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トップレビュー高山真 「羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界」

高山真 「羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界」

2018.03.01   CULTURE | BOOK

集英社新書
821yen+tax

 私はソチ後に羽生結弦の演技というか狂気を孕んだ佇まいに興味を引かれ、追えるだけ追っている。本書のタイトルはまさに自分が興味持った原点。それまでフィギュアの観戦は「飛ぶぞ…飛ぶぞ…ヨイショぉっ…あああ」て感じで苦手だった。羽生結弦は、いきなり飛ぶのに仰天したものだ。本書はありそうでなかったジャンプなど大技以外の「つなぎ」に着目、一般に「なぜこの人とあの人に得点の差が?」と思える部分を丁寧に解説する。むしろそこが重要で羽生の強みなのだ。動画見ながら読むとなお楽しめる。
 本書は選手全員応援スタイルで好感が持てる。特に今季目立つ「他者下げ推し上げ」「主観の芸術性押し付け」を行う一部ライターや記者への問題提起には大拍手。著者本人の闘病もありとにかく皆の健康ファーストと五輪・メダルに関係ない選手個々の幸せ願う姿勢も良く、書き手として居住まい正させられる気持ちに。しかし本当に連覇するとは…。(尾崎未央)
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