昨年は"ベールに包まれているバンド"と表されることが多かったandropが、ニューアルバム『door』をリリースする。CDジャケットは、8枚の扉がイメージされた立体的な作りになっており、ひとつの作品に対する思いが強く感じられた。そして、1曲目の『MirrorDance』から始まる今作。3曲目の『Amanojyaku』は、テンポが万華鏡の如く目まぐるしく移り変わり、まるで異次元に放り込まれたような錯覚に陥った。ただ、これだけサウンドを駆使しても、ポップソングであることは一貫している。根底にあるポップの部分が聴く者も聴く場所も選ばず、心の中にスッと入り込んでくる彼らのサウンドに心地良さを感じた。透明感のある歌声に、ダイナミックでありながら緻密で知的さを感じるアンサンブルは、大胆さと繊細さが相まってよりドラマティック性を増している。ここ最近は徐々に露出が増え、ようやく全貌が掴めそうな彼ら。ワンマンツアーも決定しており、より多くの人の耳に目に触れる機会が増えることだろう。（Rooftop：やまだともこ）

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