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トップレビュー「ラブレス」

「ラブレス」

2018.04.02   CULTURE | MOVIE

4月7日(土) 新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか 全国ロードショー

 一流企業で働くボリスと美容サロンを経営するジェーニャの夫婦。ふたりは離婚協議中で、12歳の息子アレクセイをどちらが引き取るのか、お互いに息子を押しつけ合い激しい口論をしていた。夫婦どちらも新しい生活に息子を必要としていないのだ。アレクセイは耳をふさぎながら、両親が喧嘩する声を聞いている。翌朝、学校に出かけたアレクセイはそのまま行方不明に。彼らは必至で息子を探すのだが──。物語は息子の失踪をめぐるサスペンスを軸に、身勝手な夫婦の愚かさと醜さをえぐり、現代ロシアへの痛烈な批判を孕みながら、観る者すべての心を深く揺さぶる圧倒的なラストへと向かう。『父、帰る』(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞)や『裁かれるは善人のみ』(カンヌ国際映画祭脚本賞)などで知られるロシアの鬼才、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督が力量のすべてを注ぎ込んだ最高傑作だ。