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SOSITE/Syronicus

2014.01.07   MUSIC | CD

STD16
2,300yen (tax in)
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1. ハキダメに鉛
2. 暮レ子
3. カッコウ
4. 天仰ぐ
5. 私の中華
6. 走馬灯
7. 岸頭にて
8. ビルの群れ
9. 限りない白

 加倉ミサト(g, vo)とbloodthirsty butchersの小松正宏(ds)から成るデュオ・バンドの2作目。特筆すべきはやはり、今作で初めてミサトがボーカルを取った『暮レ子』『岸頭にて』『限りない白』で聴かれる瑞々しく澄んだ歌声の純真さ、屋台骨を支える小松の技巧と存在感、芯が太くタイトな音像を確立した中村宗一郎とAtsuo(Boris)によるミックスの手腕である。緩急のついたアンサンブルを聴いて脳内喚起されるのは、凍てつく北国の曇天。パウダースノーを具象化したような音色のギターと打ちつける日本海の荒波のように剛胆なドラムが有機的に絡み合う様は実にスリリングで、巡る四季と移ろう感情を組曲的な構成で紡いだ『走馬灯』などは彼らの真骨頂と言える。エモーショナルだが冷徹さもある。叙情的だが叙景的でもある。雄弁な音の隙間やホワイトノイズの残響までもが愛おしくなる、完膚無きなまでの傑作。(椎名宗之)
 

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