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トップレビュー時空兄弟「殺しのシミュレーション」

時空兄弟「殺しのシミュレーション」

2018.06.01   MUSIC | CD

2018.6.17発売
1800yen 地底レコード

 国内屈指のギタリストでありシンガーの"マダムギター"こと長見順と、"聴くモルヒネ"とも評されるGiulietta Machineでギターを担当する大津真の二人によるユニット「時空兄弟」のファーストアルバム。パンチの効いたブルースやミュージック・ヘアーなど様々なバンドで活動する長見だが、デュオ形態はSAYOKOとのAPE以来だろうか。この時空兄弟では長見の語りかけるような歌をじっくりと聴かせつつ大津のサウンドスケープのような深い広がりのあるギターが独特の静謐な世界を作っている。どの曲も素晴らしいが、特にYouTubeでも見れる本作2曲目の「Ice Song」が白眉だ。長見が現在暮らす福島市在庭坂と思われる一面雪景色の中で響く歌とギターを聴いていると自分がセカイ(自然)と直接繋がっている感覚にとらわれる。山があって、川があって、花が咲いて、私とあなたがいる。そんなシンプルで力強い生命力を持った音楽といえるだろう。(加藤梅造)