昨年10周年を迎えた12012が今年12月12日のO-EASTでのワンマンをもって無期限活動休止を発表した時は、誰しもが驚きを隠せなかったであろう。活動休止前の最後のリリースとなるミニ・アルバム『XII』は、各メンバーが1曲ずつ作曲を手掛けるという彼らの初の試みでもあり、全5曲が収録されている。それぞれのカラーがとても出ている作品だと思うが、アルバムを通して聴いてみて、やっぱり5人のカラーが揃ってこそ“12012”というバンドが成り立つんだと改めて噛み締めさせられる。宮脇渉が唄い上げる、狂気だけではなく、とても激しく、優しく、そして切ない旋律がグッとくる。
このアルバムを聴いていると、彼らの活休という未だに現実味のない事実が急に心にのしかかってくる。次は一体どんな作品を…と期待さえ感じてしまうのもまた事実だ。活休してしまうから、ということでもないが、本当に悔いの残らぬように彼らのライブを観ておいて欲しい。(新宿LOFT:河西香織)