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真空ホロウ / contradiction of the green forest

2010.03.01   MUSIC | CD

ROJR-0006 1,890yen (tax in) / 4.07 IN STORES

RO69推薦枠にてROCK IN JAPAN FES.2009への出演と、JACKMAN RECORDSからの本作品リリースを見事に勝ち取った茨城県鹿嶋市出身のバンド・真空ホロウ。同じく茨城県出身ということもあり、ちょっとした親近感を持っていた私は昨年夏のその知らせに思わず胸が高鳴った。当日、ひたちなかに足は運べなかったものの、後日ネットで配信されたライブ映像はもちろんチェックした。ミーハーな自分に突っ込みを入れながらも、ひたちなかの壮大な緑に囲まれて演奏する彼らの姿に目が釘付けになったものだ。夏が過ぎ、秋が過ぎ、長い冬を越し、届けられた『contradiction of the green forest』。1曲目のタイトルが『終幕のパレード』というだけでも衝撃を受けたが、何より真空ホロウの持ち味は曲の世界観だと思う。人間が誰しも持っている孤独感、そこから自然と溢れてくる欲望や依存…なんて言葉は難しい揶揄の様に捉えられてしまうかもしれないが、きっとこの作品を耳にすれば理解できるはずだ。早朝の5時、ただひたすらに真空ホロウの奏でる音楽と向き合いながら、この原稿を執筆している。相変わらずに自己表現が苦手な自分に苛立ちや虚しさを覚える。気が付けばここ数日、そんな毎日が続いている。先が見えない、気の遠くなるような終わりのないフラストレーション。しかし、そんな感情ですら代弁するかのように、耳から心へと激情的に流れ込む。無性に誰かの声を聴きたくなって、携帯電話の通話ボタンを押す訳でもなく、CDプレーヤーのスイッチを押す。音楽って、ロックって、そういう存在であって欲しい。…ここまで長々と書き綴ってみて、ああでもないこうでもないと、自分の中に存在している言葉を一生懸命に引き出してみて、何度こうしてリピートして聴いているのだろう。きっと空はもう明るくなっているんだろうな。一日の終わりであり始まりである瞬間に、こんなにも素晴らしい作品に出会えたことに感謝したい。そして、こんな素晴らしいバンドを生んでくれた茨城県を誇りに思う。実家に住んでいるお父さん、お母さん! 今度じっくり聴かせるから待っててください。(新宿LOFT:松浦由香理)

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