(おさかべ)姫って妖怪が今の姫路城を作った池田輝政さんの枕元に夜な夜な立ったりしてネチネチ苦しめたようです。困った池田さん、「どうしたらいいスカ?」て聞いたら「大天守に住まわせてくれたらええよ」てことで神棚に祀られたと。その後、毎年1回刑部姫と歴代城主がミーティングすると城の安寧が訪れたと。この神棚効果か太平洋戦争の時、姫路大空襲があったんすけど、大天守にも焼夷弾が直撃、しかし不発弾だったため炎上を免れたんです。奇跡っすね〜。
んでこの天守、珍しいもんがあるんすよ。それは便所でして、普通、天守って人が生活するのを想定してないんで便所なんかないんすよ。でもここにはあると。和式スタイルの下にでっかい肥溜め壺がありまして。ほんでその便所は普段公開してないんですけど、私はたまたま公開してる時にあたりまして目撃しました! 便所!(自慢)
現存天守で珍しいのがあるのが岡山県、備中松山城。ここは標高高い所に建ってる山城でして、冬は寒いんでしょうな。天守の中に囲炉裏があります。こんな生活感ある天守はないすよ。山城で唯一の現存天守で、でかさ自体も小振りなんで、なんか親近感わく天守なのであります。
てな感じでいろんな城の伝説やこぼれ話をザクっと紹介してみた2ヵ月でありました。次回から奇跡の「3年目」を迎えるこの連載(多分)。より城の魅力に迫っていきますよ!(鬨の声)(法螺貝)